「あやふや」の意味
「あやふや」は、意図せず不確かなこと。また、頼りないこと、あてにならないこと。
目的地までバスが運行していたかどうか、記憶があやふやだ。
「うやむや」の意味
「うやむや」は今日では主に「うやむやにする」の形で使われ、その場合には、意図的に不確かにすることです。なお、漢字で「有耶無耶」とも書くのは、「有なのか無なのか分からない=有や無や」という語源の「や」に「邪」の字を借りたものです。
予約ミスについて、責任の所在をうやむやにされてしまった。
「あやふや」と「うやむや」の使い分け方
「あやふや」と「うやむや」にはどちらも不確かという意味がありますが、違いは「意図的かどうか」。「あやふや」は対象そのものがはっきりとしないため、どうしても不確かになってしまう様子を表しているのに対し、「うやむや」ははっきりさせようと思えばできるのに、わざと不確かにしている様子を表しています。
似た言葉に「曖昧(あいまい)」がありますが、こちらは意図的かどうかを問わず、どちらの場合にも使えます。
【クイズ】より適切なのはどっち?
1→あやふや
2→うやむや
1の正解はあやふや。天気は意図的にはっきりさせていないものではなく、どうしても不確かになってしまうものなので「あやふや」を使うのが適切です。
2の正解はうやむや。「されてしまった」とあり、意図的にその状態にされたことが読み取れるため、「うやむや」を使うのが適切です。
国語講師。都内大学受験塾・カルチャースクールで講師を務める他、書籍執筆、講演、企業研修、三鷹古典サロン裕泉堂の運営などの活動に取り組んでいる。NHK Eテレ『知恵泉』、NHK‐FM『トーキングウィズ松尾堂』など、テレビ・ラジオにも出演。著書に『大人の語彙力が使える順できちんと身につく本』(かんき出版)や、『大人に必要な読解力が正しく身につく本』(だいわ文庫)など多数。