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冬の秘湯は最高のパワースポット(16)福島県の名湯・高湯温泉「安達屋」

Posted by: 阿部 真人
掲載日: Dec 17th, 2021.

福島駅から車でわずか30分ほどながら、秘湯の雰囲気を残し、良質の源泉を誇る高湯温泉。その薬効から「東北の草津」と呼ばれる歴史ある名湯です。これまで夏場は何度か訪ねていましたが、今回は、筆者としては初めての冬場(3月)に大人気の宿「安達屋」に宿泊してきました。

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貸し切り風呂


 


温泉地満足度ランキング・総合部門第1位の「高湯温泉」

福島県・高湯温泉は、2021年の「じゃらん温泉地満足度ランキング」総合部門で第1位に輝いています。じつはこれまで何度も1位に輝いている評判の名湯なのです。

高湯温泉行バス

1607年に開湯したという古湯。秘湯とはいえ、福島駅の西口からの路線バスでアクセスでき、宿によっては送迎バスも運行されているので、比較的訪れやすいのも特徴の一つです。

もちろん、安達屋も毎日15時に西口から無料送迎バスを運行していますが、今回はそれよりも少し早い時間に福島駅に到着したので、路線バスで向かうことにしました。所要時間は40分ほど、運賃840円。高湯温泉周辺の標高は750mほど。福島駅周辺はもう名残がありませんでしたが、現地はまだ雪が残っていました。

周辺地図

場所は福島市西部に広がる活火山、吾妻連峰の山麓にあります(上地図では右下が高湯温泉)。

高湯温泉の良質な硫黄泉は、その火山活動の恵みの一つと言えるのではないでしょうか。高湯温泉には9軒の温泉宿と共同浴場がありますが、すべて源泉かけ流しだそうで、多くの温泉通から支持される理由もここにあります。

宿外観

バス停の真ん前が今回お世話になる安達屋さん。歴史のある宿で、創業は1607年(慶長12年)といいます。400年以上も昔のことですが、開湯した時期がはっきりとしている老舗の温泉宿は珍しいかもしれませんね。

薬師堂

宿から少し登った高台には薬師堂も残されています。400年前、初代の菅野三四郎さんが荒涼としていたこの地で、夢枕に立った行者のお告げ通りに岩を取り除こうと孤軍奮闘したところ、温泉が湧き出したという古文書が残されているのだそうです。

落ち着いた大人の宿 ラウンジでくつろぐ

ラウンジ

古民家風の館内に入ると、ちょっと感動しました。玄関ロビーから続くほの暗いラウンジがとてもモダンでおしゃれ。中央に大きな囲炉裏があり、かすかに流れるジャズの音色とともに、落ち着いた大人の雰囲気を醸し出しています。

お茶

まずはここでアンティーク家具や調度品を眺めながら、ゆったりとお茶をいただきました。

ラウンジ2
お茶サーバー

ちなみに滞在中このラウンジでは、コーヒーやいろいろなハーブティー、朝はジュースなどソフトドリンクがいただけます。

客室

客室は、和室やツインベッドの和室、ツインベッドの2間の和室など、5種類が用意されているそうです。今回はひとり旅なので、畳の部屋に布団を敷いてもらってのんびりできれば充分。

源泉かけ流し、無料の貸し切り露天風呂

館内図

さて温泉です。館内の案内図を確認すると、男女それぞれの内湯のほか、川のような大きな露天風呂、そして貸し切りの露天風呂が2つあります。露天風呂は18時から21時が女性専用の時間。また貸し切り露天風呂は空いていれば、予約制で、無料で50分間入浴できるそうです。

内湯

まずは内湯から。男性向けは「不動の湯」、女性向けは「姫の湯」と名付けられていました。とても落ち着いた趣で、ゆったりと過ごすことができます。ちなみに泉質は、酸性・含硫黄(硫化水素型)―アルミニウム・カルシウム硫酸塩温泉。硫黄成分をしっかり含んだ、いわゆる美人の湯です。

露天風呂入口

内湯を十分にいただいた後は、貸し切り露天風呂へ。趣のある門をくぐって「薬師の湯」へと向かいました。ちなみに7時から22時までは予約制ですが、22時から24時まで、そして明け方から6時45分までは予約せずに自由に入ることができるそうです。

貸し切り露天風呂

温泉宿の貸し切り湯といえば、それほど広くないイメージもありますが、ここは本当に広々。これだけの露天風呂を貸し切りにできるとは感動です。

高湯の源泉は10カ所ほどあるといい、すべて自然湧出、100%源泉かけ流しです。そして地形の落差だけを利用して温度を調節し、それぞれの施設へ引湯しているのだそうです。自然の恵みそのままの、新鮮な温泉といえますよね。

個室の囲炉裏脇でいただく食事

炉端で夕食

そして夕食。食事処の個室でいただきました。少し暗めの照明で落ち着いた雰囲気。テーブルには炭が熾されていて、自分で野菜や干物を焼くことができます

前菜は桜海老の梅肉和え、川俣軍鶏東寺揚げ、小鯛寿司、アンチョビマッシュルーム、そして山菜の天ぷら。盛り付けもおしゃれです。その後には、筍真薯の空豆仕立てが続きます。

鍋

そして三元豚の山菜豆乳鍋。

囲炉裏で焼き物

囲炉裏で焼物の第二弾は鶏肉にイカ、そして川魚も焼いていただきました。

ヒレステーキ

上品なお造りに、牛ヒレのローストがメインディッシュ。これにコシヒカリと赤だし、香の物が付きます。大満足。

ラウンジでデザート

デザートは暖炉のあるラウンジに移動して。ウイスキーやブランデーもどうぞご自由に、という具合。優雅なひとときでした。

露天風呂は何度でも爽快で楽しい

大露天風呂

深夜、大きな露天風呂「大気の湯」に入りました。こちらはとても広くて、まるで川のようです。安達屋では「県下一のかけ流し露天風呂」と銘打っているようです。浮かせ湯や洞窟の風呂もありました。雪が降っているともっと風情があるでしょう。

基本は混浴ですが女性用に湯浴み着もあり、18時から21時は女性専用となります。

朝食

こちらは翌朝の食事。薪ストーブのある大きな洋間でいただきました。この部屋も優雅な気分になります。

ふだんはバイキング形式らしいのですが、この時期は定食で供されました。今回は和食。焼き魚に玉子焼き、ローストビーフ、野菜、それにお鍋やお刺身などなどたくさん用意され、ヨーグルトも自由に食べることができます。おいしくてたっぷりあって見事でした。

内湯ふたたび

源泉かけ流しのすばらしいお湯だけでなく、浴室の雰囲気も食事も大満足。いうことありません。決して敷居が高いわけではなく、庶民的でいながら極上のおもてなしを感じることができる温泉宿なのです。

そうそう、チェックアウトは11時と少しゆっくり。朝食後に、もう一度温泉に入る時間もたっぷりあります。

高湯温泉 安達屋

  • 住所:福島県福島市町庭坂字高湯21
  • 電話:024-591-1155
  • 公式サイト:www.adachiya.jp

[All Photos by Masato Abe]

阿部 真人

Masato Abe 還暦特派員
大学を卒業後、およそ30年間テレビ番組を作ってきました。57歳の時に、主夫となり、かつ自由人として旅に生きることを決意して早期定年退職。登山を始め、東京の街歩きガイドや温泉めぐり、豆大福探訪などなど60歳の還暦を迎えて好奇心が高まっています。


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