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【連載】タイの地獄めぐり⑦ 地獄の住人 ―地獄の亡者と餓鬼の違い―

Posted by: 椋橋彩香
掲載日: Dec 27th, 2018.
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地獄の亡者と餓鬼の違い


本連載では、タイにいくつも存在する「地獄寺」をテーマに、筆者が実際に訪れた寺院を紹介しつつ、その魅力をわかりやすく伝えていきます。全12回の連載、第7回となる今回は「地獄の亡者と餓鬼の違い」についてみていきます。

タイの地獄寺では、その名の通り「地獄」がつくられています。そして、地獄の住人には主に責め苦を与える獄卒責め苦を与えられる亡者がいるのですが、なかには獄卒に責め苦を与えられているわけではなく、亡者自身の身体がおぞましい容姿になっている場合があります。たとえば、身体の色が変わっていたり、変形していたり、人間だったとは思えないような見た目をしていたりします。




このような亡者は、基本的に「餓鬼」であると判断することができます。餓鬼とは、人間が死後に赴くとされる六つの世界、すなわち天界・人間界・阿修羅界・畜生界・餓鬼界・地獄界のうち、餓鬼界に生まれたものです。生前にひどくケチであったり、他人に施しを与えなかったり、そのような人が死後この餓鬼になるとされています。

地獄の亡者が他人に苦しめられるのに対して、餓鬼は自分自身が苦しみの原因となります。たとえば、口が針の孔のように小さいため食べ物が食べられなかったり、自分の腕がナイフのようになり、自分自身を傷つけてしまったりします。



地獄へ堕ちる人は他人を傷つけた人、餓鬼になる人は自分自身の性格や考え方に問題があった人と考えると、生前の罪がそのまま罰として自分に降りかかることがよくわかります。同じ地獄寺にいても、地獄の亡者と餓鬼とでは罪と罰の在り方が異なるのです。


スパンブリー県にあるワット・パイローンウアでは、この餓鬼をたくさん見ることができます。地獄の亡者と合わせるとその数は700体をゆうに超え、今もなお増加し続けています。



ワット・パイローンウアの餓鬼たちはひとりとして同じ人はいません。この無数の餓鬼たちなかから自分のお気に入りを見つけるのも楽しみのひとつです。


さて、これまで地獄寺を見たり聞いたりした人のなかには、この人たちの存在を知っている方も多いかもしれません。


この十数メートルは下らない巨大な人たちも、実は餓鬼なのです。次回はこの「巨大餓鬼」に焦点を当てて、個性豊かな人たちをご紹介したいと思います。また来週。


次回「タイの地獄めぐり⑧ 巨大餓鬼 ―地獄寺のランドマーク―」へ続く。 

椋橋彩香

Ayaka kurahashi 地獄研究家
1993年東京生まれ。早稲田大学大学院文学研究科にて美術史学を専攻、現代タイにおける仏教表現を研究テーマとする。2016年修士課程修了。現在、同研究科博士後期課程在籍。現代になり新出した立体表現「地獄寺」に着目し、フィールドワークをもとに研究を進めている。著書に『タイの地獄寺』(青弓社)。

タイの地獄寺Twitter
https://twitter.com/jigokudera


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