「汎用」の読み方と意味
「汎用」の読み方は、「はんよう」。
「汎」という文字が「平凡」の「凡」に似ているため「汎用」を「ぼんよう」と読む人もいますが、これは誤りです。
意味は、いろいろな方面に広く用いること。同じものをAにも、Bにも、Cにも使うといったように、ある程度「何にでも使う」ことをさします。
また、ある程度何にでも使える様子は「汎用性が高い」とか、「汎用性がある」と表現されます。さらに、異なる機種や用途にも使えるものという意味の「汎用品」や、特定の用途に限定されない人工知能という意味の「汎用AI」など、「汎用」を使った言葉も多くあります。
白いシャツは汎用性が高いので、旅行の際に重宝する。
「汎」のつくことばの読み方
「汎」という漢字には、①水面に浮かぶ、②広く行き渡る、③水があふれる、④英語の接頭辞pan-の音訳(意味は「全」)といった意味があり、読み方もハン・フウ、ホウ、あふ(れる)、あまね(く)、ひろ(い)などさまざまです。ここでは「凡」のつくことばの読み方を紹介します。
汎汎:はんぱん、はんはん
汎愛:はんあい
汎称:はんしょう
汎論:はんろん
広汎:こうはん(「広範」も同じ意味)
汎れる:あふ(れる)
汎く:あまね(く)
汎い:ひろ(い)
国語講師。都内大学受験塾・カルチャースクールで講師を務める他、書籍執筆、講演、企業研修、三鷹古典サロン裕泉堂の運営などの活動に取り組んでいる。NHK Eテレ『知恵泉』、NHK‐FM『トーキングウィズ松尾堂』など、テレビ・ラジオにも出演。著書に『大人の語彙力が使える順できちんと身につく本』(かんき出版)や、『大人に必要な読解力が正しく身につく本』(だいわ文庫)など多数。