定年退職後に駄菓子屋を始めるという選択肢
インターネット上の新聞記事で「定年退職後の男性が開いた駄菓子屋がある」という情報を事前に得ていたので、加古川市内に入り、まずそのお店を訪ねてみることにしました。隣の高砂市にも定年退職後のご夫婦が開いたという駄菓子屋の情報があったので、この辺りでは第2の人生に駄菓子屋を始めるという選択肢が身近にあるのかもしれません。
調べた住所に行くと小学校のすぐ隣に、「いか焼」と書かれた布の張ってある新しめの小屋が建っていました。ドアを開けると「いらっしゃい」と店主に声をかけられましたが、それ以上のコミュニケーションはなく物静かな印象。駄菓子屋店主といっても、みんながみんなお話好きというわけではないので、「このお店は詳しい話を聞けないかも・・・」という不安がよぎります。
駄菓子を物色しつつ看板メニューであろう「いか焼」を注文すると、イカの切り身を入れたお好み焼き状の生地を、挟んでプレスして焼くような独特の形の鉄板で調理したものが出てきました。関東の人間からするとイカ焼き=イカの丸焼きのことなのですが、大阪や兵庫では、これこそがイカ焼きなんだそうです。店の外にはベンチとテーブルが置かれているので、できたてをラムネと一緒においしくいただきました。
無口な店主に意を決して話しかける
調理中も、関東と関西のイカ焼きの違いの話以外は完全に無言だった店主。おとなしそうな人に無理やり話しかけるのは苦手なのですが、このままでは駄菓子屋探訪ではなく、ただいか焼きを食べに来た人になってしまうので、意を決していろいろと尋ねてみることにしました。
宮永「新しいお店っぽいですけど、いつ頃から開けてらっしゃるんですか?」
店主「2010年ですわ。定年退職して暇になるのも嫌で、土地から建物から全部買って始めましたんや。なんでよりによって駄菓子屋にしてしもたんやろなあ。使ったお金、回収するのに40年くらいかかりますわ」
宮永「“すごろく”という店名はどんな由来なんですか?」
店主「意味は別にないんですわ。客商売は「さしすせそ」のどれかから始まる名前がええいう事を誰かから聞きまして、それなら子どもでもわかる「さいころ」か「すごろく」でええかなと思いまして」
宮永「いか焼きが名物なんですね」
店主「名物いうほどのものでもないんですわ。たこ焼きは作るのが難しい思いまして、いか焼きなら鉄板の機械買えば誰でもできるから」
※店主の言葉は播州弁に変換してお読みください
話してみると、とても愛嬌のある面白い方でした。結構な額の私財を投じてお店を始めた人が、こんなに肩の力が抜けきっていることってあるんでしょうか(笑)。
子どもたちからは「おっちゃん」と呼ばれ、傍から見ていても、とても慕われているのがわかります。店主のリラックスした空気感が子どもたちにとっては安心感となり、それが信頼関係の礎になっているんだろうなと感じました。一切の無理をせず、自分の持ち物で、自分のペースで、できることだけをして楽しむ。セカンドライフに上手に組み込まれた、駄菓子屋の新しいあり方を教わった気がしました。
すごろく
住所:兵庫県加古川市野口町野口443-4
営業時間:12:00~18:00
定休日:火曜日
[All photos by Atsushi Miyanaga]
Atsushi Miyanaga
駄菓子屋いながき店主。1979年生まれ。経営していた学童保育を事業譲渡し、その後、息子と二人で日本一周駄菓子屋巡りの旅へ。超高齢化や後継者不足、利益率の低さなど、店主から語られる昔ながらの駄菓子屋の窮状を知り、なんとかこの文化を未来に繋げられないかと埼玉県加須市に駄菓子屋を開業。発達障害のシングルファザーですが、周囲の助けもありなんとか楽しく生活しています。
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