国家ブランド指数とは?
英国の政治コンサルタントであるサイモン・アンホルト氏が開発したものです。2005年から毎年、世界50ヶ国の「国民性」「観光」「文化」「輸出」「国家のガバナンス(統治)」「移住・投資」の魅力を評価して、国のブランド力としてランク付けしています。2021年より対象国を60ヶ国に拡大しました。
2022年は主要20ヶ国において、18歳以上の成人を対象に6万件以上のオンラインアンケートを実施しました。
対象国の一覧は下記です。
- 北米:カナダ、米国
- 西ヨーロッパ :オーストリア、ベルギー、フィンランド、フランス、ドイツ、ギリシャ、アイスランド、アイルランド、イタリア、オランダ、北アイルランド、ノルウェー、スコットランド、スペイン、スウェーデン、スイス、英国、ウェールズ
- 中央・東ヨーロッパ:チェコ共和国、ハンガリー、ラトビア、ポーランド、ロシア、スロバキア、トルコ、ウクライナ、セルビア
- アジア太平洋:オーストラリア、中国、インド、インドネシア、日本、ニュージーランド、シンガポール、韓国、台湾、タイ、ベトナム
- アラテンアメリカ・カリブ海諸国:アルゼンチン、ブラジル、チリ、コロンビア、ドミニカ共和国、エクアドル、メキシコ、パナマ、ペルー
- 中東・アフリカ :ボツワナ、エジプト、イスラエル、ケニア、モロッコ、パレスチナ、カタール、サウジアラビア、南アフリカ、タンザニア、アラブ首長国連邦
それでは、さっそくランキングを見ていきましょう。
6位~10位
第7位・・・スイス
第8位・・・米国
第9位・・・スウェーデン
第10位・・・オーストラリア
NBIのランキングで不動の地位を保っていた英国が初めてトップ5を外れて、6位に着地しました。「文化」「輸出」「移民・投資」の各指標での評価は高いものの、「人材」と「ガバナンス」において、人々の温かさ、有能で誠実な政府という項目で低い評価に!
一方、スイス(7位)、米国(8位)、スウェーデン(9位)、オーストラリア(10位)は、2021年からトップ10の順位を維持しています。スイス、スウェーデン、オーストラリアの3ヶ国は「ガバナンス」「人材」「移民・投資」で高い評価を得ていて、米国は「輸出」指数が強みです。
1位~5位
第2位・・・日本
第3位・・・カナダ
第4位・・・イタリア
第5位・・・フランス
国家ブランド指数で60ヶ国の中で、通算8回目、6年連続の首位はドイツ! ドイツの強みは引き続き「輸出」「移民・投資」「文化」です。
そして、日本は2018年以来、初めて2位にランクイン! 「輸出」「観光」「文化」で高い評価を得ました。
カナダは、2021年に過去最高の2位を記録した後、2022年は3位に転落。かつて1位を獲得していた「ガバナンス」で順位を下げたことが要因です。また、イタリアは「文化」「観光」で1位となり、4位に着地しました。
東アジアの国の中で、日本が唯一ランクインし、順位を上げた点が興味深いですよね。2022年は旅行意欲が減少し、2016年以降で最も低い水準となったにも関わらず、海外の人たちが日本の「観光」「文化」を高く評価してくれるのは、うれしい限りです。
ロシアは下位3ヶ国に
2021年に「文化」「輸出」「観光」でよい評価を受けたロシアは27位でしたが、2022年は大幅に低下して58位に。これは平和と安全、長期的な就労や居住、そして人々の温かさの評価が低下したことが原因です。
2020年以降の国際情勢は目まぐるしいものがありますよね。そんな状況の中で、日本が堅固なドイツを抜き、首位に輝く日は訪れるのでしょうか。来年のランキングが今から楽しみですね。
[参考]
プレスリリース(イプソス)
2022年アンホルト-イプソス 国家ブランド指数