
普通の駄菓子屋ではない予感
北見市にある小売りもしている問屋さんを訪ねたところ、網走市内で卸しているお店が2軒あるということで場所を教えていただきました。この問屋さんはオホーツク圏の駄菓子屋を下支えする重要な存在だったので、また別の機会で触れたいと思います。
網走の中心部から南東にしばらく行くと街道沿いにチェーン店が立ち並ぶエリアがあり、周辺には住宅街が広がっています。教わった住所に行くと、「高橋菓子舗」という看板がついた、洋菓子屋さんのような雰囲気の黄色い建物がありました。

お店に入ると、まず目に入るのがポップコーンの自動販売機。この機械があるだけで、「ここは普通の駄菓子屋ではないぞ!」という良い予感がします。四角く広い店内は基本的には駄菓子売り場になっていて、隅に和菓子と洋菓子を売るカウンターがあり、さらにその奥が厨房という造り。

売り物の中に、初めて見る駄菓子を発見しました。チョコレートがかかったクッキーが3つ串に刺さったもので、立派な大きさなのに値段は20円、しかも当たり付き(串の先が赤いと当たりの、きなこ棒方式でした)。気になりすぎて「これってどこのやつなんですか?」と男性の店主に聞くと、「ああ、それうちのオリジナル。洋菓子に使うチョコレート使ってるからうまいよ!」とのこと。実際にいただいてみると、たしかに駄菓子らしからぬ上品な味がして、とてもおいしかったです!

子どもたちが喜ぶ姿を見るのが楽しい
高橋菓子舗は昭和47年に、作りたての和菓子・洋菓子を販売するお店として現店主のお父さんが創業したそうです。当時は周辺に何もなかったそうなのですが、街が整備されて住宅街が広がり、人が増え、順調に商売を続けてきたとのこと。ある時、「大人のお客さんだけじゃなくて、子どもも気軽に来られるようにしたいな」と思ったことがきっかけで駄菓子を置き始め、現在の形に至るそうです。
「父親がなにかとアイデアマンっていうかさ、店を建てた場所も、商売の広げ方も、いろいろと目の付け所が良かったよね。このチョコクッキーも、だんご3兄弟が流行った時に父親が作ったんだわ。当時からずっと洋菓子の材料屋さんには『これを20円で売ったら駄目でしょ!』って怒られてるんだけど(笑)、子どもたちが喜ぶからさ。駄菓子屋はやっぱり、そういう姿を見るのが楽しいからね」

とてもフレンドリーで、駄菓子のことから地域のことまでいろいろと教えてくださった店主。お店は「4丁目の高橋さん」ということで、子どもたちからは「よんたか」と呼ばれていました。洋菓子の食材を使った安価なメニューは、ほかにも100円クレープなどがあり、近所の子どもたちは駄菓子のレベルに収まらないものを気軽に食べることができてうらましい限りです。

駄菓子屋と同様に、駄菓子メーカーや駄菓子の種類もはっきりと減少している今の時代。オリジナル駄菓子を作るお店に巡り会えたのは、この上ない幸運でした。
高橋菓子舗 ※高の字は正確にはハシゴ高です
住所:北海道網走市つくしヶ丘4-6-6
営業時間:9:00~19:00
定休日:不定休
[All photos by Atsushi Miyanaga]

あなたが知りたかったことが、この記事で参考になりましたか?
Atsushi Miyanaga
駄菓子屋いながき店主。1979年生まれ。経営していた学童保育を事業譲渡し、その後、息子と二人で日本一周駄菓子屋巡りの旅へ。超高齢化や後継者不足、利益率の低さなど、店主から語られる昔ながらの駄菓子屋の窮状を知り、なんとかこの文化を未来に繋げられないかと埼玉県加須市に駄菓子屋を開業。発達障害のシングルファザーですが、周囲の助けもありなんとか楽しく生活しています。
【北海道おすすめ土産】中から昆布が!?芋を一切使用していない「わかさいも
Jan 17th, 2023 | Sayaka Miyata
今回紹介するのは、洞爺湖の名物「わかさいも」。「いも」という名前がついていますが、芋は使用されていません。おまけに中からきざみ昆布が!? さつまいもの穫れない北海道で、「やきいも」を表現した、ユニークなお菓子なんです。でもそのおいしさは本物。芋好きにこそ食べてほしい! 北海道のおすすめ土産「わかさいも」を実食ルポで紹介します。
【北海道のお土産22選】定番人気や空港限定商品もすべて実食ルポ
Jan 13th, 2023 | TABIZINE編集部
北海道といえばお土産の宝庫! たくさんあって迷ってしまいますよね。今回は、スイーツはもちろんのこと、ラーメンやビール、牛乳など、定番から空港限定商品まで人気のお土産22品をすべて実食ルポで紹介します。
【北海道おすすめ土産】衝撃の味わい「よいとまけ」!ハスカップの野生的な酸
Jan 7th, 2023 | Chika
北海道のお土産といえば、六花亭やロイズのスイーツなど思い浮かぶものがたくさんありますが、「よいとまけ」もその一つ。ロールカステラには北海道産ハスカップジャムが使われ、甘みと酸味が融合したほかでは味わえない風味が魅力です。今回は、北海道土産「よいとまけ」を紹介します。
【久世福でご当地調味料の旅!人気記事ランキング】うに醤油からこな柚子こし
Jan 2nd, 2023 | TABIZINE編集部
バイヤーが実際に旅して見つけた、地方の心ときめく逸品を自宅の食卓で楽しむことができる産直スタイルのオンラインモール「旅する久世福e商店」(通称「たびふく」)で、「旅行家・食事家・写真家」の石黒アツシが、地方の調味料を実際にお取り寄せして、その味を土地の魅力とともに紹介する連載「久世福でご当地調味料の旅」。これまで公開した記事の人気ランキングを発表します。
北海道八雲町「脇屋シェフのにんにく醬油」はこれ1本で味が決まる!【久世福
Dec 26th, 2022 | 石黒アツシ
全国からこだわりの生産者が集まった産直スタイルのオンラインモール「旅する久世福e商店」(通称「たびふく」)。バイヤーが実際に旅して見つけた、その土地ならではのおいしさを集めたということで、地方の心ときめく逸品を自宅の食卓で楽しむことができるんです。そこで、この連載では、ご当地の銘品や特産品に目がない「旅行家・食事家・写真家」の石黒アツシが、地方の調味料に注目。実際にお取り寄せして、その味を土地の魅力とともに紹介します。第10回は北海道八雲町の「脇屋シェフのにんにく醤油」です。
【道の駅 流氷街道網走 オホーツク】人気お土産ランキングTOP8!おすす
Dec 3rd, 2022 | TABIZINE編集部
オホーツク海を望む絶好のロケーションにある、北海道の網走にある「道の駅 流氷街道網走」の人気土産ランキングTOP8を実食ルポ込みでご紹介します。「マツコの知らない世界」で取り上げられた大人気の「オホーツクの塩ラーメン(つらら)」もランクイン。必食のご当地ソフトクリームからフードコートの人気No.1メニューまで、「道の駅 流氷街道網走」を魅力を現地ルポで余すところなろなくお届けします。
【北海道では連日完売】話題のお土産「生ノースマン」が大丸東京で買えた!1
Nov 3rd, 2022 | Mayumi.W
パイ生地であんこを包んだ北海道銘菓「ノースマン」。お土産としても有名ですよね。今回、そんな「ノースマン」に、生クリームが入った「生ノースマン」が誕生! 大丸札幌店で販売したところ、なんと発売開始3週間で4万個も売れたのだとか。連日完売のお菓子が、2022年11月2日(水)〜11月15日(火)の期間限定で大丸東京店に登場しました。お店の様子や気になるお味をルポします!
【北海道・函館のおすすめ1日観光モデルコース】市電をフル活用!五稜郭タワ
Oct 29th, 2022 | Chika
北海道・函館には、五稜郭タワーや函館朝市、函館山の夜景、金森赤レンガ倉庫など、一度は訪れてみたい観光スポットが充実しています。そして、市電を活用して効率よく函館観光できるって知っていますか? 今回は、市電を使って行ける函館の人気観光地を巡るモデルコースを紹介します。函館旅行の前にぜひチェックしてみてくださいね。
【北海道おすすめ土産】軽やか食感にとうきびの香ばしさがたまらない!「ホリ
Oct 13th, 2022 | Chika
北海道土産としておなじみの「ホリのとうきびチョコ」。商品とトウモロコシの写真が入った黄色いパッケージは、見覚えがある人も多いのではないでしょうか。ほどよい甘さのとうきびと、ホワイトチョコレートの絶妙な味わいが特徴のお菓子。新千歳空港や函館空港など、北海道内の空港はもちろん、道内の観光地やホテル、百貨店などでも購入できます。今回は「ホリのとうきびチョコ」を実食ルポでご紹介。
道産子が教える「日帰り弾丸北海道、秋のソロ活女子旅」モデルコースはこれだ
Oct 9th, 2022 | 渡邊玲子
仕事にプライべートに慌ただしい日々を送る中、「短時間でも広々とした大自然を感じて、おいしいモノを食べてリフレッシュしたい!」という人におすすめなのが、スカイマークで行く「日帰り北海道旅行」。「さすがに1泊しないと無理なのでは?」と思っていたのですが、早朝・深夜発着便を利用することで、リーズナブルかつ充実した旅が気軽に楽しめるんです。今回は、中部国際空港セントレア発で満喫した北海道の絶景&グルメの数々、“道産子”のコーディネーターさんによる日帰り北海道モデルコースをご紹介します!