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【実は日本が世界一】116レーン&幅200m!世界最大のボウリング場は愛知県

Posted by: 坂本正敬
掲載日: Feb 10th, 2022. 更新日: Apr 7th, 2023

日本が誇る意外な世界一を紹介するTABIZINEの連載。新型コロナウイルス感染症の影響もあって、なかなかプレーしにくいかもしれませんが、日本人にとってもなじみ深いスポーツに関する世界一を紹介します。

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ボウリング


世界でもっとも巨大なボウリング場が日本にある

ボウリングの球とピン

突然ですが、ボウリングをやりますか?

ちょっと古い調査ですが、NHK放送文化研究所「日本人の好きなもの データで読む嗜好と価値観」(2008年)によると、「するスポーツ」としてボウリングはNo.1の競技とされています。一方で、ISSP「余暇とスポーツについての国際比較調査」(2007年)によれば、「するスポーツ」として下位に甘んじています。

日本で起きたボウリングのブームは1970年代。日本ボウリング場協会のコメントを紹介したSankeiBizの報道によれば、1970年代に3,697施設あったボウリング場も、2019年(平成31/令和元年)の段階では738施設まで減っているそう。

ピークは過ぎたとの考えは間違いないようです。とはいえ、それほど体力を必要とせず、ほとんど練習しなくても(趣味のレベルで言えば)誰でも参加できる気軽なスポーツである点はやはり魅力的です。

筆者はすごく下手で、スコアが100に届くか届かないかくらいです。しかし、ボウリングブームのど真ん中でプレーを楽しんだという年配の女性から「ピンを狙って投げては駄目。ピンのもっと手前にあるレーン上の印に向かって投げると、うまく倒せる」と聞きました。なんだか、深い話ですよね。この文章を書きながら、無性に子どもたちとボウリングに行きたくなってきました。

歴史をさかのぼれば、ボウリングの起源は紀元前5200年ごろのエジプトに求められるのだとか。直接的には、16世紀のドイツの宗教改革者・マルティン・ルターが競技のルールをつくったともいわれています。

そんな親しみ深いボウリングですが、世界でもっとも大きなボウリング場がどこにあるかといえば、実は日本にあります。名古屋の北東に位置する愛知県稲沢市に「稲沢グランドボウル」というボウリング場があって、ギネス世界記録にもその広さが認定されています。

1フロアに116のレーンがある巨大ボウリング場

稲沢グランドボウルの巨大さは、すさまじいです。1フロアに116のレーンがあり、そのフロアの横幅はほぼ200m(正確には198.39m)に達します。200mといえば、JR新宿駅の5・6番線ホーム先端からJR代々木駅の3・4番ホームの真ん中くらいまでの距離と同じです(路線こそ違いますが)。

極端に言えば、レーンの端から端まで歩くと、都心部だと次の駅に行けてしまうくらいの距離になるのですね。

<The largest bowling alley, Inazawa Grand Bowl bowling centre (Japan), consists of 116 lanes, is 198.39 meters (650.88 ft) in length, and opened on 24 March 1972. >(ギネス世界記録の公式サイトより引用)

上の引用文には、稲沢グランドボウルのオープン日が記載されています。1972年(昭和47年)3月24日。まさにボウリングの一大ブームがやってきた「黄金の」1970年代です。

とはいえ、そもそもの疑問として、宗教改革者・マルティン・ルターが生み出したボウリングは、いつごろ日本に入って、1970年代の絶頂期を迎えたのでしょうか?

その経緯については、百科事典『日本大百科全書(ニッポニカ)』(小学館)や『ブリタニカ国際大百科事典』に詳しいです。

ボウリングのピンを並べる子どもたち
ボウリングのピンを並べる子どもたち

ヨーロッパで盛んになったボウリングは、アメリカに持ち込まれ、日本には江戸時代末期に紹介されました。1861年(文久1年)、長崎の出島に初めてボウリングのレーンが設置されたのだとか。

明治・大正時代には東京・京都などの大都市に設置され、昭和の第二次世界大戦後になると、アメリカ軍の基地内にボウリング場が多くつくられました。

1950年代の初めに全自動式ピンスポッターが世の中に誕生し(それまでは上の写真のようにピンを手で並べていた)、1960年(昭和35年)にその設備が日本にも紹介されると、いよいよブームに火が付き、1964年(昭和39年)に全日本ボウリング協会がつくられます。

この盛り上がりが「黄金の」1970年代の全盛期へと続いていったのですね。世界最大の稲沢グランドボウルもこの1970年代の初めに誕生を迎えました。

世界を巡り巡って、長崎の出島から日本に入り込んできたボウリングの歴史を考えると、ちょっと不思議な感覚ではないでしょうか。今では世界最大のボウリング場が日本にあるのです。

毎日新聞の報道によると、稲沢グランドボウルは2021年1月、抗ウイルス施工のコーティング処理を済ませたそうです。

新型コロナウイルス感染症の影響が終息し、再び自由に旅行が楽しめる時代が戻ったら、愛知へ出かけて、世界最大のボウリング場でプレーを楽しんでみてはいかがでしょうか。自宅待機でなまった運動不足の体を動かすスポーツとして、ボウリングは最適かもしれませんね。

イスラエルのボウリング場
イスラエルのボウリング場 (C) dnaveh / Shutterstock.com

[参考]

Largest bowling alley – Guinness World Records

稲沢グランドボウル – facebook

※ 過当競争によるボウリング場の倒産危い部門の兆候発見と対応策10 – 小林武彦

世界最大116レーンのボウリング場 コロナ感染防止に抗ウイルス施工 愛知・稲沢 – 毎日新聞

<尾張まち物語> 稲沢グランドボウル(1)この一投こそわが人生 – 中日新聞

【公式動画】稲沢グランドボウルをドローンで撮影してみた。 – GRANDBOWL

第58回 スポーツ愛好度の国際比較

ボウリング場の閉鎖相次ぐ レジャー多様化で8割減、新型肺炎も逆風 – SankeiBiz

[All photos by Shutterstock.com]

坂本正敬

Masayoshi Sakamoto 翻訳家/ライター
翻訳家・ライター・編集者。東京生まれ埼玉育ち。成城大学文芸学部芸術学科卒。現在は、家族と富山に在住。小学館〈HugKum〉など、在京の出版社および新聞社の媒体、ならびに〈PATEK PHILIPPE INTERNATIONAL MAGAZINE〉など海外の媒体に日本語と英語で寄稿する。 訳書に〈クールジャパン一般常識〉、著書(TABIZINEライターとの共著)に〈いちばん美しい季節に行きたい 日本の絶景365日〉など。北陸3県のWebマガジン〈HOKUROKU〉(https://hokuroku.media/)創刊編集長。その他、企業や教育機関の広報誌編集長も務める。文筆・編集に関する受賞歴も多数。


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