映画「千と千尋の神隠し」の雰囲気を味わえる!としておなじみの台湾「九份(ジョウフン)」。実はこの街、雨が多いことでも知られています。「天気悪いし行くのやめようか」と諦めるのはちょいとお待ちを。雨だからこその楽しみ方があるんです。”水も滴るイイ景色”をお届けすると共に、注意点と対策を伝授します。
雨の日対策は万全に!まずは確認したい持ち物リスト
山の上に位置する九份は、急な坂道や階段も多いのが特徴。雨天時は足場も悪く滑りやすくなっています。歩きやすく滑り止めのついたスニーカーはマストアイテム。寒くなったときサッと羽織れる上着も一枚あると良いですね。更にタオルやウェットティッシュも常備しておくと良いでしょう。又、山の天気は変わりやすいもの。土砂降りの雨かと思えば、次の瞬間晴れ間が見える・・・なんてことも。”長傘”より”折り畳み傘”のがおすすめです。しかし一番使い勝手が良いのは”レインポンチョ”、狭い小路・人混みの中でも断然動きやすいですよ。
「九份」は、雨の日こそ美しい・・・
年間を通して雨が多いことでも有名なこの街。石畳や赤提灯がしっぽりと雨に濡れる・・・地元民いわく、そんな艶っぽい表情こそ”九份らしさ”なのだそう。
そして「この街には”独特の匂い”がある」とも教えてくれました。匂いの秘密は”黒い屋根”、何やら防水用に特殊な脂が塗られているんだとか。例えるなら”田舎のおじいちゃん家の屋根裏部屋”、どこか懐かしい薫りがします。今ではこの伝統的な屋根造りも大分少なくなったそうですが、街歩きの際見つけたらぜひ香ってみて下さい。
一寸先は霧の中。消えたイニシエの街
深い霧はすっぽりと街全体を覆い隠すほど。何だかちょっぴり怖いような、けれど神秘的なその光景。今にも”神隠し”に遭いそうな不思議な気持ちになります。
秘密の抜け道!?「穿屋巷」を探せ!
「穿屋巷(Penetrant Alley)」とは、屋根と屋根の間にある狭い路地や軒下のこと。九份には代表的な穿屋巷が五つあり、写真はそのうちの一つである「芋仔蕃薯」。
奥へ進んでいくと洞窟のようなつくりになっています。でこぼことした凹凸の岩が特徴的、この街の古い建物によく見受けられる構造です。
壁には様々な言語で書かれた無数のメッセージが。訪れた人々が記念に残していったのでしょう。それにしても、道が入り組んだ複雑な地形はまるで迷路のようですね。
お茶処「九份茶坊」でホッと一息
築百年の古屋敷をリノベーションして作られた「九份茶坊」。店内には素敵な茶器や絵画が飾られており、アーティストでもあるオーナーのセンスが光ります。茶葉の種類も豊富で、どれを頼めばよいか悩んでしまうほど。囲炉裏を囲みながらゆったりとした時間を味わいます。
目の前に広がるのは霧に消えた老街、BGMはシトシトと降り続ける雨音。どことなく懐かしい匂いに包まれながら、湿った空気を肌で感じる。疲れたら台湾茶を一服、心も体もじんわり温まる・・・。雨の日の九份、ぜひ五感で堪能しみて下さい。
[All Photos by Ai Kaneko]
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