
よっちゃんの店の店内
人口が増えている沖縄には駄菓子屋が比較的多い
少子化・高齢化・人口減の時代になって、昔ながらの駄菓子屋を取り巻く環境はますます難しいものとなっている昨今。しかし、沖縄県はずっと人口が増え続けていて、子どもの比率も高い特殊な地域なので、まだまだ駄菓子屋もたくさんあるのではないかと期待していました。
事前にインターネットで下調べすると、なかなかの軒数が出てきて良い手応えだったので一安心。その中から、旅程の都合で午前中でも開いているお店を探し、訪ねてみることにしました。駄菓子屋は基本的には放課後の子どもたちを対象としたお店なので、午前中から開けるお店は少数派です。それでもすぐに見つけられるあたり、やはりほかの地域と比べて沖縄の駄菓子屋事情は良い状態なのかもしれません。

「文房具店」という文字が残る
国道58号線を那覇方面から北上し、浦添市から宜野湾市に入ったところにある「大謝名」という交差点を左に曲がると、目的のお店がありました。テントには「駄菓子屋よっちゃんの店」と書かれていて、壁に「文房具店」という文字がうっすら残っています。その色褪せ方がいかにも海辺の街っぽくて、埼玉の者としては、それがとてもうらやましく感じました(笑)。
ご当地駄菓子・アイス・飲み物の宝庫

ずらりと並ぶ駄菓子の中にはご当地駄菓子も
店内に入ると、奥の居住スペースから女性の店主が出てきて出迎えてくれました。駄菓子、飲み物、アイス、クジなど、これぞ駄菓子屋というものが全てそろっています。ご当地駄菓子の「砂糖粉菓子」も発見し、アイスも飲み物もご当地ものばかり。地域性の強さは全国随一な印象です!

ご当地駄菓子の「砂糖粉菓子」
よっちゃんの店は、昭和51年(1976年)に文房具店として創業したそうです。途中から駄菓子も併売して運営していたところ、文房具の仕入元が販路を縮小して取り扱えなくなったため、ほぼ専業の駄菓子屋になり20年ほどたったとのこと。文房具が中心ではなくなったため、屋号を現在の名前に変更したそうなのですが、当時の名残りで近所の方々にはいまだに「ぺんてる」と呼ばれているそうです。

沖縄限定のご当地アイスも発見
「昔はこのへんは何にもなくて、田芋の畑が広がってたんですよ。そうしたら今度は家がたくさん建って、道路が広がって、あっという間に人が増えた。近所の小学校は生徒が増えすぎちゃって、近くに新しく小学校を建てたくらいなんですよ。沖縄は子どもの数は減ってないと思うんだけど、駄菓子を売っているところってコンビニもスーパーもあるから、駄菓子屋に駄菓子を買いに来る子どもは減ったような気がしますよ。でも、子どもの頃からうちに来てた子が親になると、そこの家の子は来てくれるね。親がそう言うからか、『ぺんてるのおばちゃ~ん』って(笑)」

文房具が並ぶ棚
文房具店時代の在庫が安く販売されていて、うちには現役小学生がいるのでいろいろと購入させてもらっていた時のこと。なつかしい貯金箱があったので一緒に買うと、店主が「“ご縁がありますように”ということで入れておきますからね」と5円玉を入れてくれました。店主からしたら、ちょっとした洒落だったのかもしれません。でも、遠くから来た身としては、この上ないあたたかさを感じました。沖縄の昔ながらの駄菓子屋で、買った品物以上の大切なものを受け取った気がします。
よっちゃんの店
住所:沖縄県宜野湾市字宇地泊226
営業時間:9:00~18:00
定休日:不定休
[All photos by Atsushi Miyanaga]

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Atsushi Miyanaga
駄菓子屋いながき店主。1979年生まれ。経営していた学童保育を事業譲渡し、その後、息子と二人で日本一周駄菓子屋巡りの旅へ。超高齢化や後継者不足、利益率の低さなど、店主から語られる昔ながらの駄菓子屋の窮状を知り、なんとかこの文化を未来に繋げられないかと埼玉県加須市に駄菓子屋を開業。発達障害のシングルファザーですが、周囲の助けもありなんとか楽しく生活しています。
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