「以降」と「以来」の違いって?【正しい日本語解説Vol.14】

Posted by: 熊本沙織

掲載日: Sep 1st, 2022

社会人になると、新しい言葉を使う機会が増えますよね。使い慣れていない言葉を無理に使い、大事な場面で恥をかいてしまった……。なんていう人も少なくないのでは? そこでTABIZINEでは、知っているようで意外と知らないビジネスシーンの頻出ワードを徹底解説! 今回は、似ているけれど使い方が異なる「以降」と「以来」について、日本語に関する著書も多数手がけている、国語講師の吉田裕子さんに解説してもらいます。


>>「御社」と「貴社」の違いって?【正しい日本語解説Vol.13】
 

「以降」の意味


「以降」は「いこう」と読み、あるときからそののちという意味。過去を指すときにも未来を指すときにも使えます。

【例】
休暇を取るので、来週以降は何かあれば山田さんに連絡してください。
去年の夏以降、その海水浴場では海の家が営業されなくなった。

「以来」の意味


「以来」は「いらい」と読み、あるときから今現在に至るまでという意味。「以降」が過去と未来どちらのことにも使えるのに対し、「以来」は未来のことには使えません。

【例】
就職して以来、旅行をしていない。

「以降」と「以来」の簡単な覚え方


「以降」と「以来」の違いは、来週や来月など、未来のことに対して使えるかどうか。「以降」は過去と未来どちらでも使えますが、「以来」は過去のことにしか使えません

【クイズ】より適切なのはどっち?

【答え】
1→以来
2→以降

1の正解は以来。「以降」でも間違いではないのですが、「現在の」という言葉があるため「以来」がより適切です。
2の正解は以降。「来年」とあるので、未来の事柄にも使える「以降」が適切です。

監修:吉田裕子先生
国語講師。都内大学受験塾・カルチャースクールで講師を務める他、書籍執筆、講演、企業研修、三鷹古典サロン裕泉堂の運営などの活動に取り組んでいる。NHK Eテレ『知恵泉』、NHK‐FM『トーキングウィズ松尾堂』など、テレビ・ラジオにも出演。著書に『大人の語彙力が使える順できちんと身につく本』(かんき出版)や、『大人に必要な読解力が正しく身につく本』(だいわ文庫)など多数。

>>>吉田裕子先生の(株)裕泉堂 公式サイトはこちら

PROFILE

熊本沙織

saori-kumamoto

編集プロダクションと出版社での勤務を経てフリーの編集者・ライターに。ウェブメディア・書籍・雑誌・広報誌などで幅広く活動中。隙あらば航空券をウェブ検索し、旅のプランを練っている旅行好き。自宅に3台のたこ焼き機を所有する関西人。

編集プロダクションと出版社での勤務を経てフリーの編集者・ライターに。ウェブメディア・書籍・雑誌・広報誌などで幅広く活動中。隙あらば航空券をウェブ検索し、旅のプランを練っている旅行好き。自宅に3台のたこ焼き機を所有する関西人。

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