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140年の歴史を紡ぐ最古の動物園「恩賜上野動物園」
【上野動物園の歩み(抜粋)】
1882年(明治15年):農商務省所管の博物館付属施設として開園
1886年(明治19年):宮内省所管となる
1924年(大正13年):皇太子殿下のご成婚で東京市に下賜される
1943年(昭和18年):戦時下による猛獣処分が実施される
1948年(昭和23年):子ども動物園が開園
1972年(昭和47年):ジャイアントパンダの「カンカン」と「ランラン」が来園
2020年(令和2年):「パンダのもり」がオープン
2021年(令和3年):双子のジャイアントパンダ「シャオシャオ」と「レイレイ」が誕生
2022年(令和4年):開園140周年を迎える
JR上野駅から徒歩で約5分のところにある「恩賜上野動物園(以下、上野動物園)」。総面積約14ヘクタールの敷地に、約300種3,000点の動物が飼育されている東京の人気スポットです。
2022年は1882年に上野動物園が誕生してから140年となる節目の年。日本で最初に開園したもっとも古い動物園となります。
天皇から賜ったという意味の「恩賜」上野動物園
1882年(明治15年)に開園した上野動物園は、もともとは農商務省所管の博物館付属施設でした。この博物館は、ウィーンの万国博覧会へ出品するために日本全国から集められた物産を、一般の人々にも公開するためにつくられたもので、当時は日本産の動物や家畜が展示されていました。
1886年(明治19年)に宮内省所管となり、トラやゾウ、ラクダなど、これまで日本では見かけることがなかった外国の動物が展示されるようになり、1924年(大正13年)、皇太子殿下(のちの昭和天皇)がご成婚されたのを記念に、上野動物園は東京市に下賜されました。
そして、この頃から園内設備の大改造が行われるようになり、1932年(昭和7年)には現在のサル山が完成。季節のイベントなども開催されるようになり、人々の憩いの場として、より親しみやすい施設へと発展していきました。
しかし、1943年(昭和18年)。第二次世界大戦下で、設備の故障などによる猛獣の逃亡などが危惧され、クマやライオン、トラ、ゾウが殺処分されるという悲劇が起こりました。そのときの様子を描いた絵本『かわいそうなぞう』(土家由岐雄・作)はあまりにも有名ですよね。
戦争の悲劇を経て、終戦後、「動物園は平和そのものである “Zoo is the Peace”」を合言に復興を目指した上野動物園。1948年(昭和23年)には子ども動物園が開園し、お猿電車が開通。この年、年間入園者は200万人を超えました。
その後も拡張が行われ、モノレールやいそっぷ橋、大水族館(水族爬虫類館)の設置、施設の老朽化に伴う新しい動物舎の建設が進められました。
1972年(昭和47年)には日中国交回復を記念して、ジャイアントパンダの「カンカン」と「ランラン」が来園。パンダを一目見ようと同園を訪れる人が絶えず、年間入園者が700万人を超えるほどの大人気ぶりとなりました。
話題の双子パンダが1歳に!
1970年代以降から、野生動物や地球環境の保全の必要性が世界的に高まり、動物園は希少動物の種の保存も役割のひとつととらえるようになりました。
上野動物園でも、それぞれの動物にとって心地よい環境整備と、繁殖が進められるようになり、2020年(令和2年)9月には中国四川省の生態系をモデルにした「パンダのもり」がオープン。
その翌年、ジャイアントパンダの「リーリー」と「シンシン」の赤ちゃん、双子の「シャオシャオ」と「レイレイ」が誕生しました。
2022年の6月23日(木)は、そんな双子パンダの初めての誕生日。上野動物園では「シャオシャオ・レイレイの1歳を祝う会」が盛大に開かれました。
ジャイアントパンダの母子は現在、人数限定で公開中。公式で観覧の抽選申し込みができますよ。(抽選サイトはこちら)
お母さんのシンシンがやさしく見守る中、じゃれあったり竹をかじったりと愛らしい姿を見せてくれる、双子のシャオシャオとレイレイ。ぬくもりあふれる親子パンダの様子は、戦後の復興で上野動物園の合言葉になった「動物園は平和そのものである “Zoo is the Peace”」を体現するかのようです。
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内野 チエ ライター
Webコンテンツ制作会社を経て、フリーに。20歳で第1子を出産後、母・妻・会社員・学生の4役をこなしながら大学を卒業、子どもが好きすぎて保育士と幼稚園教諭の資格を取得、など、いろいろ同時進行するのが得意。教育、子育て、ライフスタイル、ビジネス、旅行など、ジャンルを問わず執筆中。特技はワラビ料理と燻製作り。
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