読者の関心が高かった冬の秘湯ランキングTOP10
2位 山形県「肘折温泉」
3位 長野県「湯田中温泉郷」
4位 福島県「高湯温泉」
5位 北海道「登別温泉」
6位 石川県「山中温泉」
7位 秋田県「乳頭温泉」
8位 栃木県「奥鬼怒・八丁の湯」
9位 岩手県「松川温泉」
10位 山梨県「下部温泉」
※集計期間 2022年11月30日~2024年1月30日 TABIZINEサイト上のページビューにて集計。
【北海道】登別温泉・第一滝本館
©第一滝本館
登別温泉にある第一滝本館は、観光経済新聞社主催の「人気温泉旅館250選」による5つ星の宿に認定、BIGLOBE主催の「第9回みんなで選ぶ温泉大賞」では東の横綱(第1位)に選ばれるほど人気も実力のある宿です。
大浴場は、24時間入浴できて、男女合わせ35個もの湯舟があるそう。7つの源泉と、5種類もの泉質を同時に楽しむこともできる温泉ワンダーランドです。国内屈指の広さを誇る大浴場は、天井が高く広々としているので、人が大勢いてもゆったりと入浴が楽しめます。
第一滝本館は人里離れた秘湯ではないものの、非常に雪景色が似合う冬のパワースポットです。
【北海道】湯の川温泉
湯の川温泉は、秘湯ではありませんが、登別温泉、定山渓温泉とともに北海道では古くから知られる名湯です。
平成館海羊亭で楽しめる温泉は2つ。大浴場が無色透明なナトリウムカルシウム塩化物泉、露天風呂は含ヒ素・含重曹-弱食塩泉で、鉄分を含んでいるせいか茶色いお湯で「赤湯」と呼ばれています。「赤湯」は湯の川温泉でも珍しいようですが、開湯したばかり湯の川は赤湯だったとか。
函館山から眺める純白の街並み、雪のなかを走る市電、雪の舞う教会や五稜郭などの歴史遺産など、北国の港町ロマンを感じさせてくれる冬の函館。湯の川温泉のお湯とともに、海の幸も思う存分満喫できます。
【北海道】定山渓温泉・ふる川
©ぬくもりの宿 ふる川
北海道札幌市内から車で約1時間とほど近く、秘湯の雰囲気を残す定山渓温泉は、良質な温泉が湧いていることで「札幌の奥座敷」と呼ばれてきました。
「ぬくもりの宿 ふる川」は温かなおもてなしを感じられる宿。別棟1階と2階にあるお風呂は入れ替え制。泉質は、身体がよく温まるナトリウム塩化物泉で、自然湧出する2本の自家源泉が使われています。
500円と有料ながらぜひ楽しみたいのは、本館地下1階にある露天風呂「ゆ瞑み」。約150年前に定山渓を開いた開祖「美泉定山」のお湯を再現したそうで、風情ある空間で静かに湯浴みが楽しめます。
【北海道】運河の宿 おたる ふる川
©運河の宿 おたる ふる川
小樽の観光名所・小樽運河のかたわらに建つ「おたる ふる川」には、天然の温泉があります。1階と2階にある2つのお風呂は男女入替制。1階にある壱の湯の内風呂は、小樽軟石が使われていて、まるで「蔵」の中にいるような雰囲気を味わえます。
2階の「弐の湯」は木のぬくもりを感じられる浴室。8階には有料の貸切風呂もあります。泉質はナトリウム塩化物冷鉱泉で、よく温まる美肌の湯なので、凍える冬場に楽しむのにピッタリです。
【青森県】酸ヶ湯温泉
©酸ヶ湯温泉
豪雪の秘湯を体験するなら……、日本屈指といわれるほど積雪量の多い青森県八甲田山麓の秘湯ではないでしょうか。秘湯でもアクセスがよいのもうれしいポイントです。
名湯・千人風呂は混浴。湯あみ着は売店で販売されており、女性専用の時間帯もあります。泉質は酸性硫黄泉で、大きな浴室には、源泉の異なる2つの「熱の湯」、「四分六分の湯」、打たせ湯、そして女性専用の玉の湯があります。
雪景色を眺めながら温泉でリラックスする至福のとき。2泊以上の滞在がおすすめです。
【岩手県】松川温泉・峡雲荘
3軒の温泉宿がある松川温泉ですが、終点の標高875m地点、いちばん奥にあるのが峡雲荘。松川温泉は発見されてから280年、日本で最初の地熱発電所が作られたほど温泉に恵まれている場所です。
緑がかった乳白色のお湯で、冬場は雪見風呂が楽しめる露天風呂。混浴のほか、女性専用の露天風呂もあります。泉質は硫化水素型の単純硫黄泉で、pH5.0とそれほど強い酸性ではありません。吹雪が舞う雪の露天風呂はなんとも爽快です。
【岩手県】花巻・山の神温泉 優香苑
宮大工によって建てられた、優美な山の神温泉優香苑。「第40回プロが選ぶ日本のホテル・旅館100選」に選ばれ、「じゃらんのnetランキング2018泊って良かった宿大賞 岩手県第一位」を獲得した、人気と実力を兼ね備えたお宿です。
山の神温泉の泉質はアルカリ性単純泉ですが、成分分析表によるとナトリウム成分と硫酸成分が高く、以前は「芒硝泉」と呼ばれていたナトリウム-硫酸塩泉。PH9.4のアルカリ性で、肌がつるつるするような印象です。メタケイ酸もあるので、肌の新陳代謝が進む美肌のお湯。
男女ともそれぞれに内湯と露天風呂があり、大小2カ所の浴室があります。露天風呂は、男女合わせて50畳もの広さです。
【宮城県】東鳴子温泉・旅館大沼
女性一人旅に人気の湯治宿、東鳴子温泉の旅館大沼。8つある浴室のうち5カ所が無料で貸し切りできるのが魅力です。宿から5分ほどの小高い離れには、大きくて気持ちのいい露天風呂があります。
旅館大沼には、赤湯と呼ばれる「純重曹泉」と透明な「含食塩・芒硝重曹泉」の2本の源泉があります。PHはそれぞれ6.9と7.4で、赤湯は天然重曹成分が86%、全国的に見てもすばらしい重曹泉なのだそう。
鳴子温泉に比べて全国的には知られていない東鳴子温泉ですが、お湯と交通の便もよく財布にもやさしい宿ばかりで、湯治にもぴったりです。
【宮城県】鳴子温泉
©鳴子観光ホテル
良質のお湯と歴史、風情のある温泉街でおすすめな鳴子温泉。日本にある11種の泉質のうち9種類がある、とても貴重な温泉地です。共同浴場の滝の湯をはじめ、日帰りで入浴できる施設や旅館、ホテルがたくさんあります。
創業400年の歴史ある鳴子観光ホテルは、元々のお湯の名が「源蔵湯」でした。泉質は、含硫黄-ナトリウム-硫酸塩・炭酸水素塩泉、低張性中性高温泉(旧泉質名含芒硝重曹-硫黄泉)。少し白濁し硫黄(硫化水素)の匂いが漂います。最も注目すべきはメタケイ酸が多いことで、まさに美人の湯といえるでしょう。
【秋田県】乳頭温泉・鶴の湯
300年以上もの歴史がある、秋田県・乳頭温泉鶴の湯。山の中にある秘湯は、冬こそ大人気の場所で、日本人観光客だけでなく、雪見風呂を味わいたいという中国や韓国、東南アジアから大勢の外国人観光客がやって来ます。
鶴の湯には5カ所の温泉があり、それぞれ異なる泉質が魅力。大きな露天風呂は混浴ですが、女性専用の露天風呂も別にあります。
宿の建物の前にずらっと並ぶ、火が灯ったかまくらも必見。夜の美しいかまくらの風景と温泉に心癒され、明日へのエネルギーが静かに満ち溢れてくるに違いありません。
【山形県】銀山温泉
雪景色が似合う温泉街といえば、山形県の銀山温泉が思い浮かびます。かつて銀山として栄えたこの地は、江戸中期のころは人口が20万~30万もあったのだとか。
戦後は知る人ぞ知る秘湯でしたが、1983年に放送されたNHK朝の連続テレビ小説「おしん」の舞台として脚光を浴びました。風情ある旅館街を保存し、観光復興に活かすことで人気を高めてきたのです。
木造三階建て 大正ロマンの面影が残る「永澤平八」には、3カ所に分かれたお風呂があります。泉質は、含食塩硫化水素泉で源泉かけ流し。冬場はよく温まるお湯で、旅の疲れと寒さで凝り固まった体が優しくほぐれていくようです。
【山形県】肘折温泉
日本有数の豪雪地帯に数えられる山形県の名湯「肘折(ひじおり)温泉」。温泉街の周囲は豪雪地帯ですが、街中は雪下ろしがされていて歩きやすいのも観光客にとってありがたいところ。
肘折温泉は、古くは霊峰月山に詣でるために最後に身体を清める場所だったそう。「肘折」の名は、老僧が肘を折って苦しんでいたところ、お湯に浸かったら傷が癒えたためと伝えられています。
「優心の宿 観月」には、内湯のほか、展望露天風呂もあります。肘折温泉の旅館のほとんどが共同源泉で同じ泉質。お湯は少し緑っぽくもあり灰色っぽくもあり、いかにも効能豊かな色合いです。宿から徒歩約3分の場所にある共同浴場「上の湯(かみのゆ)」もおすすめ。
【福島県】高湯温泉・安達屋
福島駅から車でわずか30分ほどの場所に、秘湯の雰囲気を残し、良質の源泉を誇る高湯温泉があります。その薬効から「東北の草津」と呼ばれる歴史ある名湯。2021年の「じゃらん温泉地満足度ランキング」総合部門で第1位に選ばれています。
高湯温泉にある9軒の温泉宿と共同浴場は、すべて源泉かけ流し。多くの温泉通から支持されるのも納得です。そのうちの1軒、安達屋のお風呂は、男女それぞれの内湯のほか、川のような大きな露天風呂、そして貸し切りの露天風呂が2つあります。
硫黄成分をしっかり含んだ美人の湯、そして自然の恵みそのままの新鮮な温泉が楽しめる高湯温泉は、温泉好きならば要チェックです。
【栃木県】奥那須・大丸温泉旅館
©大丸温泉旅館
栃木県那須岳の中腹にある、雪深い奥那須・大丸温泉。大丸温泉旅館は、那須湯本とは異なる美肌の湯が評判の秘湯の宿です。
大丸温泉は、単純泉でさらさらとした気持ちの良いお湯です。成分にはメタケイ酸が温泉1㎏のうち318mgも含まれているので、肌の新陳代謝を促進し、保湿効果があり、美肌へと導いてくれる美人の湯なのだそう。
露天風呂「川の湯」は、川をそのまま露天風呂にしたような独特の露天風呂で、温泉ファンにも人気。雪が降りしきるなか入る温泉は、冬の秘湯の醍醐味です。
【栃木県】奥鬼怒・八丁の湯
©八丁の湯
鬼怒川温泉の奥の人里離れた山あいにあることから、関東に残された最後の秘湯と呼ばれている八丁の湯。
お湯は自噴泉で100%の源泉かけ流しのお湯。無色透明で、わずかに硫化水素の匂いが感じられます。温泉の成分分析表には、「単純硫黄泉」とあり、メタケイ酸の分量も多く、肌の新陳代謝を促進してくれます。
八丁の湯の魅力は、広々とした滝見の湯、雪見の湯、石楠花の湯という3つの露天風呂。混浴ですが、ほとんど明かりがなく湯気が充満しているので、入浴用のタオルを巻けば目立たずに入浴できます。女性専用の大きな露天風呂もありますよ。
【栃木県】板室温泉・大黒屋
栃木県の那須七湯のひとつ板室温泉は、開湯1,000年という歴史のある温泉。創業470年の「大黒屋」は、女性に人気の保養とアートの老舗温泉宿です。都会の喧騒を離れ、心と身体を休めてのんびりしたいという人ににおすすめ。
お風呂は檜風呂に低温サウナ、大浴場、露天風呂があり、加水なし、循環ろ過なし、塩素使用なしの源泉かけ流しというのもうれしいポイントです。
【群馬県】草津温泉・望雲
©望雲
秘湯ではありませんが、温泉の王道といえば草津温泉。温泉の自然湧出量日本一、万病にも効くという湯力があります。草津温泉のシンボルといえば湯畑ですが、1973年に岡本太郎さんがデザインし、観光客が歩いて楽しめるスポットに生まれ変わりました。
旅館 望雲は湯畑を見下ろす高台にあり、420年ほどの歴史があります。露天風呂を含め、6つの湯舟と2つの源泉が引かれていて、すべて掛け流しの温泉です。湯畑とともに草津を代表する古い歴史を持つ源泉・西の河原から引いている温泉は、お肌へのあたりがやわらかく、 お湯がなじみやすいのが特徴。
本白根山の奥深くで、噴出している温泉・万代鉱は、草津温泉の中でもマグマに近い源泉。草津の6つの源泉の中でも特に酸性で殺菌・抗炎症作用があります。さまざまな泉質を楽しめるのも、湯量が豊富な草津ならではですね。
【群馬県】谷川温泉・水上山荘
大正ロマンの雰囲気を醸す和風旅館「檜の宿 水上山荘」は、ラウンジからの雪景色がとびきり美しく、まるで絵画のよう。
温泉は、源泉100%かけ流し、無味無臭のアルカリ性単純泉。まろやかなお湯で飲泉もできます。内風呂は樹齢2,000年の檜(ヒノキ)の浴槽で、「檜の宿」という名前の由来でもあります。数百年のあいだ地中に埋もれ、ヒノキチオールを多く含む健康風呂。
露天風呂からの雪景色もまた最高。宿泊客は2,500円で入浴できる貸切展望風呂もあります。
【群馬県&長野県】万座温泉と鹿教湯温泉
標高1,800mの秘湯、硫黄泉の万座温泉、上がり湯として歴史ある名湯・鹿教湯温泉という、泉質がまったく異なる温泉めぐり旅もおすすめ。
大きな窓越しに雪原が広がり、開放感はたっぷり。落ち着く木枠のお風呂では、雪景色を眺めながらのんびりと浸かることができます。まるで地球のエネルギーを充電させてもらっているような気分になれそう。
万座温泉のホテルジュラクの泉質は、硫化水素型の単純硫黄泉で源泉かけ流しで乳白色。硫黄成分の含有量は日本一だそう。大きな窓越しに雪原が広がり、開放感はたっぷりです。大浴場とつながった露天風呂もあります。
鹿教湯温泉の老舗温泉宿「斎藤ホテル」の大浴場は、窓が大きく外光が差し込んで明るいです。くせのない柔らかなお湯は、弱アルカリ性の単純泉で無色透明ですが、ほんのわずか硫黄の匂いが感じられます。広々とした庭に面している露天風呂は、開放感も抜群です。
【新潟県】大湯温泉・友家ホテル
開湯から1,300年の歴史がある大湯温泉。昔ながらの温泉街に佇む友家ホテルは、遊び心にあふれた非日常を満喫できる宿です。客室のバリエーションが豊富で、それぞれ全く違う雰囲気が楽しめるのも魅力。
大湯温泉はアルカリ性単純泉。友家ホテルの4つある浴室はすべて貸切風呂で、源泉かけ流しのお湯が楽しめます。特筆すべきは大きな浴槽があり、広々入れる「庭園風呂」。客室のタブレットからお風呂の空き状況がわかり、予約できるのも便利です。
【富山県】庄川温泉
富山県南西部に位置する庄川温泉。「庄川温泉 鳥越の宿 三楽園」は、成分の異なる2つの濁り湯が楽しめる宿。そのうちの一つ、自家源泉である“赤茶色”の炭酸鉄泉は、鉄分を豊富に含み、婦人科系や皮膚疾患に効果があるといわれています。
そしてもう一つは“白濁色”の炭酸水素塩泉で、皮膚を柔らかくしてお肌をすべすべにする美肌の湯とされています。
お宿の近くには日本観光地百選にも選ばれた自然美「庄川峡」も。冬も真っ白な雪に包まれた庄川峡をダイナミックに体感できる遊覧船が運航されているので、温泉とともに楽しめます。
【石川県】山中温泉
©吉祥やまなか
石川県加賀地方の山中温泉は、その名の通り山の中の名湯。開湯は1,300年前で、松尾芭蕉も『奥の細道』の旅で滞在しています。
風情ある加賀の宿「吉祥やまなか」では、男女ともに内湯・露天風呂が備えられ、宿泊客は無料で50分間貸切風呂に入れるサービスがあります。泉質はカルシウム・ナトリウム・硫酸塩泉で、よく温まる美肌のお湯です。
【山梨県】下部温泉
開湯1,200年の歴史がある山梨県南部、身延町の下部(しもべ)温泉は、戦国時代の武将、武田信玄の隠し湯として「川中島の合戦」の傷を癒やしたと伝えられています。低温泉と高温泉、2つの源泉で多彩な効能があるのも魅力的。
1929年創業で、名湯百選にも選ばれた「下部ホテル」には、ラウンジの外に足湯もあります。下部温泉共同泉を引き湯しているアルカリ性単純泉のほか、庭園から湧出する単純硫黄泉もあり、12種もの温泉を楽しめるのだとか。
下部の冷鉱泉は、熱い温泉と冷鉱泉に交互に入ることによって、交感神経と副交感神経を刺激して自律神経を整え、ゆっくりポカポカと温まります。
【長野県】湯田中温泉郷
雪の秘湯といえば、温泉で温まるニホンザルとして知られる長野県地獄谷のスノーモンキーが思い浮かびます。地獄谷野猿公苑は、昭和37年(1962年)に野猿の餌付けに成功して整備されたそう。昭和45年(1970年)には、アメリカの雑誌「LIFE」の表紙を飾り、世界的に注目されるようになったそうです。
地獄谷野猿公苑では世界でただひとつ、湯浴みをする愛らしい野性のニホンザルを間近で見られます。
住所:長野県下高井郡山ノ内町平穏6845
電話:0269-33-4379
営業時間:夏 8:30~17:00、冬 9:00~16:00(年中無休)
HP:https://jigokudani-yaenkoen.co.jp/
[Photos by Masato Abe]