>>「御社」と「貴社」の違いって?【正しい日本語解説Vol.13】
「以降」の意味
「以降」は「いこう」と読み、あるときからそののちという意味。過去を指すときにも未来を指すときにも使えます。
休暇を取るので、来週以降は何かあれば山田さんに連絡してください。
去年の夏以降、その海水浴場では海の家が営業されなくなった。
「以来」の意味
「以来」は「いらい」と読み、あるときから今現在に至るまでという意味。「以降」が過去と未来どちらのことにも使えるのに対し、「以来」は未来のことには使えません。
就職して以来、旅行をしていない。
「以降」と「以来」の簡単な覚え方
「以降」と「以来」の違いは、来週や来月など、未来のことに対して使えるかどうか。「以降」は過去と未来どちらでも使えますが、「以来」は過去のことにしか使えません。
【クイズ】より適切なのはどっち?
1→以来
2→以降
1の正解は以来。「以降」でも間違いではないのですが、「現在の」という言葉があるため「以来」がより適切です。
2の正解は以降。「来年」とあるので、未来の事柄にも使える「以降」が適切です。
国語講師。都内大学受験塾・カルチャースクールで講師を務める他、書籍執筆、講演、企業研修、三鷹古典サロン裕泉堂の運営などの活動に取り組んでいる。NHK Eテレ『知恵泉』、NHK‐FM『トーキングウィズ松尾堂』など、テレビ・ラジオにも出演。著書に『大人の語彙力が使える順できちんと身につく本』(かんき出版)や、『大人に必要な読解力が正しく身につく本』(だいわ文庫)など多数。