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【実は日本が世界一】日本の釣り具は世界で1000億円も売れている!

Posted by: 坂本正敬
掲載日: Jan 26th, 2022.

新型コロナウイルス感染症の影響で、なかなか旅行を楽しめない時代が続いていますが、3密を避けて楽しめる遊びはいろいろとあります。旅との相性で言えば、例えば釣りも最高の選択肢の1つになってくれます。密集が避けられる上に、海や川を目指して移動する旅のような楽しみがあるからですね。しかも、釣り具の世界においては日本の企業(ブランド)が世界一の売上高を誇っているとご存じでしたか? 世界的に見て実は「釣り具王国」の日本。そんな話を紹介します。

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釣り具のイメージ
(C) wwwarjag / Shutterstock.com


 


釣り具業界で売上高が世界No.1

釣り具
(C) wwwarjag / Shutterstock.com

釣りをしない人からすると、日本の釣り具メーカーの名前は思い浮かばないかもしれません。

映画を一切見ない人がハリウッド映画の配給会社の名前を答えられるわけがないように、彫刻をしない人が彫刻刀のブランドを何も知らないように、釣りをしない人に釣り具のメーカーについての知識はきっとないでしょう。

しかし、釣り具業界で売上高が世界No.1、総合釣り用品企業として世界最大の企業が日本に存在します。「グローブライド株式会社」です。

「え、グローブライド? 聞いたことない」と釣りに関心のない人は思うはず。しかし、グローブライド社はすごいです。東京証券取引所市場第一部に上場している、いわゆる「東証一部上場企業」です。売上高は1,003億400万円もあります(2020年4月1日から2021年3月31日まで)。前年と比べて13.6%も増えていて、9期連続で収入が増えています。

要するに、新型コロナウイルス感染症の世の中で多くの人や企業が困っている中、絶好調なわけです。

「それでも知らない」という人も、もしかするとグローブライド社がリリースする釣り具のブランド名なら、どこかで目にした記憶があるかもしれません。

「DAIWA(ダイワ)」です。ハウスメーカーを思い出すでしょうか? 北陸の人なら百貨店の名前を連想するかもしれません。いずれも違って、グローブライド社がリリースする釣り具のブランドです。

そのロゴは、業界でとても有名なクリエイティブ・ディレクターの佐藤可士和さんが手掛けています。

DAIWAのロゴ image from Wikipedia: Le logo de la marque Daiwa a été modifié en 2008 a l’occasion des 50 ans de la marque dans le cadre d’une restructuration du groupe japonais Globeride, Inc.

このロゴなら、うっすらとでも見覚えがあるのではないでしょうか。

それでもわからない人の中には、「D-VEC(ディーベック)」というアパレルブランドの名前でピンと来る人もいるかもしれません。釣り具の「DAIWA」もアパレルの「D-VEC」もグローブライド社が展開するブランドです。

グローブライド社はもともと「ダイワ精工株式会社」といいました。技術力に長けたダイワ精工が2009年(平成21年)にグローバルライドに社名変更して、釣り関連の商品にはダイワのブランド名を残します。

もともとあった技術力に、佐藤可士和さんのデザイン力などが重なって、ロゴが変わり、社名が変わり、ブランドがリニューアルされ、企業のイメージも変わり、世界トップの企業としてさらなる発展を見せ続けているのですね。

「本場」でも日本のブランドが愛用されている

釣りをする人
※ 写真はイメージです。

グローバルライド社が対外的に出す情報では、どこの地域で同社が売り上げを立てているか、その数字が明らかにされています。

会社としては釣り関連が本業で、売り上げも大きく全体の9割を占めます。その内訳を見ると、日本での売り上げが多い(65%)ようですが、アジア・オセアニア(16.4%)、ヨーロッパ(10.5%)、北米(8.0%)でも結果を残しています。

オセアニアとは具体的にはオーストラリア、北米とはアメリカです。オーストラリアやアメリカはスポーツフィッシング先進国としてその世界で知られていますよね。

例えば、オーストラリアの場合は州ごとに魚釣りのルールが行政によって細かく決められていて、持続可能な魚の管理が徹底されているのだとか。

日本でも釣りに対する規制が各地で強まっているとの話もあります。しかしそれらのルールは、どちらかと言うと不法投棄や駐車違反、立入禁止区域への侵入など、釣り人のマナー・モラルに関する規制が目立ちます。

先行する「先進国」は法令の明文化によって資源が適切に管理され、安定して楽しめる釣り場が増え、結果として余計に釣りを楽しめる環境が各地で整ってきているようです。

それら「本場」でも日本のブランドが愛用されているのですから、すごい話ではないですか?

SHIMANOの釣り具
(C) Lutsenko_Oleksandr / Shutterstock.com

同じように、日本が誇る世界最大の自転車部品メーカー・株式会社シマノの釣り用品「SHIMANO」も世界的に評価されているようです。あの「SHIMANO」は自転車のパーツだけでなく、釣り道具も出しているのです。

日本車を海外で見るとちょっと誇らしく思えるように、海外の川や海で「DAIWA」や「SHIMANO」の道具を使っている人を見掛けたら、釣り愛好者でなかったとしても、ちょっとだけうれしくなれるはず。

新型コロナウイルス感染症の影響が収まり、北米やオーストラリアへ再び旅に出られる世の中が戻ったら、旅先の水辺で釣りをしている人を探してみてはどうでしょうか(なかなかそのようなケースに巡り合わないかもしれませんが)。

「DAIWA」とか「SHIMANO」のロゴが釣り道具に見られたら「Thank you for using Japanese fishing tackles!」(日本の釣り道具を使ってくれてありがとう)なんて話し掛けてみると、予想以上に盛り上がるかもしれませんよ。
釣り竿
※ 写真はイメージです。

[参考]

第24回「釣用品の国内需要動向調査報告書」を発刊 – 日本釣用品工業会

Global Sports Fishing Equipment Market 2016-2024 – GlobeNewswire

業績・財務データ – GLOBERIDE

【特集】グローブライド Research Memo(1):2021年3月期業績は、過去最高の売上高1,000億円超を達成 – Kabutan

グローブライド(ダイワ)、売上高初の1000億円超。9期連続増収、釣りブームも後押し – 釣具新聞

企業調査レポート グローブライド – FISCO

グローブライド(株)【DAIWA/ONOFF/PRINCE/CORRATEC】 – マイナビ2023

佐藤可士和が語る、釣り具ブランドが「アパレル」をはじめた理由 – マイナビニュース

魚と釣りの明日のために – Japan Game Fish Association

Recreational fishing – Department of Primary Industries

釣具事業 – SHIMANO

釣りのルール・マナーと安全 – 日本釣振興会

[All photos by Shutterstock.com]

坂本正敬

Masayoshi Sakamoto 翻訳家/ライター
翻訳家・ライター・編集者。東京生まれ埼玉育ち。成城大学文芸学部芸術学科卒。現在は、家族と富山に在住。小学館〈HugKum〉など、在京の出版社および新聞社の媒体、ならびに〈PATEK PHILIPPE INTERNATIONAL MAGAZINE〉など海外の媒体に日本語と英語で寄稿する。 訳書に〈クールジャパン一般常識〉、著書(TABIZINEライターとの共著)に〈いちばん美しい季節に行きたい 日本の絶景365日〉など。北陸3県のWebマガジン〈HOKUROKU〉(https://hokuroku.media/)創刊編集長。その他、企業や教育機関の広報誌編集長も務める。文筆・編集に関する受賞歴も多数。


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