
外出禁止令の背景
フランスでは、2020年2月14日にコロナウイルスによる初めての犠牲者が出ました。それから1カ月後の3月14日には感染者4499人、死者91人。この記事を執筆している3月25日現在の感染者は25,230人、死者1,331人と、瞬く間に感染が拡大。

このような状況により、フランス政府もウイルスを封じ込めるためのさまざまな措置を図っていて、3月14日にはレストランやカフェなどの飲食店、デパートや映画館、ブティックなど主な商業施設の一時的な休業を決定しました。
3月17日正午には外出禁止令が発令され、国民の外出が大幅に制限されることに。
外出しなくてはならないときは?
「テレワークができない人はどうしたら?」「食料品や日用品はネットで買うしかならないの?」「通院する必要がある人は?」と、疑問もわいてくることでしょう。
これは筆者も、もちろん同じでした。国を挙げての外出NGなんて、これまで経験のない出来事ですから!
3月25日現在は「テレワークが不可能かつ必要不可欠な場合の自宅から職場への移動」「許可された施設での必需品の買い物」「遠隔からは行えず延期できない診療・治療。長期的疾患患者の診察・治療」など正当な理由がある場合のみ外出可能。
そして外出するためには、フランス内務省のサイトからダウンロードした証明書(仕事が理由の場合は、出勤証明書も)を携帯する必要があります。
証明書を持たずに外出して警察に捕まった場合、罰金が課せられることになっています。それでも許可書なしに外出する人がいることから、地域によっては夜間の外出禁止令を出したり、違反を繰り返し行った場合は1500ユーロ(約18万円)の罰金が課せられることに。
自由に外出できない状況はいつまで続く?
3月17日にマクロン大統領がテレビ演説で発表した外出禁止令は、少なくとも15日間とのことでした。3月25日のフィリップ首相と仏各省の大臣らによる会見では、外出禁止を含む今の状況が長期化する恐れがあることを示唆しました。
外出禁止令で思うこと

食料品を買いに行くことを目的に、1週間ぶりに外出しました。外の空気を吸い、花々を眺めながら自由に歩きまわれるのは、なんと幸せなことか! 今まで当たり前だったことが、当たり前ではなくなったいま、心からそ思います。
一方、外出を控えるのは大切なことだとも感じています。感染拡大を防ぐために私たちができることは、人との接触を防ぐことです。
医師や看護師、また生活必需品を扱う薬局やスーパーのスタッフなど、自らの命を危険に晒しながら懸命に働いている方々がいるわけで、そんな方々の葛藤や苦悩を思うと、胸が苦しくもなります。
これまで感じたことのない悲しさ、苦しさ、そして虚無感・・・。元どおりの日常がいち早く戻るのを、願うばかりです。
[フランス厚生省]
[gouvernement.fr]
[在マルセイユ日本国総領事館]
[eficiens.com]
[All photos by sweetsholic]
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