「代替」の読み方と意味
「代替」の読み方は、「だいたい」と「だいがえ」の2通り。どちらの読み方も間違いではありません。
意味は、対象となるものに見合う他のもので代わりとすることです。代わりとなるもの自体をさすこともあります。
読み方については、辞書では多くの場合「だいたい」の読み方の項目に意味が掲載されていて、「だいがえ」は「だいたいの口頭語的表現」「だいたいの重箱読み」という解説にとどまっています。このことから、主な読み方は「だいたい」であると判断できそうです。
※重箱読みとは、「重箱」をジュウが音読み、ばこは訓読みで読むように、音読み+訓読みで構成される熟語の読み方です。ちなみに、訓読み+音読みで構成される熟語の読み方は湯桶読みといいます。これは「湯桶」をゆが訓読み、トウは音読みで読むことに由来します。
口頭では「大体」などとの混同を避けるため、あえて「だいがえ」と読むこともあります。したがって、日常生活では「だいたい」と「だいがえ」のどちらを使っても問題なさそうです。
しかし、「だいがえ」読みを誤読だと考える人もいるため、正確な言葉づかいを求められる公の場などでは「だいたい」読みを使うほうが、「間違いだ」と指摘されることがなく、無難でしょう。
飛行機が欠航したので、代替の移動手段として新幹線を選んだ。
「代替」を含む複合語
代替を含む複合語の場合、代替は「だいたい」と読むのが一般的です。どのような言葉があるのか、確認しておきましょう。
代替医学
代替医療
代替エネルギー
代替角膜
代替機
代替刑
代替現実
代替財
代替執行
代替資料
代替的紛争解決
代替投資
代替肉
代替不可能性
代替物
代替フロン
国語講師。都内大学受験塾・カルチャースクールで講師を務める他、書籍執筆、講演、企業研修、三鷹古典サロン裕泉堂の運営などの活動に取り組んでいる。NHK Eテレ『知恵泉』、NHK‐FM『トーキングウィズ松尾堂』など、テレビ・ラジオにも出演。著書に『大人の語彙力が使える順できちんと身につく本』(かんき出版)や、『大人に必要な読解力が正しく身につく本』(だいわ文庫)など多数。