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【実は日本が世界一】シェア6割!有名ブランドも信頼する「白鳳堂」の化粧筆

Posted by: 坂本正敬
掲載日: Apr 20th, 2022.

日本の世界一を紹介するTABIZINEの連載。今回は、メイクをする人の良き相棒になってくれる化粧グッズで世界一を誇る日本の企業を紹介します。

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化粧をする人
※写真はイメージです。


 


高級な化粧筆の世界シェア60%

メイク用ブラシを持つ人
※写真はイメージです。

旅先であっても化粧は欠かせない、そんなふうに考える日本の女性は多いのではないでしょうか?

チークやアイシャドウを塗る際に使う人は、旅先に携行する化粧ポーチの中にも各種のメイクアップブラシが入っているはずです。チークブラシを中心に、メイクアップブラシを使う人は全体の8割に達するとの調査もあります。

そのブラシ、どこのメーカーのブラシを使っていますか? 化粧品の付属品から100円均一の製品までさまざまなブラシがありますが、中には日本の「白鳳堂」(広島)による化粧筆を使っている人もいるかもしれません。

白鳳堂とは、高級化粧筆の分野で世界シェア60%を誇るとも推測されるメーカーです。ファッション誌などでも掲載されていることがある「熊野筆」を通じて、間接的に知っている人も多いかもしれません。

雑誌『日経ベンチャー』(1999年10月号・日経BP社)での推測のほか、第1回「ものづくり日本大賞」や、毎日新聞経済部による『増補版 日本の技術は世界一』(新潮社)にも、この世界シェア60%の数字は出てきます。

M.A.Cとの契約で世界での知名度が高まる

MACのロゴ
(C) sylv1rob1 / Shutterstock.com

もともと白鳳堂は、1974年(昭和49年)に現・代表取締役社長の髙本和男さんが、広島県の熊野町という筆づくりの産地で立ち上げた会社。熊野町の筆づくりは幕末ごろからの歴史があり、現在は伝統的工芸品にも指定されています。

髙本さんの生家も熊野町で筆づくりの会社をしていたそう。ご自身は学校を卒業後、建設業界を経て一度は家業に入りましたが、書筆や画筆などを手がける家業は兄に任せ、化粧筆をつくるために家業を離れて独立したといいます。

独立当初、国内の化粧品メーカーは化粧筆(メイクアップブラシ)を単なる化粧品の付属品としてしか考えなかったようです。国内流通ルートも市場も存在しなかったため、化粧筆ではなく人形製作用の筆などで食いつないでいたそう。

試行錯誤を続けてチャンスをうかがい、ようやく1981年(昭和56年)に自社ブランド商品として化粧筆の生産に取り組み始めたのです。

化粧品メーカーのブランド付属品として、化粧筆のOEM生産(相手先ブランドによる生産)で売り上げを立てる時代が続きます。その間、メイクアップ・アーティストたちによって、白鳳堂の化粧筆がじわりじわりと広がりを見せていきました。

その下地があった上で、カナダの化粧品メーカー「MAC Cosmetics(マックコスメティックス)」との直接OEM契約を1995年(平成7年)に交わし、世界での存在感が一気に高まります。

このM.A.Cとの契約については、ニューヨーク在住の日本人メイクアップ・アーティスト・安藤広美さんとの出会いも影響しているそう。さらに、M.A.Cの経営者自身もメイクアップ・アーティストだったため、品質の高さを直観的に理解してもらえたようです。

M.A.Cのブランド名で化粧筆づくりが始まると、海外のほかの有名ブランドとの取引も増えていきます。

そうして、海外旅行中の日本人が現地で化粧品を買って、白鳳堂の化粧筆とは知らずに、母国へ持ち帰る動きが見られ始めました。

これら一部の人の口コミも手伝って、ファッション意識の高い日本人の消費者にも知られるようになります。表向きはM.A.Cのブランド名だけれど、日本の白鳳堂がつくっているとの驚きも加わって反響を呼んだようですね。

そうした盛り上がりの中で、クリスチャン ディオール、ランコム、ジバンシイ、アルマーニ ビューティ、国内のアーティストブランドなどと次々と契約を結び、白鳳堂の化粧筆は一般的な認知度を獲得していきました。

肌の上のすべりが全く異なる

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白鳳堂の化粧筆には動物の天然の毛が使われています。ヤギやウマ、ウサギなどの毛先をそのまま筆の毛先に生かしていて、一般的なメイクアップブラシのように毛先をカットして切りそろえません。

伝統的工芸品にも指定される200年近くの歴史を持った熊野町の画筆づくりのノウハウを生かした(あるいは応用した)その化粧筆は、肌の上のすべりがまったく異なるそう。筆者は男性で日常的な違いを体感していませんが、触らせてもらうと確かな違いを感じられます。

化粧筆づくりの工程は多い場合で80以上もあるそうです。白鳳堂はそれらを7~9つの作業に分類し、各分野に精通した集団を組織して、月に50万本近く、2,000種類ものラインアップを世の中に送り続けているといいます。

高い技術力に加え、工程を分化して巧みな人材配置により生産力を向上させたり、さらにコラボ商品づくりで自社ブランドを認知させたりと、一連の取り組みによって世界を相手にしたビジネスで大成功を納めているのですね。

大手ブランドの名前が乗った白鳳堂の化粧筆よりも、白鳳堂の自社ブランドで販売されている化粧筆のほうが買い求めやすい値段で手に入るとの情報もあります。

今度旅行に出る際の相棒として、白鳳堂のメイクアップブラシを買い求めてみてはどうですか? 旅先での朝のメイク時間がより豊かになるかもしれませんよ。

[参考]

白鳳堂

広島県 化粧筆 伝統工芸 筆 – 第1回「ものづくり日本大賞」

白鳳堂、日EU・EPAの効果を実感、今後の事業展開への活用も期待 – JETRO

化粧筆トップシェア・白鳳堂 伝統技術のイノベーション – 事業構想

2020 年版 経済産業省グローバルニッチトップ企業 100 選選定企業集

株式会社白鳳堂 – JapanMade.com

地方でも世界NO.1! – TBS

メイクアップブラシについての意識調査 – リサリサ

[All photos by Shutterstock.com]

坂本正敬

Masayoshi Sakamoto 翻訳家/ライター
1979年東京生まれ、埼玉育ち、富山県在住。成城大学文芸学部芸術学科卒。国内外の媒体に日本語と英語で執筆を行う。北陸3県を舞台にしたウェブメディア『HOKUROKU』の創刊編集長も務める。 https://hokuroku.media/


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