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60か国を旅したライターが「親日だ!」と感じた国7選

Posted by: 春奈
掲載日: Sep 4th, 2018.

世界各国で、日本がどのように受け止められているのか。台湾やトルコなど、一般的に「親日的」として知られている国はいくつかありますが、アジア・ヨーロッパを中心に60ヵ国を旅した筆者の経験から、特に「親日だ」と感じた7つの国をご紹介します。

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60か国を旅したライターが「親日だ!」と感じた国7選

台湾やトルコなど、一般的に「親日的」として知られている国はいくつかありますが、そのほかにも日本に好感をもってくれている人が多い国はたくさんあります。

アジア・ヨーロッパを中心に60ヵ国を旅した筆者の経験からいえば、アジアの国のほとんどが「親日」といっても過言ではないでしょう。

世界各国で、日本がどのように受け止められているのか。筆者がこれまで旅したなかで、特に「親日だ」と感じた7つの国をご紹介します。


台湾

60か国を旅したライターが「親日だ!」と感じた国7選

「世界一の親日国(地域)」ともいわれる台湾は、やはり日本人にとって旅がしやすい国。日本語が話せる人が比較的多いうえ、町なかで日本語や日本の商品を目にする機会も多く、台湾の人々にとって日本はきわめて身近な国であることが実感できます。

日本人観光客が多いゆえに、日本語メニューを用意しているレストランや、日本語で接客してくれる土産物屋なども多く、日本との距離の近さを感じます。

台湾では、1990年代から「哈日族(ハーリーズー)」と呼ばれる、ファッションや芸能など日本のポップカルチャーを愛する若者が増え、草の根レベルでの交流が深まっています。

台湾が親日といわれるようになったのは、日本敗戦後の中華民国(国民党軍)による統治があまりにもひどく、相対的にインフラの整備や教育の向上などを進めた日本統治時代が美化されたからだといわれています。

しかし、今では戦争を知らない若年層に日本好きが増えていることを考えると、日本の大衆文化が浸透しているからという理由のほうが大きいのかもしれません。

中国に対しては複雑な感情を抱く人が多くても、「台湾が好き」という日本人は多く、「日本が好き」という台湾人も多い。日本と台湾のあいだには国交がないにもかかわらず、民間レベルでは相思相愛といえるでしょう。

ちなみに、東日本大震災への台湾政府および民間からの義援金は、日本円にして250億円以上(2014年末時点)。世界トップクラスの金額の大きさは日本でも話題になりましたが、約2300万人というさほど多くない台湾の人口を考えると、いっそう驚くべき数字ではないでしょうか。

タイ

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毎年多くの日本人観光客が訪れるタイも、日本人があたたかく受け入れられることの多い親日国。都市部の繁華街へ行けば、日本発のレストランやスイーツショップ、日本の食品や化粧品など、さまざまな日本製品が売られていて、その充実ぶりに驚くはず。

日本をテーマにしたショッピングセンターもあるほどで、バンコクのショッピングセンターに行けば、タイ料理のレストランよりも日本料理のレストランを見かけることのほうが多いといっても過言ではありません。

日本の高い技術力が尊敬されている、日本人が礼儀正しいと思われている、在タイ日本人が多く日本人が身近である、など、日本に対するタイ人の親近感にはさまざまな要因がありますが、近年目立っているのは、日本を訪れるタイ人の増加ぶり。

日本への観光ビザが免除されたことで、日本に旅行し、本物の日本を体験したタイ人が増え、より日本に親近感を抱くタイ人や、本格的な日本食を求めるタイ人が増加しています。

これまではタイを訪れる日本人観光客の多さが目立っていましたが、今後は日本を訪れるタイ人観光客がさらに増え、民間レベルでの交流がますます深まっていくのではないでしょうか。

インドネシア

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素朴でフレンドリーな国民が多いインドネシアも、日本や日本人に対する好意があちこちで感じられる国。なかには、「インドネシアが世界一の親日国だ」という意見もあるほど。

インドネシアが親日といわれるようになった最大の要因は、日本人がオランダによるインドネシアの植民地化を防ぐ手助けをしたことです。第二次世界大戦後、独立を宣言したインドネシアをオランダが再度植民地化しようとしたところ、日本人約3000人がインドネシアとともに戦い、独立を助けました。

しかし、戦争を知らない世代が増えた今、インドネシアの親日を下支えしているのは、むしろポップカルチャーです。インドネシアでは日本のアニメや漫画が大人気。

それに伴い、日本の文化に興味をもつ若者も多く、人口が多いこともあり日本語学習者の数は世界2位。首都ジャカルタでは世界最大の日本フェスティバル「ジャカルタ縁日祭」も開催されています。

日本への観光旅行はまだまだ発展途上のインドネシアですが、経済的に豊かな国民も増えつつあり、訪日ビザの要件も緩和されたことから、日本を訪れるインドネシア人は今後さらに増えそうです。

インド

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意外に思われるかもしれませんが、実はインドも予想以上の親日ぶりが感じられる国。

隣り合う中国とインドの関係は決して良いとはいえないために、中国人と思われるとぶっきらぼうな態度を取られることもありますが、日本人とわかると驚くほど好意的な態度を取られることが多いものです。

日本に好意をもつインド人が揃って口にするのは、「日本製品は品質が良い」「世界的なブランドをたくさんもっている」「日本人は礼儀正しい」ということ。

インドの人々の親日ぶりは、そういった一般的な日本評価に加え、ネルー首相をはじめとする歴代首脳に親日派が多かったことも関係しているかもしれません。

インド旅行中、筆者は通りすがりのカフェで無料でチャイに招かれたり、「何も買わないでいいから」と、土産物屋で店主との会話に招かれたりしたこともあります。インドといえば、詐欺やぼったくりといったイメージがあるかもしれませんが、損得を超えて旅行者と交流しようという人々も確かに存在するのです。

ウズベキスタン

60か国を旅したライターが「親日だ!」と感じた国7選

ウズベキスタンという国名を聞いても、それがどこにあるのか、そしてそれがどんな国なのか、よくわからないという人が少なくないことでしょう。

ウズベキスタンは中央アジアに位置するイスラム教の国。日本人にとってはメジャーな旅先とはいえませんが、実際にウズベキスタンを訪れてみると、日本人に好感や敬意をもつ人々が多いことに気づかされます。

ローカルマーケットに出かければ、喜んで写真に納まってくれたり、ウズベキスタン独特の大きなパンを焼く様子を見せてくれたり・・・何人ものウズベキスタン人から、「日本はいい国だ」という声を聞きました。

ウズベキスタンで親日感情が広まったのは、第二次世界大戦後、シベリアなどから2万5000人の日本人抑留者がウズベキスタンに移送されたことに関係するといわれます。首都タシケントでは、日本人抑留者が国立オペラバレエ劇場の「ナボイ劇場」の建設に携わった結果、短期間で完成し、地震でも無傷だったことから、強制労働でも手を抜かない日本人の真面目さに尊敬の念が生まれたとか。

ウズベキスタンの一般庶民の多くがこのエピソードを知っているかどうかといえば疑問ですが、「日本(人)はなんとなくすごい」と思っている人は少なくないようです。

トルコ

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世界屈指の親日国といわれるトルコは、その評判に違わずあたたかいおもてなしが受けられる国。イスラム教には「旅人に親切にせよ」という教えがあるからか、もともと旅行者に親切な人が多いトルコですが、日本人とわかるとさらに歓待してくれることが少なくありません。

通りすがりのカフェや土産物屋、食事をしたローカルレストランで、無料でチャイを振る舞われた経験は数知れず。日本人だからと特別に宿泊費を安くしてくれたり、ランチを半額にしてくれたりしたこともあります。

それに加え、日本や日本人への賞賛を聞かされることもしばしば。世界各国からの旅行者を迎えているアンタルヤで宿泊したホテルのオーナーは、「日本人は勤勉で親切。我々がお手本にすべき人たちだ。」と語ってくれました。

トルコにおける親日感情は、1889年のエルトゥールル号事件に端を発するといわれます。当時トルコが明治政府に派遣した親善使節を乗せた船が台風に遭遇して沈没。近隣住民が必死で救援活動を行った後、明治政府が69名の乗員をトルコまで送り届けたのです。

1985年のイラン・イラク戦争下では、テヘランに残された200人以上の日本人をトルコ航空が危険を顧みずに救出。それに対し、当時の駐日トルコ大使は「エルトゥールル号の借りを返しただけです」とコメントしています。

筆者が2015年にトルコを訪れた際、トルコ情勢の不安定化に伴って日本人観光客が減少していたことから、現地の人々からは「もっと日本人に来てほしい。」という声が聞かれました。

モロッコ

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あまり親日的と取り沙汰されることはないモロッコですが、モロッコを2度訪れた筆者は、「トルコやインドにも負けないくらい親日的ではないか。」と感じています。

モロッコは「世界三大ウザい国」といわれるくらい、外国人旅行者に対する声かけが盛んな国。といっても、筆者の印象では必ずしも下心がある人ばかりではなく、外国人とのコミュニケーションを楽しみたいという人も少なくないように思います。町によっては、ただにっこりと挨拶してくれるだけという人も少なくありません。

とにかく外国人旅行者を放っておかないモロッコの人々ですが、「日本人だ」と伝えるとこちらが嬉しくなるようなリアクションをしてくれる人が多数。

近年中国人観光客が急増し、日本人の存在感が薄れているモロッコでは、日本人も中国人だと思われることが少なくありませんが、「どこから来たの?」と聞かれて「日本」と答えると、「本当に!?」と歓迎してくれるのです。現地の人々いわく、「日本人はマナーが良いし、友好的だから好きだ。」とか。加えて、車や電化製品などの日本ブランドへの信頼も厚いようです。

1956年のモロッコの独立を日本が早期に認めたこと。さらに、日本の皇室とモロッコ王室の関係が良好であることが、モロッコの親日を下支えしていると考えられます。

それに加え、これまでにモロッコを訪れた日本人旅行者の振る舞いが、現地の人々が好感を抱くようなものだったというのも一因といえそうです。

「親日」「反日」では計れないもの

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世界のあちこちを旅すれば、日本や日本人に反感をもっている人よりも、好感を持っている人のほうが多いことを感じるはず。少なくとも、「日本人であること」がマイナスに働くことはめったにありません。

一方で、ひとつの国を単純に「親日」「反日」という言葉で括れない面があることも確か。一般的に「親日」といわれる国の人でも日本にまったく興味がない人や、何らかの理由で日本や日本人が好きではない人もいるでしょう。

それと同じく、「反日」という言葉で語られがちな国にも、日本や日本人に好感をもっている人も確かにいます。実際に筆者は、日本語が堪能で、日本に親近感を抱いている中国人や、日本食や日本のポップカルチャーが好きで、日本を何度も訪れている韓国人を何人も知っています。

「この国には親日家が多いな」と感じれば、日本人としては嬉しいものですし、「反日」といわれれば、なんとなく身構えてしまいがち。しかし、ステレオタイプな「親日」「反日」からは、見えてこない現実があるのもまた事実です。

旅先では、「親日」「反日」という言葉に過剰に引きずられず、一人の「日本代表」として、そして一人の人間として、目の前の人とどう接するかが大切なのではないでしょうか。

インドでの体験を綴った過去記事、『物を売ったら君は僕のことを忘れる。お金はいいから好きなものを持っていって』もぜひご一読ください。

[All Photos by shutterstock.com]

春奈

Haruna ライター
和歌山出身、上智大学外国語学部英語学科卒。2度の会社員経験を経て、現在はフリーランスのライター・コラムニスト・広報として活動中。旅をこよなく愛し、アジア・ヨーロッパを中心に渡航歴は約60ヵ国。特に「旧市街」や「歴史地区」とよばれる古い街並みに目がない。半年間のアジア横断旅行と2年半のドイツ在住経験あり。現在はドイツ人夫とともに瀬戸内の島在住。


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