【現地ルポ】まさかのときのために知っておきたい、「シームレス寺泊」って?

Posted by: あやみ

掲載日: Mar 29th, 2017

徳島県と言えば、一番に思い浮かぶのは「阿波踊り」ではないでしょうか? しかし、徳島県の魅力はそれだけではありません。そこで今回は、そんな徳島県の新たな魅力の一つとなること間違いなしの試み、シームレス寺泊(つなぎ目のない)の宿とプチお遍路体験をご紹介。

【プチお遍路も】阿波踊りで有名な徳島県でシームレス寺泊を体験してきた

シームレス(つなぎ目のない)民泊、寺泊とは?

【プチお遍路も】阿波踊りで有名な徳島県でシームレス寺泊を体験してきた

平時は民泊、寺泊の宿として利用でき、災害時には避難所となる民家やお寺のこと。シームレス(つなぎ目のない)民泊、寺泊は、お遍路さんの民泊のニーズに応えること、災害時の後方支援としても有効だそう。しかも、徳島県阿南市は津波の心配が少ないこともあり、いつ起こってもおかしくないと言われている南海トラフ地震の際も避難先として最適とのこと。

シームレス寺泊ができる「白水山 医王院 平等寺」

【プチお遍路も】阿波踊りで有名な徳島県でシームレス寺泊を体験してきた

今回お世話になったのは、四国霊場第22番の礼所「白水山 医王院 平等寺」。弘法大師(空海)が修行して、井戸を掘ったと言われている場所にある真言宗智山派 のお寺です。この井戸は日照りが続いても枯れることなく、万病にきく「弘法の霊水」として知られています。

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平等寺の門。

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こちらが宿泊施設。

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広々とした玄関。

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お部屋は10畳と8畳の2部屋あり、いずれも和室となっています。お風呂も上の画像の通り、数人で入れる広さ、さらにお手洗いも2つあり、快適に過ごすことができます。

「平等寺」の朝の絶景!

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平等寺に宿泊してみて、一番感動したのは朝日の美しさ。朝食の前に外に出ると、このような光景を目にすることができました。朝日を眺めていると、精神がどんどんと研ぎ澄まされていくのを感じましたよ。

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その後、7時から30分の朝のおつとめを行いました。本来は、おつとめと瞑想は別に行うそうなのですが、今回は時間が限られていたため、おつとめと瞑想を一緒に行うことに。谷口真梁副住職が元祖「ヨガ」と言われている、つぶやきを行い、お経(大般若経など)を読んでいく間、口から息を吐き切りことに注意を払い続けました。

【プチお遍路も】阿波踊りで有名な徳島県でシームレス寺泊を体験してきた

呼吸だけでできる簡単な瞑想でしたが、普段いかに呼吸が浅かったかを知ることになりました。ゆっくりと口から息を吐き続けていくと、だんだんと心身ともにリラックスしていくのを感じます。日常生活の緊張を強いられる場面で、この瞑想法を行うと、緊張をほぐすことができるそうです。

【プチお遍路も】阿波踊りで有名な徳島県でシームレス寺泊を体験してきた

さて、朝のおつとめと瞑想が終わったら、お待ちかねの朝食です。朝食からイチゴのデザート付きで、テンションが上がりました。お味の方も、切り干し大根がさっぱりとしていて非常に美味しく、お味噌汁も具沢山で大満足でした。

【プチお遍路も】阿波踊りで有名な徳島県でシームレス寺泊を体験してきた

朝食と一緒に徳島名物の「阿波晩茶」を飲むことができます。このお茶は緑茶と同じ茶葉を使用しているのですが、約4週間ほど茶葉を発酵させるのが特徴的。ふんわりと優しい香りのするお茶で、飲むとホッとしますよ。

平等寺はお釈迦さまの誕生日と言われている4/8(土)からシームレス寺泊「坊主の宿」としてスタートします。素泊まり:4000円、一泊二食付き:7000円になる予定だそうで、徳島県を訪れた際には、平等寺で寺泊を体験してみるのもいいかもしれませんね。朝のおつとめは無料で参加できるそうです。(シームレス寺泊のお寺といえども、平時は通常の寺泊と変わりなく、のんびり快適に過ごせます)。

[白水山 医王院 平等寺]

徳島県に行ったら訪れたい、四国霊場第20番の礼所「霊鷲山 宝珠院 鶴林寺」

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徳島県を訪れたら、やりたいことの一つにプチお遍路体験があります。

今回は標高550メートルの鷲が尾の山頂にあるのが「霊鷲山 宝珠院 鶴林寺」に訪れました。こちらのお寺に、鶴の像がいくつかある理由は、大師(空海)がこの山で修行をした際、雄と雌の鶴がかわるがわる翼を広げ、老杉のこずえに舞い降り、小さな黄金のお地蔵さんを守護していたからだそう。

現在でも山鳥が舞う、大自然の中にあるお寺で、非常に空気が澄んでいて、思わず何度も深呼吸したくなるほどでした。

【プチお遍路も】阿波踊りで有名な徳島県でシームレス寺泊を体験してきた

「霊鷲山 宝珠院 鶴林寺」へ向かう山道。お遍路さんが行き来していて、金剛杖のカンカンという音が響き渡っています。四国でしかなかなか見ることができない光景ですよね。

ロープウェイが迫力満点! 四国霊場第21番の礼所「舎心山 常住院 太龍寺」

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礼所の番号通りに、四国霊場第21番のお寺も訪れました。

標高618メートルの太龍寺山の山頂近くにある「舎心山 常住院 太龍寺」は、かつては巡礼者にとっての難所と言われている場所でした。しかし、現在はロープウェイが開通していて、所要時間約10分で行くことができます。このロープウェイ、全長2,775メートルあり、少々ヒヤっとする高さではありますが、眼下に素晴らしい景色が望めます。

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ロープウェイ内にはすぐ下の景色を見下ろせる柵とガラスでできた箇所も。

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「舎心山 常住院 太龍寺」にある石段。全部で100段あり、登り切るのに息切れしました。

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石段を登り切ると、風情のある本堂が。

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さらに奥に進むと今度は高野山奥の院を模倣したとされる大師堂があります。

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樹齢数100年の杉やヒノキに覆われたお寺。ただ境内を歩いているだけでも、心が和みます。

「お接待」の文化が根付いている徳島県

徳島県には「お接待」の文化が根付いています。お接待とは「してあげるのではなく、させてあげる」こと。四国ではお遍路さんは大師様(空海)と同じと考えられているため、お接待することは「大師様への功徳」となるのです。そのため徳島県の人たちには昔から、お遍路さんに無償でお茶やお菓子をあげたり、ゴミを捨ててあげるなどしています。

そんなお接待の文化がある徳島県に行けば、より心が穏やかになり、素敵な旅の思い出を作ることができるかもしれませんね。

[All photos by あやみ]

PROFILE

あやみ

Ayami ライター

フリーライター。劇団員、OL、WEB編集ライターを経て、フリーランスになる。辛い食べ物、東南アジアが大好き。旅するように生きるのが人生の目標。

フリーライター。劇団員、OL、WEB編集ライターを経て、フリーランスになる。辛い食べ物、東南アジアが大好き。旅するように生きるのが人生の目標。

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