「早急」の読み方と意味
「早急」の読み方は、「さっきゅう」と「そうきゅう」の2通り。どちらの読み方も間違いではありません。
意味は、非常に急ぐこと、極めて差し迫っていること、またそのさまです。
読み方については、辞書では多くの場合「さっきゅう」の読み方の項目に意味が掲載されており、「そうきゅう」は「さっきゅう(早急)に同じ」という解説にとどまっています。このことから、主な読み方は「さっきゅう」であると判断できそうです。
しかし、昨今は「そうきゅう」と読む人が増えているため、日常生活では「さっきゅう」と「そうきゅう」のどちらを使っても問題ないでしょう。ただし正確な言葉づかいを求められる公の場などでは、「さっきゅう」読みを使うほうがより多くの人が違和感なく受け取ることができ、無難でしょう。
早急に今夜の宿を探さなければならない。
「早急」の類義語
「早急」の類義語には、以下のような言葉があります。完全に互換性があるわけではないので、ニュアンスを理解したうえで使い分けましょう。
至急
早急と同様、非常に急ぐことを表す言葉です。さらに強調する場合は、「大」をつけて「大至急」と表現します。
また、メールの件名に「【至急】次回の会議について」というようにつけて、急いでいることを強調する使い方もあります。
大急ぎ
早急と同様、非常に急ぐことを表す言葉です。少し柔らかい表現のため、ビジネスの場では「早急」や「至急」を使うほうがよいでしょう。
緊急
早急や至急と比較すると、より切迫したニュアンスがあります。このままでは命に関わるとか、大きな損害が予想されるといった場合に使われます。
取り急ぎ
急いでいることを表しますが、自分の行動に対して使用します。例えば、送付されたファイルをまだ精査できていないが、受領の連絡だけは先に入れておく」という場合に、「取り急ぎ、資料受領のご連絡まで。」のようにメールすることがあります。
「とりあえず」「ひとまず」「時間がなく、不十分ではあるが」といったニュアンスがあり、場合によっては失礼な印象を与えてしまうこともあるため、使う場面や相手には注意が必要です。
国語講師。都内大学受験塾・カルチャースクールで講師を務める他、書籍執筆、講演、企業研修、三鷹古典サロン裕泉堂の運営などの活動に取り組んでいる。NHK Eテレ『知恵泉』、NHK‐FM『トーキングウィズ松尾堂』など、テレビ・ラジオにも出演。著書に『大人の語彙力が使える順できちんと身につく本』(かんき出版)や、『大人に必要な読解力が正しく身につく本』(だいわ文庫)など多数。