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国の登録有形文化財!戦前から続く歴史ある空間
【ビヤホールライオン 銀座七丁目店の歩み(抜粋)】
1906年(明治39年):大日本麦酒(株) (現サッポロビール(株))設立
1934年(昭和9年):本社ビル竣工に伴い、1階に「ビヤホールライオン 銀座七丁目店」が開店
1945年(昭和20年):進駐軍専用ビヤホールとなる
1952年(昭和27年):一般向けの営業を再開
2022年(令和4年):登録有形文化財(建造物)に登録される

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東京・銀座ライオンビルの1階にある「ビヤホールライオン 銀座七丁目店」は、現存する日本最古のビヤホールです。1934年(昭和9年)4月8日のオープン以来、現在まで変わらぬ姿のまま営業を続け、2022年(令和4年)で創建88周年を迎えました。
日本で最初のビヤホールは1899年(明治32年)に銀座8丁目につくられた「恵比壽ビヤホール」とされており、「ビヤホールライオン 銀座七丁目店」が誕生したのはその35年後のこと。
残念ながら、そのほかのビヤホールは戦時中の空襲により、焼失または疎開のため取り壊されてしまいました。そんな中、「ビヤホールライオン 銀座七丁目店」は奇跡的に空襲を免れ、今日まで至ります。現在、建物は国の登録有形文化財に登録されており、歴史的建造物としても高く評価されています。
ガラスモザイクが美しい、荘厳な空間のビヤホール

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現存する日本最古のビヤホール「ビヤホールライオン 銀座七丁目店」が誕生したのは1934年。大日本麦酒(現・サッポロビール)の本社ビルが現在の東京・銀座7丁目に建設された際、1階を大日本麦酒直営のビヤホールとして開業したのが始まりです。
「ビヤホール」という言葉は「ビールを提供する飲食店」という意味で広く使われていますが、実は日本生まれの和製英語なのをご存じでしょうか。イギリスではパブのことを「beer house(ビール・ハウス)」と呼ぶことがありますが、「beer hall」とは言いません。
日本生まれの「ビヤホール」という言葉は、ドイツ語の「Bier Halle(ビーア・ハレ)」に由来します。このドイツ語を英語表現に変え、「ビヤホール」という言葉を広めたのは、「日本のビール王」と呼ばれた大日本麦酒の社長・馬越恭平氏でした。

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開業から多くの人でにぎわった「ビヤホールライオン 銀座七丁目店」でしたが、間もなく太平洋戦争の時代に突入。なんとか空襲は免れたものの、1945年(昭和20年)の戦後すぐにアメリカに接収され、進駐軍専用のビヤホールとなりました。それから7年後に接収が解除され、1952年(昭和27年)に一般客に向けて営業を再開、現在に至ります。

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建設当時、「天下一の建物に。後世まで残る日本を代表するビヤホールに」との思いでつくられたという店舗。「豊穣と収穫」をコンセプトに、内装には豊かな実りを感じさせる大麦や葡萄をモチーフとする装飾が施されました。

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店内に入ってまず目を引くのが、正面にある大型のガラスモザイク壁画です。ビール大麦を収穫する女性たちが描かれており、そのすぐ前のカウンターの両脇には噴水が据えられています。
室内の壁には赤レンガがあしらわれ、「麦の穂」をイメージした矢じり型の装飾が印象的な柱に、ビールの泡をイメージした水玉模様の照明と、葡萄の房をモチーフにしたシャンデリアが光り輝き、神殿や教会を思わせる空間となっています。

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この内装のほとんどは創建当時と同じというから驚きです。激動の戦争時代を経て、昭和、平成、令和とどれだけ時が流れても、いつも同じ姿でお客さんを迎え続けてきたビヤホール。これからもビールを愛する人たちの憩いの場として、さらなる思い出と歴史を重ねていくことでしょう。
熟練の職人技「一度注ぎ」の極上ビールとは!?

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「ビヤホールライオン 銀座七丁目店」では、元祖ビアホールとして最高の生ビールを提供すべく、味わいや注ぎ方にもとことんこだわっています。
特に、常連客に一番人気なのが「サッポロ生ビール」の小グラス。通称「金口グラス」とも呼ばれ、ジョッキではなく金の縁取りがある薄口のグラスに注がれる一杯です。麦のうまみと香りをダイレクトに感じられるのが特徴で、コクとキレに加えてすっきりとした爽快感があり、何杯もおかわりしたくなる味わい。
そんな極上生ビールを注ぐのは、熟練の技を持つビールマイスターです。生ビールを一気に注ぎ切る「一度注ぎ」の匠の技で、ビール本来の「自然な泡」を黄金バランスで提供。余分な炭酸ガスが抜け、雑味が泡に閉じ込められることによって、苦みを感じにくいビールへと仕上がります。
味と技術へのあくなき追求が生み出す、銀座ライオンならではの極上生ビール。現存する日本最古のビヤホールで88年の歴史を感じながら、伝統の味わいを楽しんでみてはいかがでしょうか。
参考:
サッポロライオン
ぐるなび

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内野 チエ ライター
Webコンテンツ制作会社を経て、フリーに。20歳で第1子を出産後、母・妻・会社員・学生の4役をこなしながら大学を卒業、子どもが好きすぎて保育士と幼稚園教諭の資格を取得、など、いろいろ同時進行するのが得意。教育、子育て、ライフスタイル、ビジネス、旅行など、ジャンルを問わず執筆中。特技はワラビ料理と燻製作り。
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