「汎用」の正しい読み方と意味、知っていますか?【正しい日本語解説Vol.35】

Posted by: 熊本沙織

掲載日: Feb 2nd, 2023

社会人になると、新しい言葉を使う機会が増えますよね。使い慣れていない言葉を無理に使い、大事な場面で恥をかいてしまった……。なんていう人も少なくないのでは? そこでTABIZINEでは、知っているようで意外と知らない頻出ワードを徹底解説! 今回は、読み方に迷う人が多い「汎用」ということばについて、日本語に関する著書も多数手がけている、国語講師の吉田裕子さんに解説してもらいます。



 

「汎用」の読み方と意味


「汎用」の読み方は、「はんよう」

「汎」という文字が「平凡」の「凡」に似ているため「汎用」を「ぼんよう」と読む人もいますが、これは誤りです

意味は、いろいろな方面に広く用いること。同じものをAにも、Bにも、Cにも使うといったように、ある程度「何にでも使う」ことをさします。

また、ある程度何にでも使える様子は「汎用性が高い」とか、「汎用性がある」と表現されます。さらに、異なる機種や用途にも使えるものという意味の「汎用品」や、特定の用途に限定されない人工知能という意味の「汎用AI」など、「汎用」を使った言葉も多くあります。

【例】
白いシャツは汎用性が高いので、旅行の際に重宝する。

「汎」のつくことばの読み方


「汎」という漢字には、①水面に浮かぶ、②広く行き渡る、③水があふれる、④英語の接頭辞pan-の音訳(意味は「全」)といった意味があり、読み方もハン・フウ、ホウ、あふ(れる)、あまね(く)、ひろ(い)などさまざまです。ここでは「凡」のつくことばの読み方を紹介します。

汎用:はんよう
汎汎:はんぱん、はんはん
汎愛:はんあい
汎称:はんしょう
汎論:はんろん
広汎:こうはん(「広範」も同じ意味)
汎れる:あふ(れる)
汎く:あまね(く)
汎い:ひろ(い)

監修:吉田裕子先生
国語講師。都内大学受験塾・カルチャースクールで講師を務める他、書籍執筆、講演、企業研修、三鷹古典サロン裕泉堂の運営などの活動に取り組んでいる。NHK Eテレ『知恵泉』、NHK‐FM『トーキングウィズ松尾堂』など、テレビ・ラジオにも出演。著書に『大人の語彙力が使える順できちんと身につく本』(かんき出版)や、『大人に必要な読解力が正しく身につく本』(だいわ文庫)など多数。

吉田裕子先生の(株)裕泉堂 公式サイトはこちら

PROFILE

熊本沙織

saori-kumamoto

編集プロダクションと出版社での勤務を経てフリーの編集者・ライターに。ウェブメディア・書籍・雑誌・広報誌などで幅広く活動中。隙あらば航空券をウェブ検索し、旅のプランを練っている旅行好き。自宅に3台のたこ焼き機を所有する関西人。

編集プロダクションと出版社での勤務を経てフリーの編集者・ライターに。ウェブメディア・書籍・雑誌・広報誌などで幅広く活動中。隙あらば航空券をウェブ検索し、旅のプランを練っている旅行好き。自宅に3台のたこ焼き機を所有する関西人。

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