写真提供:やまなし観光推進機構
ナマハゲゆかりの神社で開催! 見どころ満載な「なまはげ柴灯(せど)まつり」(秋田県男鹿市)
©️秋田県観光連盟
「なまはげ柴灯まつり」は、1964年に秋田県男鹿市北浦の真山(しんざん)神社で男鹿の冬を代表する冬祭りとして始まりました。この祭りは、900年以上前から毎年1月3日に真山神社で行われている神事「柴灯祭(さいとうさい)」と、民俗行事「なまはげ」を組み合わせた冬の行事です。
男鹿温泉郷の冬場の観光を盛り上げようと企画された「雪まつり」を北浦湯本にある星辻神社で行っていましたが、真山神社で行われている「柴灯祭」を取り入れた後、観光客が増えて手狭となり、舞台を真山神社に移したのです。
「なまはげ柴灯まつり」では、真山神社の境内に焚き上げられた柴灯火のもと、男鹿地方独特の祓い神楽を奉納する「湯の舞」と、古い伝統的な湯立て神事である「鎮釜祭」、そして、なまはげに扮する若者がお祓いを受けたお面をかぶり、なまはげと化し山へ戻る「なまはげ入魂」、秋田出身の現代舞踏家の振り付けによる「なまはげ踊り」が行われます。なまはげの乱舞は迫力満点! 多くの人を魅了してやみません。
©️秋田県観光連盟
神楽殿では、男鹿市各地で大晦日に行われる伝統行事「男鹿のナマハゲ」の再現のほか、お面や衣装が異なる男鹿各地のなまはげの登場する「里のなまはげ」や、「なまはげ太鼓」の演奏も。
さらにまつり終盤には、松明をかざしたなまはげが雪山から降りてきて、幻想的です。下山したなまはげは境内を練り歩いた後、柴灯火で焼かれた護摩餅を神官から捧げられ、山深くの神のもとへと帰っていくのです。
切り分けられた護摩餅は、神楽殿前でなまはげから観客に配られ、この護摩餅には火難除去のご利益があるといわれています。一度は見てみたいお祭りですよね。
©️秋田県観光連盟
ちなみに「泣く子はいねがー、親の言うこど聞がね子はいねがー」「ここの家の嫁は早起きするがー」などと大声を叫びながら家々をめぐる男鹿のなまはげは、1978年「男鹿のナマハゲ」として国重要無形民俗文化財に指定され、2018年に「来訪神:仮面・仮装の神々」のひとつとして、ユネスコ無形文化遺産に登録されています。
開催期間:毎年2月第2土曜日を含む金・土・日曜日
会場:真山神社
住所:秋田県男鹿市北浦真山水喰沢97
交通アクセス:JR「男鹿駅」から臨時有料バスで約2時間
公式サイト:https://oganavi.com/sedo/
1200年以上の歴史! 7年に一度行われる諏訪大社の最も重要な神事「御柱祭」(長野県諏訪市)
正式名称「式年造営御柱大祭」は、7年に一度だけ、1200年以上前から諏訪で寅と申の年に執り行われる神事です。宝殿を造り替えるほか、御柱を選び、山から曳き、社殿の四隅に「御柱」と呼ばれる樹齢200年ほどのモミの巨木を建てます。この神事は諏訪大社の中でも最大にして最も重要なものとされています。
御柱祭の起源や由緒などは詳しくわかっていませんが、4つの柱は四方位を司る四天王(東方持国天、西方広目天、南方増長天、北方多聞天)であるとする説や、境内を護摩壇に見立て、御柱はその結界を張る、密教で用いる法具「独鈷」であるとする説などが、鎌倉時代から唱えられていました。
室町時代の『諏訪大明神画詞』という文献に、御柱祭の最初の記録が残っています。しかし、起源はさらにさかのぼるといわれています。
また、易学からみて、陰暦で寅は1月、申は7月にあたり、春と秋の初めになるといわれていることに加え、寅と申には「動く」「うごめく」といった意味があり、草木の芽吹きや作物の熟成に通じ縁起が良いということで、暦を重んじた古代に7年ごととされたという説があるそうです。
御柱祭では、上社、下社それぞれに山から直径約1m、長さ約17m、重さ10tにもおよぶモミの巨木を切り出し、上社は約20km、下社は約12kmの街道を、木遣りに合わせて人力のみで曳き、各お宮の四隅に建てます。
御柱祭は大きく分けて、4月の「山出し」、5月の「里曳き」の2つの日程で行われます。山出しでは、多くの観衆が見守るなか巨木の御柱が次々と坂を下る「木落し」、上社では冷たい水が流れる川を曳き渡る「川越し」を実施。また、里曳きでは、長持ち、騎馬行列といった時代絵巻のような光景を目にすることができます。そして、大社の御柱が終わると、今度は諏訪地方の神社で御柱祭が行われるのです。規模の大きさと勇壮さに圧倒されますね。
開催期間:次回は2028年4・5月に開催予定
会場:諏訪大社(上社本宮・上社前宮・下社秋宮・下社春宮)
住所:長野県諏訪市中洲宮山1(上社本宮)
交通アクセス:上社本宮へはJR「茅野駅」からタクシーで16〜20分、上社前宮へはJR「茅野駅」から徒歩約30分、下社秋宮・下社春宮へはJR「下諏訪駅」から徒歩15〜17分
公式サイト:https://onbashira.jp/
上社本宮
神輿が参道を下ると同時に大松明が一斉に点火される「吉田の火祭り」(山梨県富士吉田市)
写真提供:やまなし観光推進機構
毎年8月26日、27日に行われる「吉田の火祭り(鎮火大祭)」は、山梨県富士吉田市にある北口本宮冨士浅間神社と諏訪神社の両社のお祭りです。
このお祭りは、浅間神社ではなく、諏訪神社の祭礼でした。『甲斐国志(かいこくし)』には「上吉田(かみよしだ)村諏訪明神の7月22日の例祭として町中で篝火(かがりび)を焚く」とあり、上吉田の産土神であると書かれているのです。このように、諏訪神社の神主である佐藤家を中心とした諏訪神社の祭りでしたが、浅間神社の社司や御師が関わるべき祭りであったと伝えられています。
1572年の『吉田之新宿帳』から神輿が通る道のことが記載されており、約400年以上前には、すでにこのお祭りが行われていたことがわかっています。
また、起源は諏訪明神が蛇体になって現れることに関するもの、浅間神社のご祭神である木花開耶姫命(このはなさくやひめのみこと)に関する伝承などがあり、はっきりとは明らかになっていません。
写真提供:やまなし観光推進機構
2日間にわたって行われる「吉田の火祭り」では、26日は明神型神輿の「お明神さん」と、富士を表す「御影(お山さん)」と呼ばれる2基の神輿が参道を下り、氏子町内をめぐって夕暮れに御旅所に奉安されます。それと同時に、本町通りの沿道約1kmに立てられた70本から80本の大松明に一斉に点火。各家の前に置かれた松明も点火されると、富士吉田市上吉田の空を赤く染めます。
27日は、一晩奉安された大神輿、御影の大前で、御旅所発輿祭の神事が行われ、大神輿は担がれ「御鞍石(おみくらいし)」と呼ばれる神聖な大きな石のある場所へ寄った後、浅間神社へと向かいます。浅間神社の境内には、まず「お明神さん」が入り、高天原を7周回ります。3周目に「御影」も列に加わり、その後に続いて、すすきで作られた玉串を持った氏子、参詣者が高天原をグルグルと回り、祭りの熱気は最高潮に!
開催期間:毎年8月26〜27日
会場:北口本宮冨士浅間神社ほか
住所:山梨県富士吉田市上吉田5558(北口本宮冨士浅間神社)
交通アクセス:北口本宮冨士浅間神社へは富士急行「富士山駅」から徒歩20分
公式サイト:https://fujiyoshida.net/feature/himatsuri/index
[参考]
遠山郷観光協会