ヘルメットの業界で日本メーカーが世界シェアをほぼ独占
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筆者はバイクに乗りませんが(かつて50ccの原動機付自転車には乗っていましたが)、旅先で気持ち良さそうにツーリングする人たちを見かけます。
大きなバイクにまたがって集団で、あるいは単独で車を追い越していくライダーたちは、いかにも自由な旅人といった感じですよね?
そんな人たちの命を守るヘルメット。もちろん値段も品質もピンキリです。ただ、大型のバイクにまたがって高速道路を長距離移動するような人たちの場合は、「プレミアムヘルメット」と呼ばれる高品質のヘルメットを利用する傾向もやはり高いのだとか。
プレミアムヘルメットとは、安全性・機能性・デザイン性が高く、当然お値段も高いヘルメットで、プロのレーサーも使用するくらいのモデルですが、日本メーカーがこの業界の世界シェアをほぼ独占しているのです。
プロの選手もかぶる高品質なヘルメット
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毎日新聞経済部『増補版 日本の技術は世界一』(新潮社)という本が手元にあります。さまざまな分野の世界一を取り上げるこの本の中で、株式会社アライヘルメットが紹介されています。
<昔、帽子屋。今はプロドライバーの友>(『増補版 日本の技術は世界一』より引用)
との言葉があるように、プロドライバー(プロライダー)もかぶる高品質なヘルメットをつくるメーカーです。
この「Arai(アライ)」と、もう1つの日本メーカー「SHOEI(ショウエイ)」を合わるせると、世界のプレミアムヘルメット業界のシェアを8割〜9割近くも日本勢が占めてしまうそう。バイクとは無縁の旅好き読者にはびっくりの話ではないでしょうか。
上述の「Arai」に関しては、もともと帽子屋ながら、軍用や作業用ヘルメットをつくり始め、オートバイ好きだった創業者が戦後にバイク用のヘルメットもつくり始めた歴史があるといいます。1953年(昭和28年)には、公営の川口オートレースに出場するプロ選手たちに日本で初めて商用乗車ヘルメットを供給し始めます。
<60年以上前、日本で初めてバイク用ヘルメットを創ったアライヘルメット>(アライヘルメットの公式サイトより引用)
1976年(昭和51年)には現在の社長が、自社製のヘルメットにアメリカのメーカーのロゴを貼っていたライダーを見かけ、「世界一になってやる」と決意。その決意を現実にしてきた歴史があるそうです。
一部の情報によると、国内シェアでは第1位・世界シェアでは第2位とされています。すごいですよね。
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一方で、世界シェア1位の座を占める企業も日本の株式会社SHOEIです。1959年(昭和34年)に創業ですから、アライヘルメットよりも後発。
しかし、一般用ヘルメット・二輪用のヘルメットを創業後すぐにつくり始め、1回目の東京五輪前後に見られた二輪乗車用ヘルメットの需要の高まりを背景に、国内外で一気にシェアを拡大していったようですね。
1992年(平成4年)に経営面でつまずくものの、見事に回復し、世界トップシェアを獲得するまでに至りました。
要するに、世界のヘルメット市場では、特に高級品でハイエンドモデルのプレミアムヘルメット市場では「Arai」と「SHOEI」が二大メーカーなのですね。
知人のバイク乗りに声を掛けると「アライは武骨な職人気質」「ショーエイはあか抜けたグローバル企業」といったイメージの違いもあると口にしていました。
とはいえ、どちらのメーカーも世界的なレーサー・世界中のライダーに愛されている点では共通です。バイクの旅にまったく縁のない人も、高速道路のサービスエリアなど旅先のどこかでライダーを見掛けたら、ヘルメットに注目してみてはどうでしょうか。
縁遠かったはずのライダーたちの集団に「Arai」「SHOEI」などの文字が見えれば、ちょっとだけ親近感がわくかもしれませんよ。
[参考]
※ 日本が世界シェア9割!? バイク用ヘルメット2大メーカー「SHOEI」「Arai」のルーツとは – 乗りものニュース
※ バイク用ヘルメットを選ぶなら世界一安心と言われるアライ!? メーカーに聞いた、そのこだわり – 価格.comマガジン
※ SHOEI【7839】世界NO.1シェアのプレミアムヘルメットメーカー – バリュートレンド
※ 国内外で高い評価を誇るプレミアムヘルメットのグローバルカンパニーです。 – SHOEI
※ 毎日新聞経済部『増補版 日本の技術は世界一』(新潮社)
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