南海なんば駅 (C) decoplus / Shutterstock.com
明治18年設立「阪堺鉄道」が日本最古の私鉄
【南海電気鉄道の歩み(抜粋)】
1885年(明治18年):阪堺鉄道が設立
1888年(明治21年):難波~堺間が開通
1895年(明治28年):南海鉄道が設立
1898年(明治31年):阪堺鉄道を合併
1903年(明治36年):難波~和歌山市間が全線開通
1909年(明治42年):浪速電車軌道を合併
1915年(大正4年):阪堺電気軌道を合併
1922年(大正11年):大阪高野鉄道と高野大師鉄道を合併
1947年(昭和22年):南海電気鉄道が発足
日本で初めて鉄道が開通したのは新橋~横浜間で、150年前の1872年(明治5年)のこと。この鉄道は今のJRの前身である「国鉄(日本国有鉄道)」で、日本政府が建設した官設鉄道です。
日本全国にはJR以外にも私鉄がたくさん走っていますが、日本民営鉄道協会に加盟する私鉄の中で最も古い歴史を持つのは、今回紹介する大阪の「南海電気鉄道」です。大阪の難波をターミナルに、関西国際空港や和歌山県北部、高野山を結び、地元では「南海」「南海電鉄」などの呼び名で親しまれています。
創業は1885年(明治18年)。前身である阪堺鉄道が難波~大和川間で開通したことに始まり、2022年で創業137年を迎えました。
大阪南部から和歌山北部を網羅
南海電気鉄道の前身である阪堺鉄道は、難波~堺間を結ぶ鉄道の開通を目的に、大阪財界の重鎮ら19人が発起人となってスタートしたプロジェクトでした。当初は「大阪堺間鉄道」と呼んでいましたが、のちに「阪堺鉄道」と改称。創業から3年後の1888年(明治21年)には、難波から堺までの全線が開通しました。
その頃、誕生した「紀泉鉄道」と「紀阪鉄道」が1895年(明治28年)に合併して「南海鉄道」となり、1898年には「阪堺鉄道」の事業も譲り受けることになりました。こうして大阪南部から和歌山北部まで鉄道網が広がり、1903年(明治36年)には難波~和歌山市間の全線開通が実現しました。
その後も、1909年(明治42年)に「浪速電車軌道」を、1915年(大正4年)に「阪堺電気軌道」とそれぞれ合併。1922年(大正11年)には、現在の高野線である「大阪高野鉄道」と「高野大師鉄道」とも合併し、現在の路線はこの頃にほぼ完成となりました。
第二次世界大戦で政府による戦時輸送体制の整備が行われ、南海鉄道は「近畿日本鉄道」と社名が変わるものの、戦後の再編で1947年(昭和22年)に「南海電気鉄道」が発足。
現在では、鉄道・バス・フェリーなどによる交通事業のほか、ショッピングモール、宿泊・レジャー施設の運営、宅地開発など、街づくりと一体となった南海グループを展開するまでに至りました。
南海の施設がCNN「世界で最も美しい空中庭園」に選出!
2003年に国内最大級の複合型都市公園として誕生した「なんばパークス」も、南海電気鉄道が運営する施設の1つ。
南海なんば駅直結のショッピングモールで利便性が高く、階段状に広がる公園「パークスガーデン」の規模や美しさで必見のスポットとなっているのです。
緑・水・光があふれ、そこはまさに都会のオアシス。広さは約1万1,500平方メートルで「なんばの森」とも言われ、約500種類以上もの多種多様な植物が生い茂り、さまざまな鳥類や昆虫の住み家にもなっています。
そのデザイン性の高さと美しさから国内外でも高い評価を受け、アメリカCNN局の『世界で最も美しい空中庭園トップ10』にも選ばれました。
ショッピングの合間に休憩する人や、近くのオフィス街や住宅街などから憩いを求めてやってくる人などでにぎわい、街中の癒やしの空間として愛されている「パークスガーデン」。専属ガーデナーによる1時間ほどのガイドツアーも実施中です。
大阪・難波に立ち寄った際は、ぜひ日本最古の私鉄「南海電気鉄道」のターミナル駅「なんば駅」から、都会のオアシス「パークスガーデン」までの散策を楽しんでみてくださいね。
【参考】
・南海電鉄
・パークスガーデン|なんばパークス
内野 チエ ライター
Webコンテンツ制作会社を経て、フリーに。20歳で第1子を出産後、母・妻・会社員・学生の4役をこなしながら大学を卒業、子どもが好きすぎて保育士と幼稚園教諭の資格を取得、など、いろいろ同時進行するのが得意。教育、子育て、ライフスタイル、ビジネス、旅行など、ジャンルを問わず執筆中。特技はワラビ料理と燻製作り。
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