世界最小の国、ヴァチカン市国。キリスト教カトリックの聖地でもあるヴァチカンには巡礼者はもちろん、世界中からたくさんの観光客が足を運びます。筆者も先日ローマ観光と合わせてヴァチカン市国も訪れたのですが、実際に足を運んでみて「これは事前に知っておいてよかった」「事前に知っておきたかった」と感じたことをまとめてみました。
服装に注意
カトリック信者でない人にとってはヴァチカン、サン・ピエトロ大聖堂は「観光地」のひとつかもしれませんが、やはりただの観光スポットではなく神聖な場所です。ミニスカートやキャミソール、ショートパンツなど、肩やひざがでている服装では入場拒否される可能性があります。サン・ピエトロ大聖堂だけではなく、ヴァチカン美術館も同様です。ヴァチカンを訪れる時だけではなく、他の国でも教会や寺院など神聖な場所を訪れる際は気を付けたいポイントですね。
セキュリティーチェックがある
サン・ピエトロ大聖堂、ヴァチカン美術館ともに入場する際にセキュリティチェック(荷物チェックとボディチェックがあります)。要領は空港のセキュリティチェックと同じ。ポケットからカメラや携帯電話などの電子機器を出し、検査機に通すだけです。空港と異なりペットボトルのお水などは持ち込めますが、刃物は持ち込み禁止。旅行中に便利なアーミーナイフなどを持っていると没収されてしまうのでご注意ください。ちなみに、ローマからバチカン市国へ入る際に入国審査はありません。
朝早くに行くのが理想
毎日世界中からたくさんの巡礼者や観光客が足を運ぶヴァチカン。「サン・ピエトロ大聖堂やクーポラの見学は朝早くに行った方がいいよ」と知人に事前に聞いたので、朝早起きして9時前にヴァチカンに到着しました。アドバイス通り、到着時には参拝者や観光客はまばらだったので、全く待つことなくスムーズにクーポラにも登ることができました。ですが、11時頃にクーポラの見学を済ませ地上に降りて来たら、サン・ピエトロ広場が人で溢れかえっていてびっくり! 朝早く行って本当によかったと感じました。時には「クーポラに登るために数時間待ち」なんてこともあるそうなので、できれば朝早くに行くことを強くおすすめします。
美術館は事前予約を
大混雑するのはサン・ピエトロ大聖堂やクーポラだけではなく、ヴァチカン美術館も同じ。ミケランジェロ作の「最後の審判」やラファエロ作の「アテナイの学堂」など、誰もが一度は教科書などで目にしたことがある大傑作が詰まったヴァチカン美術館。時期によっては、予約なしで行くと長蛇の列に数時間並ぶハメになることも・・・。「絶対に訪れたい」という方はインターネットで事前予約して行きましょう。
クーポラに上るには体力が必要
サン・ピエトロ広場とローマの街を一望できる、この素晴らしい景色(上の写真)に出逢えるのはサン・ピエトロ大聖堂のクーポラ(ドーム)の頂上。絶景スポットとして人気のある場所ですが、頂上に辿りつくには長く狭い階段を上る必要があります。途中まで有料エレベーターで登ることができるのですが、それでも300段ちょっとは自力で登る必要があります。エレベーターなしで全部自力で登りきるなら、その階段の数はなんと550段近く! 頂上に着く頃には息が切れ切れになってしまいますが、目に飛び込んでくる美しい景色に思わず心奪われてしまうことでしょう。
水曜日、日曜日に注意
ヴァチカン市国では毎週水曜日に法王謁見、日曜日はミサがあり、大勢の信者の方々で大混雑します。そのため、水曜日、日曜日にヴァチカン観光を予定している方はご注意ください。またヴァチカン美術館は毎月最終日曜日以外、日曜日は休館日にあたります。
事前予習しておくとさらに楽しめる!
ヴァチカン市国は世界有数の美術・芸術の宝庫、そして興味深い歴史を持つ国でもあります。事前に少しでも歴史や所蔵されている数々の作品について予習しておけば、さらに見学を楽しむことができます。また膨大な数のコレクションを所有しているヴァチカン美術館は、すべての作品をじっくりと鑑賞しようと思うと1週間は必要だと言われる程巨大。「せっかく来たのに、見所を見逃してしまった・・・!」なんてことにならないよう、事前にどのフロアに何があるのか、どの作品を見たいのか、などチェックしておくこと時間を有効に使えますよ。
以上楽しいヴァチカン観光のヒントになれば幸いです。
[All Photos by shutterstock.com]
小坂井 真美 ライター
クロアチアの首都ザグレブ在住。現地での色々な仕事の傍ら、フリーライターとしてクロアチアを中心とした南東欧諸国について執筆。趣味は街歩き、食べ歩き、寺歩き、そぞろ歩き。仲間、明るい太陽とおいしいごはんがあれば幸せ。人生は旅。たくさんのモノ・人・土地と出逢いをエネルギーに、日々心の赴くままに邁進中。
【ローマ・ナポリ・プロヴァンス】忘れられない朝食の思い出
Oct 5th, 2023 | ロザンベール葉
TABIZINE10周年を記念して、ライターそれぞれが自由に綴る旅エッセイ。第5回目は、京都在住のロザンベール葉さん。「旅行の際、“食”は最も重要なテーマですよね。朝食、ランチ、ディナーとそれぞれに魅力がありますが、10周年に寄せての今回は、朝食にフォーカスしたいと思います。シンプルな中に、その土地の要素がたっぷり詰まっている朝食。特に忘れられない、イタリアのローマとナポリ、フランス・プロヴァンスの思い出をお届けします」
“動くホテル”で行くリーズナブルな旅!新時代の「クルーズ旅」の魅力とは?
Nov 19th, 2020 | kelly
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的拡散によって、クルーズ業界は多大な影響を受けているのは周知の事実です。が、世界各国のクルーズ会社が運航再開に向けて舵を切っています。そこで今、クルーズ旅の魅力について、改めてご紹介します。
ローマと深い関係が!?トスカーナの中世都市シエナの「白と黒」の謎に迫る【
Mar 15th, 2020 | 川合英介
ローマとフィレンツェの中間にあるトスカーナの中世都市シエナ。この街では白と黒のコンビネーションがとても重要な意味をもっているそうです。例えば、カテドラルに一歩足を踏み入れると、白と黒のストライプに目を奪われます。また、街の至る所で白と黒の紋章が目につきます。なぜ、この白と黒がシエナの街にとって重要なのか、その謎に迫ります。
イタリア旅行で見逃せない!ミケランジェロの神業によって生まれたフィレンツ
Feb 6th, 2020 | 川合英介
フィレンツェの色といえば何色を思いだしますか。多くの人は、大聖堂のドームの屋根の瓦の色、赤茶けたオレンジを思い浮かべるかもしれません。実際、フィレンツェの街を歩いてみると、大理石の色が強く印象に残りました。特に大聖堂の壁は白とピンク、緑の大理石で覆われていて、派手な印象です。今回はフィレンツェでミケランジェロを巡る旅をご紹介します。
知ってた?レモンづくしの街「リモーネ」、名前の由来はレモンというわけでは
Jan 4th, 2020 | 川合英介
イタリア最大の湖、ガルダ湖の西岸にある小さな街、リモーネ。かつてレモン栽培で栄えた街は、レモン博物館を筆頭に、街路表示にレモン、店にはレモンのリキュール、レモンチェッロやレモングッズが並び、まさにレモンづくし。ところが、どうやら名前の由来はレモンではないらしい!?レモンの香に包まれた小さな街の魅力をご紹介します。
旅漫画「バカンスケッチ」【59】これぞ絶景!?
Jul 24th, 2019 | たかさきももこ
“バカンス”を“スケッチ”するちょっとおバカな旅漫画「バカンスケッチ」。今回は、水の都と称されるイタリアの都市、ベネチアでのこと。名物のゴンドラに乗ってはみたものの、ゴンドリエーレさんがイケメン過ぎて、観光できなかったという筆者・・・。そんな経験をしたことは、ありませんか?
旅漫画「バカンスケッチ」【50】人類、永遠の浪漫
May 22nd, 2019 | たかさきももこ
“バカンス”を“スケッチ”するちょっとおバカな旅漫画「バカンスケッチ」。今回もイタリアのポンペイ遺跡でのこと。実は性愛にとても大らかな都だったそうで、お子様には見せられない落書きやフレスコ画があちこちで発掘されているのです。中でも驚愕なのが・・・!?
旅漫画「バカンスケッチ」【49】ダイレクト過ぎやしませんか
May 15th, 2019 | たかさきももこ
“バカンス”を“スケッチ”するちょっとおバカな旅漫画「バカンスケッチ」。今回は、イタリアのポンペイ遺跡でのこと。またもや石畳に彫られた、ダイレクトすぎるある場所への道しるべを発見。思わず赤面しそうになる、その絵とは・・・!
初めて旅した喜び、その後「ヴェネツィアひよわ紀行」作者橘紫夕先生が語る!
May 10th, 2019 | TOSHI
初めて旅した時の喜びにひたれる、すてきな旅行記をご紹介。パスポートも持っていない女性マンガ家と、タレントの女友達がヴェネツィアへ行く「ヴェネツィアひよわ紀行」。今回、作者の橘紫夕先生にインタビュー!旅に出たいけれど迷っている女子、必見です。
まるで夢の世界のよう、シチリア島のチョコレート天国「モディカ」がすごい!
Jan 19th, 2019 | あやみ
イタリア・シチリア島のラグーザ県にある町「モディカ」は、世界遺産としてだけではなく、チョコレート天国としても有名です。モディカにはチョコレートの工房がいくつもあり、夜はメインストリートにチョコレートの露店が軒を連ねていました。