英国を代表する劇作家ウィリアム・シェイウスピア。世界中の誰もが彼の名を知り、今でも様々な戯曲が愛され続けている、演劇の神様とも称される人物です。
英国滞在4日目には、天才シェイクスピアが生まれた「ストラットフォード・アポン・エイボン」を巡りました。
先ずは、彼の生涯の一部を簡単に紹介すると・・・
1564年:ストラトフォード・アポン・エイヴォン生まれ(洗礼日:4月26日)
>>シェイクスピアが10代前半のころ、父親は地位や財産を失ってしまう
1582年:18歳のシェイクスピアは26歳の女性アン・ハサウェイ(Anne Hathaway)と結婚(11月29日)
(当時では珍しく、アンが妊娠3ヶ月での結婚=いわゆる出来婚)
1583年:ストラトフォードで長女スザンナの洗礼式が執り行なわれる(5月26日)
1585年:長男ハムネットと次女ジュディスの双子が生れれ洗礼式が執り行なわれる(2月2日)
>>20歳のときに突如姿を消し、数年後にはロンドンの劇壇で活躍するようになる
1596年:父が望んで果たせなかった「シェイクスピア家の紋章」申請が認可される
1597年:33歳という若さでストラトフォードで2番目に大きな邸宅ニュー・プレイスを購入
1613年:故郷ストラトフォードへ戻る
1616年:誕生日と同じ日(4月23日)に死去(没52歳)
【シェイクスピア:四大悲劇】
『リア王』『マクベス』『ハムレット』『オセロー』
【シェイクスピア:その他代表作】
『ロミオとジュリエット』『ヴェニスの商人』『夏の夜の夢』『ジュリアス・シーザー』『ヴェニスの商人』『空騒ぎ』『お気に召すまま』『十二夜』
本記事では、以下の4項目でそれぞれまとめています。
Stratford upon Avon(ストラトフォード=アポン=エイヴォン)の街並み
Anne Hathaway’s Cottage & Gardens(妻、アン・ハサウェイの家)
Holy Trinity Church(ホーリー・トリニティ教会)
シェイクスピアが生まれた家では、彼の半生を辿ることが出来る
「シェイクスピアの生家は、ヘンリー・ストリート沿いに位置。彼は、この建物内で生まれ、結婚後数年して引っ越しをするまでの年月を過ごしたのだとか。
チューダー様式の大きな家は、現在「シェイクスピア・バース・トラスト」より管理されています。
家の内部はまるで時が止まったかのよう。400年以上経った今でも、当時の面影が残っています。「シェイクスピアの生家」専属のガイドに案内をして貰いながら、早速室内へ。
シェイクスピア・ウィリアムの父ジョンは羊毛商の生業として“手袋屋”を営んでいたよう。
※但し、羊毛の闇市場に関わったため・・・一家は地位と財産も失うことに。
仔羊や鹿などの皮を上等なレザーに加工するには、石灰や卵だけでなく、犬糞や尿も使われていたのだとか!
部屋に敷き詰められている石床はシェイクスピアが過ごしていた時代そのまま。同じ石床を踏みしめていると思うと、非常にワクワクしますねぇ。
当時の食卓を再現した展示や・・・
子ども達のベッドや衣服、そしてモニュメントなども。
※白黒デザインの派手な壁はイタリアン・グロテスク調とも言われている。
中世の頃、男の子には女の子の服を着せて育てたということをご存じでしょうか? 当時は、男の子が女の子よりも早くに亡くなってしまうことが多かったことから、死神の目を欺くためにそのようにしていたのだとか。
私も映画か何かの物語で見かけた記憶はあるのですが、まさにそのものを拝見出来るとは!
シェイクスピアファンにはたまらない展示物の数々で、興奮してしまいますね。
ちなみに、別の部屋には、シェイクスピアが生まれた時に使われたベッドも展示してありました。ユニークだったのが窓ガラスの落書き! どうやら、過去には有料サービスで落書きが出来たそうです!
『ヴェニスの商人』を演出したイギリスの俳優「Henry Irving(ヘンリー・アーヴィング)」のサインも発見。
家は増築を繰り返し、シェイクスピアの父が亡くなった後、一部を宿屋や酒場にもしていたようです。
世界各国の言語に対応したガイドがあり、日本語用もちゃんとあるんですね。
外にはシェイクスピアの数々の作品が描かれた「WALLBOOK」。
そして、当時の衣装に身を包んだ役者たちによる即興劇も。「お好きな作品をどうぞ!」ということで、リクエストに応じて貰い『ロミオとジュリエット』のあの名場面を!
「おおロミオ、あなたはどうしてロミオなの?」
ロミオとジュリエットが愛を確かめ合うバルコニーでの名シーンを知らぬ人はいないでしょう!(『ロミオとジュリエット』といえば、レオナルド・ディカプリオ様の映画も懐かしいーーー!)
実は、『ロミオとジュリエット』の舞台はイタリア・ヴェローナということで・・・。私は現地で「ジュリエッタの家」を観光し、このバルコニーもこの目で確認しています。
この時からずっと、シェイクスピアの生まれ育った「ストラトフォード・アポン・エイボン」の街を訪れてみたかったので、ようやく念願が叶いました。隣接するシェイクスピア・センターでは、シェイクスピア関連書物やアートも展示されています。
※「All the world’s a stage(この世は舞台、人はみな役者だ)」 喜劇『お気に召すまま』第2幕第7場より。
「シェイクスピアの生家」は季節によって営業時間も異なるようなので、来訪の際は必ず確認しておきましょう。
住所:Henley St, Stratford-upon-Avon CV37 6QW, England
TEL:+44 1789 204016
ストラットフォード・アポン・エイボンの街を散策してみる
ストラットフォード・アポン・エイボンは、チューダー様式の木造の家が建ち並ぶ素敵な街。街中の様子もほんの少しではありますがすが、添えておきます。
先ほどの「シェイクスピアの生家」付近の様子。
「シェイクスピアの生家」の真ん前には、ピーターラビットのお店が!(入ってみたかった~涙)
ピーターラビットと言えば・・・2016年の英記念硬貨になりましたよね!(シェイクスピアも!)
2016年の英記念硬貨、シェイクスピアやピーターラビットが登場 https://t.co/gGcUoY2Bzp
— AFPBB News (@afpbbcom) 2016年1月2日
街中には、シェイクスピアの戯曲がたくさん描かれたウォールもあったりとお洒落。
※たぶん工事中の囲い壁のように思うのですが、それにしても面白い!
「シェイクスピア・ホテル」は幽霊が出ることで有名らしいのだけれど…本当かしら!?
スタバも発見! 世界中のスタバを巡るのが個人的な趣味でもあるので、ついつい外観を撮影してしまう。
他にもキニナルお店がたくさんあって、お土産を探しにそぞろ歩くのも楽しそうですね。
住所:Old Town, Stratford-upon-Avon CV37 6BG, England
TEL:+44 1789 266316
広々としたガーデンに佇む、チャーミングなアン・ハサウェイの家
※「シェイクスピアの生家」から車で10分ほどの距離にある「アン・ハサウェイの家」。
シェイクスピアの妻、アン・ハサウェイが結婚前に住んでいた家。茅葺き屋根とチューダー朝建築が美しく、観光客の撮影スポットにもなっています。
「ハサウェイ・ベッド」と呼ばれる16世紀の天蓋付きベッド。シェイクスピアの孫娘エリザベス・バーナードからハサウェイ家に譲られたものです。
※映画のワンシーンでも時たま目にすることもある、当時の湯たんぽ(実際は暖炉の石炭を使用)がありますね!
「シェイクスピアの愛の椅子」の背面には、シェイクスピアの紋章、槍を掴んだハヤブサが彫られています。
1892年に「シェイクスピア・バース・トラスト」が建物を購入した時、一族の遠縁にあたるマリ・ベイカーという女性が暮らしていて、彼女は初代のコテージ管理人になったそう。
そして、お土産売り場もササッとチェック! なかなか面白いシェイクスピアグッズが売っていました。
※出川さんにとっての「ガーガーチキン」笑。(by「世界の果てまでイッテQ!」※分かる人は分かる)
日本語のパンフレットも販売。この本はシェイクスピアのことを学べるだけで無く、関連施設の情報も満載。一冊購入しておけば、旅の想い出が深まること間違いなし。
住所:Cottage Ln, Stratford-upon-Avon CV37 9HH, England
TEL:+44 1789 338532
シェイクスピア一族が眠る「ホーリー・トリニティ教会」
※シェイクスピアの墓の上を見ると「我が骨を動かす者に呪いあれ」という呪詛が・・・。
シェイクスピアが洗礼を受けて埋葬された「ホーリー・トリニティ教会」。(まさに、ゆりかごから墓場まで!)
外観だけで無く、内部も厳かで素晴らしくて・・・なかなか見応えがあります。
頭上には見事なパイプオルガンが・・・(欧州旅行で教会のパイプオルガンをチェックするのも趣味)
パイプオルガンコレクションの写真が新たに増えて嬉しい。
シェイクスピアのお墓がある奥の祭壇見学には、2ポンド必要。
ステンドグラスの真下を見ると・・・
シェイクスピアのお墓。妻のアン・ハサウェイ、長女スザンナと夫らと一緒に並んで眠っています。
※墓石に刻まれた墓碑銘はシェイクスピアが記したものと考えられている
向かって左側の壁にあるシェイクスピアの胸像。右手に握っている羽根ペンは、毎年彼の誕生日に新調されるそうですよ。
※シェイクスピアの出生記録(洗礼日や死亡日)も公開されている
エイボン川のほとりに佇む「ホーリー・トリニティー教会」は、しっとりと静かな空気が流れていて、ここは私がオススメしたい場所です。
いかがでしたか?
2016年4月23日に没後400周年を迎えるシェイクスピアの故郷は、世界中のファンから愛される街。ロンドンからも日帰りで向かうことが出来る(約2時間)ので、是非とも記念イヤーに訪れてみて下さい。その際は、コッツウォルズ日本語ガイドのジェイミーに案内して貰うと、とても楽しめると思いますよ!
※ジェイミーは日本語がペラペラ!コッツウォルズ観光の際は是非コチラへお問い合わせを >>Cotswolds Adventures
ん・・・これは一体!?!?
シェイクスピアの頭蓋骨が盗難、レーダーで判明 モーツァルトの頭蓋骨、ムッソリーニの脳、ナポレオンのペニスも #ナショジオニュース https://t.co/Cju5N63hQQ
— ナショナルジオグラフィック (@natgeojp) 2016年3月30日
あと、オイスターカードの由来もお忘れなくー!!
【メモ】ロンドン交通機関で利用可能な「オイスターカード」。シェイクスピア『ウィンザーの陽気な女房たち』の名言“The World is Your Oyster(この世はあなたの思いのまま)”が由来だとか #lovegbfinnair pic.twitter.com/uXEihKQU6y
— izumin (@izumanix) 2016年2月5日
-私が好きな、シェイクスピアの名言(『マクベス』第4幕第3場より)-
「The night is long that never finds the day(どんなに長くとも夜は必ず明ける)」
住所:Old Town, Stratford-upon-Avon CV37 6BG, England
TEL:+44 1789 266316
(1)【連載】成田からヘルシンキへ。フィンエアーのビジネスクラス体験記(前編)
https://tabizine.jp/2016/04/22/71169/
(2)【連載】コックピット初潜入!フィンエアービジネスクラス体験記(後編)
https://tabizine.jp/2016/04/23/71752/
(3)【連載】歴史ある邸宅を改装。英国伝統、憧れの「マナーハウス」に宿泊
https://tabizine.jp/2016/04/24/71797/
(4)【連載】英国映画ロケ地巡り。歴史ある貴族の館でタイムトラベル!
https://tabizine.jp/2016/04/25/72280/
(5)【連載】英国伝統菓子「ベイクウェル・プディング」発祥地のティールーム
https://tabizine.jp/2016/04/26/72543/
(6)【連載】可愛くて萌える!英国陶磁器の里「ストーク・オン・トレント」大特集
https://tabizine.jp/2016/04/27/72824/
(7)【連載】陶磁器マニア必見!「ワールド・オブ・ウェッジウッド」に潜入取材
https://tabizine.jp/2016/04/28/73179/
(8)【連載】プディング・クラブ発祥!コッツウォルズの人気ホテルを現地ルポ
https://tabizine.jp/2016/04/29/73780/
[Photos by Izumin]