西谷2号墓を3号墓から見たところ
「四隅突出型墳丘墓(よすみとっしゅつがたふんきゅうぼ)」は古墳時代よりも前の弥生時代のお墓です。西谷墳墓群は2世紀末から3世紀に築造されたと考えられています。西谷墳墓群のある「西谷の丘」には四隅突出型墳丘墓以外にも古墳(円墳と方墳)が多数あります。
その中でも四隅突出型墳丘墓は6基。1号墓〜4号墓。5号は方墳で「5号墳」ですが、6号墓は四隅突出型墳丘墓です。そして、そこの一群から少し離れたところに最大の9号墓があります。
1号〜6号までは「西谷墳墓群史跡公園・出雲弥生の森」内にあり、気軽に探索することができます。
1号墓は20m前後とされている、この中では最小の四隅突出型墳丘墓です。実際に小さい小山みたいな状態で、とてもかわいらしいです。
西谷1号墓(小さくてかわいい)
2号墓は約46m✕29mで高さが3.5m。葺石で当時の姿に復元されています。上に登ることもできます。そして、内部には展示施設があります(開館時間は9時〜16時30分)。中には当時の弥生人を再現した展示があります。弥生人は2号墓で発見されたガラス腕輪をしています。
西谷2号墓、展示室入り口
3号墓は約52m✕42mで高さが4.5m。島根大学による発掘調査では墳頂部から8つの墓穴が発見されています。中央にある第4埋葬とその隣の第一埋葬は長編6m深さ1mもある墓穴です。8つの墓穴は家族が埋葬されたのではないかと考えられていおり、第4埋葬からは鉄剣、第1埋葬からは大量のアクセサリーが出土したため、男王と女王の墓ではないかと推測されています。
西谷3号墓
第4埋葬の周りには4本の柱の跡があり、何らかの建造物が建っていたのでかもしれません。四隅突出型墳丘墓は今では墳丘の形があるのみですが、本来はなんらかの建物が建っていたと考えると、これが完成形ではないんだと想像が広がります。こちらは縁のみが葺石が復元されています。上に登ることができて、第4埋葬と第一埋葬の木管の場所には印が埋め込まれているのを見ることができます。
4号墓は約47m✕45mm、高さ3.5mの四隅突出型墳丘墓です。この墳墓群の中で最初に見つけられた墳墓です。中学生が拾った土器がきっかけで発見されたということです。2号墓や3号墓に比べると復元の葺石や柵などもなく、一見小山のようです。
そして6号墓は公園内で最も端っこにあり、その姿も半分のみ。我々が行ったときは、かなり草木が生い茂っていて、野に返りかかっていました。
西谷6号墓(ほぼ野に返りつつある)
本当は9号墓まで行きたかったのですが、出雲弥生の森博物館が・・・!楽しい。展示品もさることながら、古代の衣装「貫頭衣」を着たり、復元されたアクセサリーを身につけられたりできます。あと、息子は博物館の中で発掘体験ができる砂場にハマって、発掘体験をずっとしていました。
博物館にて
そんなわけでどんどん時間がなくなり、9号墓へは行かれませんでした。なんの時間が迫っていたかというと、その後我々は島根県を西に移動して津和野から「SLやまぐち号」に乗ったのでした。息子に良かれと思ってお父さんがSLのチケットを取ったにもかかわらず、SLは乗ってしまえばSLが見えないので、息子はず〜っと「9号墓行きたかったね」と、西谷墳墓群のパンフを隅々まで眺めまくっていました・・・。
西谷墳墓群
住所:島根県出雲市大津町2760
[All Photos by Mizutani salucoro]
Mizutani salucoro
イラストレーター/マンガ家
1976年千葉県生まれ。女子美術短期大学卒業。現在は事実婚で一児の母。旅行記エッセイ、自身の結婚・離婚・事実婚にまつわるエッセイの著作が多い。旅行エッセイは『30日間世界一周!(全3巻)』『35日間世界一周!!(全5巻)』など。結婚にまつわるエッセイは『結婚さえできればいいと思っていたけど』『目指せ! 夫婦ツーオペ育児 ふたりで親になるわけで』『どんどん仲良くなる夫婦は、家事をうまく分担している』など。自著では装丁も全て手がけている。趣味の空手は弐段。古墳好き。
夫婦で2年連続ドナーになるという激レアな体験をマンガにした新刊「
骨髄ドナーやりました!」(少年画報社刊)が発売中。
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