海外留学を控えてドキドキしているという人も居るかもしれません。あるいは何かを学びたくなって、「留学とかしてみたいな」と憧れを抱いている人も少なくないはず。ただ、実際に行くとなったら疑問だらけですよね。例えば何を持っていけばいいのか、単純な手荷物のリスト作成すら悩んでしまいます。
そこで今回は富山留学アカデミーの代表で、ご自身の豊富な留学経験をベースに、数多くの留学サポートを行っている井上純子さんに、海外留学で持っていくと便利なアイテムを留学先の距離、期間に応じて教えてもらいました。
留学先の手荷物を距離×期間で考えてみる
そもそも「留学」と言っても、距離も期間もバラバラ。その千差万別な留学をひとくくりにして考えるから、手荷物のリストすら作成できないのかもしれません。
留学は行先も人によって違いますし、期間も異なりますから、試みに筆者の方で留学を距離と期間で整理してみました。この表を参考に、留学で必用なアイテムを井上さんに教えてもらう形を取ります。
ちなみにTABIZINEの過去記事「ヨーロッパ短期留学に日本から持っていきたいもの9選」では、欧州の短期留学であると便利なアイテムを紹介しました。上述の表で言えばCに分類される留学で、具体的なアイテムは
・バスタオル
・洗面器
・ティッシュペーパー
・ストールやヒートテック肌着
・ばらまき用のお土産
・語学学習用にノートパソコン
・オフラインで使える電子辞書
・政治、経済、文化に関する知識
・ニックネーム
などさまざまな情報が紹介されていました。持参したい理由の詳細は過去記事をご覧いただきたいですが、「できれば上記で既に出てきたアイテム以外で」という追加の注文にも、井上さんは快く答えてくれました。
ACの場合
まずはAとCの場合。留学先と日本の距離に関係なく、とにかく短期で留学に行く場合は、
・必要分の生理用品
の持参が欠かせないと井上さんは言います。男性筆者には想像もしないリストでしたが、アメリカであっても南米であっても、ナプキンは厚くて性能が悪く、とても蒸れるのだとか。
「羽根つきのテープと真ん中のテープは日本ならつながっていますが、外国用は全部別です」
とのコメントも。さすがに長期の留学となると、かさばる荷物のため現地調達しか方法がありませんが、女性で海外経験が豊富な日本人であれば、「分かる~」と納得する部分も多いのでは?
BDの場合
次は留学先に関係なく、長期で留学に行く場合に持参したいアイテムになります。
・抗生物質
・洗濯用ネット
・フリーズドライのおかゆ
長期の留学になれば、体調不良や病気のリスクも高まります。海外での受診は何かと大変ですから、自分で抗生物質を持って行った方が安心なのですね。
また、長期の留学になると、持参した衣類を繰り返し洗濯して使う必要が出てきます。
「アメリカなどの洗濯機は、日本製のように繊細な洗い方をしてくれません。穴が開いたりする場合も残念ながら多いです。衣類の傷みを防ぐためにも、あると便利です」
と、洗濯ネットの持参も提案してくれました。
フリーズドライのおかゆは、水だけ入れれば利用できる優れもの。井上さんいわく、現地で体調を崩し何も食べ物を食べられないようなときこそ、おかゆが役立つと言います。実際に井上さんは南米パラグアイにJICAボランティアで赴任した際、到着直後に40℃の高熱に苦しみ、おかゆに救われた経験があるのだとか・・・。
全ての留学に共通して持っていきたいアイテム
最後はABCD、全てのパターンの留学で持っていきたいアイテムを幾つか教えてもらいました。
・コンタクトレンズ
・折り畳み傘
・軽くて薄いダウンジャケット
・大量のポケットティッシュ
コンタクトレンズに関しては、海外では高額になるケースが少なくないと言います。特に長期留学の場合、「1年分とか、大量に持っていくことをお勧めします」 との話でした。確かに会社の転勤で海外に行く人も、大量にコンタクトレンズを購入してから赴任していきますよね。
折り畳み傘は、雨が全く降らない米カリフォルニアなどに留学する場合でも、突然の大雨で大いに役立つそう。
軽くて薄いダウンジャケットは、「とにかく寒い飛行機の中、冷凍庫に居るようなアメリカの大学の教室、環境破壊の原因だろうと疑いたくなるクーラーを効かせたショッピングモールの中で重宝します」 との話でした。旅行でも一緒ですね。
ポケットティッシュはトイレの紙のない国も多い中で、あるととにかく役立つと言います。ちょっと余分に持って行った方が良さそうですね。
以上、富山留学アカデミーの井上さんに聞いた、留学先に持ち込みたいアイテムについて紹介しましたが、いかがでしたか? 長期の海外旅行、短期の海外旅行に持ち込みたいアイテムとしても、リストが参考になりそうですね。
[取材協力]
井上純子・・・富山留学アカデミー 代表。カリフォルニア大学アーバイン校卒業。JICAボランティアとしてパラグアイで2年間日系日本語学校教師として活動。留学準備中、留学中の過酷な勉強の中、異文化の中、体験した困難、楽しさ、悲しさ、嬉しさ、悔しさ、感動。この素晴らしい経験を他の方にもしていただきたい、留学で悩む方や、不安なことがある方がいたら少しでも助けになりたいと留学仲介業を起業。
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Masayoshi Sakamoto 翻訳家/ライター
翻訳家・ライター・編集者。東京生まれ埼玉育ち。成城大学文芸学部芸術学科卒。現在は、家族と富山に在住。小学館〈HugKum〉など、在京の出版社および新聞社の媒体、ならびに〈PATEK PHILIPPE INTERNATIONAL MAGAZINE〉など海外の媒体に日本語と英語で寄稿する。 訳書に〈クールジャパン一般常識〉、著書(TABIZINEライターとの共著)に〈いちばん美しい季節に行きたい 日本の絶景365日〉など。北陸3県のWebマガジン〈HOKUROKU〉(
https://hokuroku.media/ )創刊編集長。その他、企業や教育機関の広報誌編集長も務める。文筆・編集に関する受賞歴も多数。
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