海がないのに寿司店の数日本一の都道府県は?【ちょっと面白い都道府県ランキング】

Posted by: TABIZINE編集部

掲載日: Aug 22nd, 2023

日本は海産物が豊かで高級店から回転寿司まで、寿司の食べられる店が全国にたくさんあります。では、日本一寿司の大好きな都道府県民は誰でしょうか? 実は、山梨県が「人口10万人あたりの寿司店の数が都道府県の中で日本一」なのです。山梨県は山に囲まれた海なし県ですが、寿司が大好きとは意外ですよね。その理由を探ってみました。

山梨県の富士山
写真提供:やまなし観光推進機構
 


 

寿司店の数ランキングトップ5

マグロの寿司
総務省が2015年に公表した「平成26年経済センサス」 によると、「人口10万人あたりの寿司店の数」トップ5は、下記のようになっています。

<10万人当たりの寿司店数>

  • 第1位 山梨県 30.3
  • 第2位 石川県 29.9
  • 第3位 東京都 27.0
  • 第4位 福井県 23.1
  • 第5位 静岡県 22.9

平成26年経済センサス‐基礎調査

ちなみに、2位以下の石川県、東京都、福井県、静岡県は、いずれも海に面しています。

山梨県に寿司店が多い2つの理由

無尽(宴会)のイメージ
山梨県は海に面していませんが、隣の静岡県には駿河湾があります。駿河湾ではマグロが豊富に獲れ、静岡界隈ではマグロが流通していました。江戸時代には、魚を新鮮なまま運ぶ限界の距離を「魚尻点(うおじりてん)」と呼んでおり、駿河湾からの魚尻点がちょうど山梨県の甲府だったそうです。

とはいえ、江戸時代や明治時代に山梨県に届けられる魚は、特別新鮮というわけではなかったため、寿司屋の技術で魚を酢で〆たり、漬けにしたりして、生の状態に近い魚を味わっていたのだとか。

ちなみに、県民に人気の寿司ネタはマグロ。甲府市民のマグロへの年間支出額(世帯当たり・2022年)は静岡市に次ぐ2位で、9,321円(全国平均4,984円)でした。

もうひとつ、山梨に寿司店が多い理由として、山梨独自の「無尽(むじん)文化」と関係があるといわれます。

無尽とは、古くは互助扶助の民間金融制度でしたが、現在では、気の合う仲間とおいしいお酒や料理を楽しむことを指すようです。山梨では、昔から大人が数人で集まって飲食する無尽が頻繁に行われていました。寿司屋の座敷は、無尽が行われる会場にちょうどよかったため、山梨県のほとんどの寿司屋には広い座敷席があるそうです。

山梨県に出かけた際には、寿司店に寄ってみるのもいいかもしれませんね。

[参考]
刺身といえば「マグロ」が定番!海なし県の魚事情|甲州らいふ 甲州市移住支援ポータルサイト
人口比のすし店数 海なし県・山梨が1位 – 日本経済新聞
わたしのふるさと便:データで見る 山梨県 海がないからこそ? | 毎日新聞

[Photos by Shutterstock.com]
 


 

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