
メトロマニラは新旧入り混じった巨大都市
フィリピンなら、セブ島やボラカイ島などのビーチリゾートが人気ですが、首都マニラも見逃せません。東京23区よりちょっと広い範囲に1200万人弱の人たちが住む「メトロ・マニラ(マニラ首都圏)」。スペイン植民地時代の要塞や古い教会などの建物も残るイントラムロス、ケソン市は古くからの住宅街、マカティ市は近代的なショッピングエリアといったように、さまざまな顔を持つ巨大都市です。今回は、このごちゃごちゃした街で、豚の丸焼き「レチョン」を食べます。
上の画像は下町にあるカソリック教会「マイナー・バシリカ・オブ・ザ・ブラック・ナザリーン」。カソリックがほとんどを占めるマニラの人たちの信仰の中心です。
レチョンはスペインからやって来た!

「子豚のロースト」を意味する「レチョン」はスペイン語。スペインからやって来た料理です。フィリピン以外でも、元スペイン領の中米の国々などでも同じ名前で、同じように食べられているそうです。
調理法はシンプルにして大胆。串に刺した豚を遠火でゆっくりローストします。フィリピン北部と南部では作り方が少しだけ違うようです。北部では詰め物をせずにローストして甘辛いソースと食べます。南部では香りづけにおなかに詰め物をしてビネガーで食べるそうです。
赤い豚のマークの「ZUBUCHON」へ

レチョン専門店の「ZUBUCHON(ズブチョン)」に出かけました。場所は、マカティの中心部から北へ10分ほど歩いた住宅ビルが建ち並ぶ地域。広い駐車場に大きな平屋の建物赤い豚のマークが目印です。メトロマニラに10店舗を展開する人気店です。
マニラにはレチョンを売る店はほかにもあります。例えばブッフェの中の一品として事前にカットされていたり、お持ち帰りのお店で要予約だったりと、一頭丸ごとはなかなか見られません。このお店では、丸まるのレチョンを見ることができました。

店に入ってすぐ左にガラスに囲われたブースがあって、そこには豚の丸焼きが置かれていて、店員がカットしていきます。ここなら、かなりじっくりと、その技を見ることができます。

尻尾かなという部位なども並んでいました。メニューには「骨付き」と「骨なし」があって、骨付きは背中側のほうが、骨なしのおなか側より脂身が少ないそう。骨なしをオーダーしました。サイズは3つで、2人前のスモールが350フィリピンペソ(約750円)、4人前のミディアムが650フィリピンペソ(約1,400円)、6人前のラージが980フィリピンペソ(約2,000円)です。
店員さんに「2人前って一人じゃ多いんじゃないかな」と聞いてみると、みんな一人で食べてるよとのこと。スモールにしました。

こちらがそのスモール。なかなかのボリュームです。皮がカリッと揚がっていてクリスピーでおいしいし、内側はアッサリと焼きあがっていながらも、ジューシーで旨味もたっぷり。

塩味がしっかりついているので、そのままでもおいしいのですが、チリ、酢、醤油、カラマンシーというスダチのような柑橘系の果汁などで味を変えれば、2人前は全く問題なく堪能できました。ライムとレモングラスのジュース(190フィリピンペソ/約400円)もまた、さっぱりとしてよく合います。
一人でもあきらめない食い意地!

さてこのレチョン、家庭でも作るのか地元の型に聞いてみると、作るそうです。でも、肉はカットされたものを使うそう。丸ごとはお祝いの時に、お店から買ってくると言っていました。
おなかもいっぱいになって、夕日が沈むマニラ湾へ歩きました。。仕事や学校を終えて集まってくる地元の人たちと一緒に、オレンジ色に染まる空を見ながら思い出すのはおいしいレチョン。あきらめずに探してよかったなと思いながら、都会の海辺で平和な時間を過ごしました。
Zubuchon Makati
住所:Ground Floor, Assembly Grounds at The Rise, Malugay Street, Makati, 1203 フィリピン
電話:+63 2 7728 3931
営業時間:10:00~22:00 無休
HP:
https://zubuchon.com/
[All photos by Atsushi Ishiguro]
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Atsushi Ishiguro ライター&フォトグラファー
旅するフードフォトグラファーです。そして、食生活について考えて、レシピを開発して料理もします。「おいしいものをおいしく伝えたい」をテーマに、世界のおいしいものを食べ歩き、写真におさめて、日本で再現し、みなさんと一緒に食べたいというのが、私のビジョンです。
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