英語には存在しない「いただきます」と「ごちそうさま」
みんなで食卓を囲んで「いただきます」と手を合わせてから食事を始め、食べ終わったら、また手を合わせて「ごちそうさま」と感謝の気持ちを表す。小さなころから、礼儀として習慣になっている日本人にとって「いただきます」と「ごちそうさま」は当たり前のあいさつですよね。
ところが、なんと英語にはこの「いただきます」と「ごちそうさま」にあたる言葉がないんです!
今回は「いただきます」「ごちそうさま」に相当する、食事の前後でよく使うフレーズをいっしょに見ていきましょう!
いただきます
日本語の「いただきます」には主に2つの意味があります。1つめは「みんなで一緒に食べましょう。おいしくいただきましょう」という食事のスタートのサインとしての「いただきます」。そして2つめは、食事を用意してくれた人への感謝としての「いただきます」。英語でもこの2つの意味で使われるフレーズがいくつかあります。
食事のスタートのサインとしての「いただきます」
楽しみにしていたレストランでの友達とのごはん。注文が出そろったところでよく聞くのはこちら。
例)Let’s eat!(さあ、食べよう!)
Let’s dig in!(もりもり食べよう!)
また、美食家の国フランスにならってあえてフランス語で
Bon appétit!(ボナペティ=食事を楽しんで!)
と言う人も多くいます。おもしろいことに英語圏でなくとも、ヨーロッパほぼ全域で食事前のあいさつとして通じる無敵フレーズです。
感謝を表わす「いただきます」
海外ホームスティ先などでの食事の際、食事を作ってくれたホストファミリーに「作ってくれてありがとう」という意味での「いただきます」はどう言ったらよいでしょう?
例)That looks good, thank you.(おいしそう!ありがとう。)
It smells delicious. (いいにおいがする!)
上のように「食べるのが楽しみ、おいしそう!」という意味の感想を言うと、作ってくれた人にとってもうれしい一言でしょう。
ごちそうさまでした
「ごちそうさま」も「いただきます」と同様に食事の終わりのサインとしての意味と、作ってくれた人への感謝としての意味、2つの意味で主に使われているため、以下のフレーズを覚えておくと便利でしょう。
例)I am full.(おなかいっぱい。)
I’ve had sufficient. (十分、いただきました。)
Thank you for the meal, that was lovely.(食事をありがとう。とてもおいしかったです。)
日本独特の「いただきます」「ごちそうさま」を気持ちで伝えて
日本では当たり前の「いただきます」と「ごちそうさま」が英語には存在しないということに驚かれたかもしれません。このような言語や習慣の違いから、何気なく使っている「いただきます」と「ごちそうさま」は日本特有の素敵なあいさつだと気づかされます。決まり切ったあいさつのようなフレーズはありませんが、英語でも「いただきます」「ごちそうさま」に近い表現をすることで、食事も一層おいしく楽しい時間になるでしょう!
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