ストックホルム中央駅から歩いて北の住宅街へ
ストックホルムは14の島からなる都市です。見どころは、ストックホルム中央駅から南側に広がります。今回のお店「Cafe Tranan(カフェ・トラナン)」があるのは北側のVasastan(ヴァーサスタン)という地域。住宅街で公園も多く、ゆっくり散歩するのにいい街並みです。
ストックホルム中央駅から歩いても30分ほどですが、地下鉄を使うならOdenplan(オーデンプラン)駅が便利です。夕方にはサインが灯って、駅の入り口さえ北欧感が出ています。
さて、世界で最も美しい図書館の一つ「ストックホルム市立図書館」もこの地区にあります。吹き抜けの空間に、壁を埋め尽くす本。圧巻です。食事の前に覗いてみました。
創業1929年の人気のCafe Tranan
「Cafe Tranan」がここにオープンしたのは1929年ですから、もう90年以上も前のこと。ニシンのフライといった、当時からのメニューも残っています。古いというと、なにか取っつきにくい印象もあるかもしれませんが、ここはそんなことはありません。地下にはライブスペースもあって、トム・ウェイツや最近ならクレイグ・デイヴィッドなども演奏したそう。お店の人たちもフレンドリーで寛げます。
さて大事な食事ですが、Cafeとはいえ本格的なスウェーデン料理を楽しめるレストランで、地元料理を食べるならここ、とすすめる人も多い人気店です。
ブルックリン・ビールが旨い秘密
ところで、ヨーロッパの多くの国と同様に、スウェーデンの人たちもビール好き。ウェイターにおすすめの一杯を聞くと「ブルックリン・ビールがいいよ」とのこと。「あれ、ブルックリンってアメリカじゃないの?」と聞くと「そうだよ。おいしいからスウェーデンでも人気で、醸造所もできたんだよ」とのこと。Brooklyn Summer Ale(ブルックリン サマーエール)は380mlで84クローナ(約1,000円)です。
もともとはアメリカからボトル詰めしたものを輸入していたそうですが、その後北欧のカールスバーグと一緒に醸造所をオープン。よりおいしいブルックリンビールを楽しめるようになって、ますます人気だそう。
柔らかいタコの素揚げを前菜に!
前菜に選んだのは、「揚げたタコ」。メニューの「スナック」のセクションにあって110クローナ(約1,300円)です。「欧米人はタコは悪魔の生き物だから食べない」という人もいますが、実際にはよく食べられてます。スペインやポルトガルでも、そしてスウェーデンでも。ユダヤ教では食べてはいけないものの一つになっているので、ユダヤ教徒は食べないようです。
このタコは素揚げで、ちょうどいい柔らかさに。オイルと香辛料、パセリ、それにプチトマトの酸味もよく合います。
スウェーデンに来たらこれ!生タマゴも食べます
メインのセクションから選んだのは「ビフ・ライドバーグ」。ウェイターに、せっかくストックホルムに来たら何がいいかな、と聞いたら即答してくれたのがこれ。ビフはビーフ、そしてライドバーグは昔あったホテルの名前です。そのレストランで考案されたこのメニューが人気になって、料理名にもなったそうです。195クローナ(約2,500円)です。
じゃがいもと玉ねぎをフライパンで柔らかくなるまで焼き、牛肉は塩・胡椒で下味をつけて焼いて、仕上げになんと、ほんのちょっとウスターソースをかけます。マスタードベースのソースで食べます。
卵黄を添えて一緒に食べるのですが、これがまたビックリ。たまごを生食するのは日本人くらいだと思っていたからです。そして、これがまたまたよく合います。
合理的な調理法がやっぱり北欧風?
店内の壁から天井には、こんなアートが施されていて自由な雰囲気です。うまくまとまっていてさすが北欧。
それにしてもウスターソースを使うとは。でも、北欧の人たちは合理的と言いますから、なるほどとうなずけます。ゼロから作らなくても、おいしく使える調味料を使ってできれば、それでいいですよね。
住所:Karlbergsvägen 14, 113 27 Stockholm, スウェーデン
電話:+46 8 527 281 00
営業時間:火曜日〜日曜日 17:00〜22:00
HP:http://tranan.se/
[All photos by Atsushi Ishiguro]