
ホイアン市場とナイトマーケットがいい!
15世紀から19世紀にかけて、東南アジアの交易の要港だったホイアン。世界遺産に登録された古い街に、このホイアンマーケットがあります。その壁の色は「ホイアンイエロー。濃いめの黄色が青空に映える街並みです。
そのホイアンの旧市街にあるホイアン市場と、夜になるとオープンする路上のナイトマーケットでおいしいものを食べました。
ホイアンマーケットのフードコートが面白い!

トゥボン川の河畔にあるホイアンマーケットも、冒頭の画像でわかるとおりにホイアンイエロー。川岸には屋台が並んで、魚介や野菜・果物が売られています。建物に入ると、天井が高く、またベトナムらしい真っ赤な旗がたくさん飾られていて雰囲気があります。
バスケットコート2つは入りそうな大きな建物の、手前は肉類のコーナー。その奥の建物の中央部には乾物や調味料などを売る店が並び、さらに反対側のフロアには30以上の食べ物の屋台が入っています。

窓があまりないので、奥のほうはこんな感じで夜のような雰囲気なっています。半調理済みの食材がガラスケースの中に並べられて、その周りにカウンターと椅子。「おかあさん」といった雰囲気の女性たちが「食べていきなさい」と優しく声をかけてくれます。
座ったのはこの「MS. HOA」。どのお店もそうですが、メニューは写真入りで英語の説明もあるので、わかりやすくて助かります。
ベトナムで珍しくコシのある麺「カウラウ」

この屋台が並ぶフロアには、麺類のお店、おかずとご飯のお店、カレーがメインのお店や、生春巻きや春巻きが並ぶお店などいろいろあるんですが、今回のお目当ての食べ物は「カオラウ(またはカウラウ)」です。

具は豚肉をあっさり目の味で煮込んだもの。その煮汁をスープにして、ワンタンの皮を揚げたものものっています。「汁なし麺」といったイメージです。唐辛子のペーストとチリソースはお好みで。
この麺がとってもコシがあるんです。ベトナムの麺といえば米を原料とした柔らかいフォーが有名ですが、カオラウの麺はその対極を行きます。分厚い麺は角が立つほどにバシッとカットされていて、讃岐うどん以上のしっかりとした食感です。

これが市場で売られていたカオラウです。木を燃やした灰で作る「灰汁」を入れて作る麺は、あまりに硬くて折りたためないせいなのか、20㎝ほどです。
ほかの地域ではなかなかお目にかかれない麺なので、ホイアンに行ったらぜひ試してみてください。お値段は50,000ドンなので250円ほどです。
ホイアン市場
住所:19 Trần Phú, Cẩm Châu, Hội An, Quảng Nam, ベトナム
営業時間:月〜日 6:00~22:00
夜になると盛り上がるナイトマーケットでそぞろ歩き

ホイアンの名所と言えばこの「日本橋」。日本人が貿易のために住んだ頃に作ったもので、屋根のある趣のある姿は夜になると灯りに映えて、川面を美しく照らします。

旧市街からトゥボン川にかかる50mくらいの橋を渡った中州にある通りには、夕方から夜10時くらいまでナイトマーケットが開かれて賑やかです。
ホイアンの名物はランタン。夜になれば街中にランタンがともされて、トゥボン川の観光客向けのボートにも飾られます。これはナイトマーケットのランタンを売るお店。小さく折りたためるのでお土産によさそうです。

ほかにもベトナムならではの雑貨を売る店も並んで、店員さんになんだかんだ話しかけながら見て回りました。ベトナムの皆さんは明るくて優しい方が多いように思います。グイグイとセールスをかけてくる人もいないので、ゆったりとした気分で楽しめます。

夜市と言えばやっぱり食べ物もいろいろ。ベトナムのおかず系パンケーキ「バインクオン」や、かき氷のスイーツ「チェー」など、おいしそうなものがたくさん。
バナナの葉っぱ巻おにぎりをデザートに

プラプラと歩いていたら「おにぎり」のようなものが目に入りました。大き目の俵型おにぎりがバナナの葉にくるまれています。よくわからないままに、面白そうなので1ついただくことにしました。

するとなんと、炭火の上で焼き始めたんです。これは、焼きおにぎりということだったのかとなんとなく親しみを感じてしまいました。表面に焼き色がつくまで、まさに焼きおにぎり程度に焼いていきます。でも、醤油を塗ったりはしないのでした。

すると、その焼きおにぎりを4つにちょきちょきとハサミで切って、何やらソースをかけてくれてます。うーんなんだろうと見ていると、さらにいろいろとトッピングしてくれています。

こちらが完成形です。ご飯の上にココナッツクリームとココナッツを削ったもの、ピーナッツ、砂糖と塩をちょっと。これはスイーツです。
食べてみるとおいしい。ご飯の中にバナナが入っています。ベトナム版のおはぎと言ってもいいかもしれません。でも、ご飯はお茶碗に軽く1杯分はあるのでカロリー注意ですが。「チューイ ネップ ヌーン」という名前で、1,000ドンだから50円位でした。
ホイアンならぶらぶら歩くのがおススメ
ホイアンはどこにでも歩いていける距離。急げは半日でも名所を見て回れます。でも、おすすめはゆっくり散歩がてらおいしいものを探すこと。朝早くから夜まで、いろんな街の姿とおいしいものに出会えます。
[All photos by Atsushi Ishiguro]
Atsushi Ishiguro ライター&フォトグラファー
旅するフードフォトグラファーです。そして、食生活について考えて、レシピを開発して料理もします。「おいしいものをおいしく伝えたい」をテーマに、世界のおいしいものを食べ歩き、写真におさめて、日本で再現し、みなさんと一緒に食べたいというのが、私のビジョンです。
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