「固い」の意味
「固い」は「かたい」と読み、結びつきが強いとか、融通がきかない、揺るがないという意味。「固体」という熟語はありますが、「固い」と訓読みする場合、ほとんどが物体のかたさではなく、破れにくい強固な性質を指します。
お世話になったドライバーと固い握手を交わした。
「硬い」の意味
「硬い」は「かたい」と読み、外からの力に強いとか、こわばった様子という意味。金属や石のかたさ、手触りのかたい印象などに使います。
硬い鉛筆は色が薄い。
「堅い」の意味
「堅い」は「かたい」と読み、中身が詰まっていて強いとか、確実である、手がたいという意味。
たくさん練習したので、勝率7割は堅いだろう。
「固い」・「硬い」・「堅い」の使い分け方
「固い」・「硬い」・「堅い」はそれぞれ少しずつ意味が異なるのですが、それでもどの漢字を使うか迷いがちです。迷ったときは、対義語で表現するとどうなるか考えてみましょう。「固い↔ゆるい」、「硬い↔やわらかい」、「堅い↔もろい」と対義語を覚えておけば、どの漢字を使えばよいか判断しやすくなります。
たとえば「かたいクッキー」の反対は「やわらかいクッキー」なので、この場合は「硬い」を使えばいいとわかります。
【クイズ】より適切なのはどれ?
1→硬い
2→堅い
3→固い
1の正解は硬い。氷には、外からの力に強いことを表す「硬い」が適切です。
2の正解は堅い。義理には、手がたいことを表す「堅い」が適切です。
3の正解は固い。意思には、ゆるがないことを表す「固い」が適切です。
国語講師。都内大学受験塾・カルチャースクールで講師を務める他、書籍執筆、講演、企業研修、三鷹古典サロン裕泉堂の運営などの活動に取り組んでいる。NHK Eテレ『知恵泉』、NHK‐FM『トーキングウィズ松尾堂』など、テレビ・ラジオにも出演。著書に『大人の語彙力が使える順できちんと身につく本』(かんき出版)や、『大人に必要な読解力が正しく身につく本』(だいわ文庫)など多数。