「祭日」の意味
「祭日」は「さいじつ」と読み、神社で祭祀が行われる日のこと。賀茂祭、祇園祭、天神祭などがあります。
また、祭日は皇室の祭典が催される日のことでもあります。明治時代から戦前にかけては元始祭、神武天皇祭、新嘗祭など皇室の祭典が催される祭日と、紀元節、明治節などの祝日の両方があり、どちらも休日でした。
昭和23年(1948年)に「国民の祝日に関する法律」が制定され、祭日は廃止(※)。祝日だけが残り、「祝日」「国民の祝日」という呼び方に統一されました。
※ただし、春季皇霊祭→春分の日、秋季皇霊祭→秋分の日など、明治時代に祭日だった日が名前を変え、祝日として残っている例もあります。
現在でも海の日やスポーツの日などの祝日を「祭日」と呼んでいるのを聞いたことがあるかもしれませんが、あくまで俗称です。辞書にも、祝日の俗称・通称という解説が出ています。
今度の日曜日は、氏神様の祭日だ。
「祝日」の意味
「祝日」は「しゅくじつ」と読み、祝いの日という意味。特に、国で定めた祝いの日という意味があります。内閣府のウェブサイトによれば、「国民の祝日に関する法律」により「美しい風習を育てつつ、よりよき社会、より豊かな生活を築きあげるために定められた『国民こぞって祝い、感謝し、又は記念する日』」となっています。
国民の祝日は休日となっていて、多くの会社や学校が休みになります。
2022年時点での国民の祝日は以下の通りで、1年間に16日あります。
- 元日
- 成人の日
- 建国記念の日
- 天皇誕生日
- 春分の日
- 昭和の日
- 憲法記念日
- みどりの日
- こどもの日
- 海の日
- 山の日
- 敬老の日
- 秋分の日
- スポーツの日
- 文化の日
- 勤労感謝の日
今日が祝日ということをすっかり忘れていた。
「祭日」と「祝日」の簡単な覚え方
どちらも休みの日という意味で使われがちですが、現在の日本で確実に休日なのは祝日です。神社では祭日となっている日のうち、今の祝日=休日になっているのは一部です。
【クイズ】より適切なのはどっち?
1→祝日
2→祭日
1の正解は祝日。週末が3連休になるということは、その日が休日であることを示唆しているので、「祝日」が適切です。
2の正解は祭日。出雲大社(神社)が祭礼の予定をまとめている表なので、「祭日」が適切です。
国語講師。都内大学受験塾・カルチャースクールで講師を務める他、書籍執筆、講演、企業研修、三鷹古典サロン裕泉堂の運営などの活動に取り組んでいる。NHK Eテレ『知恵泉』、NHK‐FM『トーキングウィズ松尾堂』など、テレビ・ラジオにも出演。著書に『大人の語彙力が使える順できちんと身につく本』(かんき出版)や、『大人に必要な読解力が正しく身につく本』(だいわ文庫)など多数。