旅人のバイブルともいわれている、沢木耕太郎著『深夜特急』にも登場するアフガニスタン。沢木さんがユーラシア大陸を横断した当時は、まだアフガニスタンには戦乱の予兆はありませんでした。
しかし、残念ながら現在は外務省の海外安全ホームページをみると危険レベル4(退避勧告)となっていて、とても渡航ができる状態ではありません。
そんなアフガニスタンですが、じつは美しい古代遺跡や庭園もあり、治安が安定したらぜひとも訪れてみたいスポットがいくつもあります。今回はそんなアフガニスタンという国の特徴から観光スポットまでを幅広くご紹介。
アフガニスタンってどんな国?
アフガニスタンはユーラシア大陸の内陸国で日本とほぼ同じ緯度にあります。南部は砂漠、そのほかは山岳地帯で年間の雨量が少なく乾燥しています。乾燥した地帯なので、住民は日干しレンガでつくった家に住んでいます。また、さまざまな民族が暮らす多民族国家で、主な言語はパシャトゥーン語、ダリ語。国民の99パーセントはイスラム教徒です。
息をのむ美しさ、バーミヤン州の標高約3000メートルの高地にある「バンデ・アミール」
アフガニスタンのバーミヤン州にある「バンデ・アミール」は6つの湖の総称。砂漠の真珠とたとえられているだけあり、透明でブルーの湖が美しいです。
バーミヤンといえば、タリバンに破壊された仏像があるバーミヤン遺跡が有名ですが、粗削りで美しい自然がある場所でもあるのです。2016年現在はまだテロなどが多発していて、行くことが難しい場所。観光客もほとんどいないそうです。いつかアフガニスタンに平和が訪れたとき、実際に砂漠の真珠を見てみたいものですね。
一度見たら忘れられない光景!シルクロードを行き交う人々を見守り続けた「バーミヤン遺跡」
アフガニスタンに行ったら訪れたい場所“バーミヤン”。そこには長い間、シルクロードを行き交う人々を見守り続けてきたバーミヤン遺跡があります。実際にバーミヤンに行った人たちの記事を読むと、一度行ったら忘れられないほど美しい場所とのこと。
この場所はバーミヤン渓谷の文化的景観と古代遺跡群に加え、自然の織り成す景観によって、ほかでは見ることができない独特の美しさがあります。こんな素晴らしい景観の場所は永遠に大事にしていきたいですよね。
破壊された2体の仏像の姿を再び見ることができる日がくるといいのですが・・・。
アフガニスタンでしか見られない光景かも!?「Qargha Lake」
こちらはカブールにあるQargha Lake。湖の向こうには高い山がそびえたち、小さな遊園地もあります。雄大な景色が目の前に広がっているのに、なぜか不思議と落ち着く雰囲気の場所ですね。この湖ではボートに乗ったり、釣りを楽しむことができるそうです。
こんなチェアに座り、湖と山々を眺めながら熱いお茶を飲んでみたいですね。
首都カブールにある美しい庭園。ムガル帝国初代皇帝「バーブル庭園」
この庭園は16世紀のはじめにムガル帝国初代皇帝バーブル庭園としてつくられました、長い歴史を持つ庭園です。雑草が生え、放置されていましたが、スイスに拠点を置くアガ・カーン文化財団の手で修復や復元が行われ、美しい庭園が蘇りました。いまこの庭園はアフガニスタンの希望の場所になっています。
興味深いトピックが盛りだくさん!アフガニスタンの歴史を見ることができる「カブール国立博物館」
(C)カブール国立博物館
カブール国立博物館は、カブールを見下ろせるバーグバラの宮殿に開設されましたが、現在は市庁舎の中に移転しました。この博物館にはなかなか見ることができないアフガニスタンの歴史がつまった芸術品がたくさんあります。カブールを訪れたら外すことができない場所だと言えますよ。
じつはこの博物館の目玉ともいえる「バクトリアの黄金」をはじめとする収蔵品は、勇敢な博物館職員によってタリバンの破壊から守られた経緯があります。14年もの間、大事に保管されていたのです。その事実を博物館職員は家族にすら明かしませんでした。博物館職員の並々ならぬアフガニスタンの文化&芸術への愛を感じ、胸を打たれる出来事ですね。
2016年4月~6月、古代アフガニスタンの歴史と文化を紹介する国際巡回展で、この宝の一部が東京国立博物館にも展示されました。
[カブール国立博物館]
アフガニスタンの観光地を巡る旅・・・。この国のことを知れば知るほど、興味を惹かれていきました。そう遠くない未来、アフガニスタンにしかない景色や歴史的な遺産をこの目で眺められる日がくることを願っています。
[Photos by Shutterstock.com]
Ayami ライター
フリーライター。劇団員、OL、WEB編集ライターを経て、フリーランスになる。辛い食べ物、東南アジアが大好き。旅するように生きるのが人生の目標。
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