いながきの駄菓子屋探訪46埼玉県白岡市「たばたや」“ペペロンチーノがタワー状態”で几帳面な陳列の店

Posted by: 駄菓子屋いながき 宮永篤史

掲載日: May 22nd, 2021

全国約400軒の駄菓子屋を旅した「駄菓子屋いながき」店主・宮永篤史が、「昔ながらの駄菓子屋を未来に残したい」という思いで、これまで息子とともに訪れた駄菓子屋を紹介します。今回は埼玉県白岡市の「たばたや」です。

いながきの駄菓子屋探訪46埼玉県白岡市たばたや1

駄菓子屋いながきと問屋さんが同じ駄菓子屋

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今回は当方、駄菓子屋いながきがお世話になっている問屋さんに、取引先のお店を教えていただきました。仕入れが同じ場所ということは、置いているものはきっとほぼ同じ。あれが売れる、これが売れない、なんていう同業者としての情報交換もできるのではないかと思い、早速訪ねてみました。
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JR新白岡駅の東口に広がる白岡ニュータウン。その南端にある県立白岡高校のそばに、目的地の「たばたや」がありました。看板に「クリーニング」と書かれており、同じ配色で装飾された窓があるので、クリーニング店との兼業かな?と思わせる外観。ですが、店内に入ると、意外にも駄菓子のみを販売する純駄菓子屋になっていました。

特徴的な陳列方法

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内装が個性的で、杉板の壁に玉砂利が敷かれた床という、和風でおしゃれな造り。売り場が入口側を向いた一面のみでまとまっているからか、どことなく縁日のような雰囲気もあります。陳列は駄菓子屋特有のごちゃつきがない、統一感があってスッキリとした「A型陳列」(※)で、見やすく、手に取りやすく、値段もわかりやすい並び。これは店主のご主人の手によるものだそうで、カゴをかさ上げしている箱の包装紙の折り目までピシッとしており、見えない部分にまで抜かりがありません!

※A型陳列とは、お店の人の几帳面さが垣間見える整えられた駄菓子陳列方法を指す、宮永が勝手に作った造語です。几帳面な人が多いといわれる血液型が由来。ちなみに、たばたやの店主のご主人は、AB型とのことでした(笑)。
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「大人になったらこういうお店をやりたいなあって憧れてた」

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たばたやは昭和60年(1985年)ごろに店主が創業し、店名はこの地区の古い名称から取ったとのこと。5年ほど駄菓子屋として営業したのち、クリーニング店に転業。その後、再び駄菓子屋に転業することになり、大工である店主の弟さんが内装を整えて現在のかたちになったそうです。白岡高校の生徒の利用が多く、「高校生は大量に食べるから、常にこのくらい在庫しておかないと(笑)」ということで、陳列棚にあるペペロンチーノはタワー状態になっていました。
いながきの駄菓子屋探訪46埼玉県白岡市たばたや7
「私が子どものころ住んでいた家の近くに、お年寄りがひとりでやってる駄菓子屋というか、雑貨店があったんですよ。そこにずっと通っていて、大人になったらこういうお店をやりたいなあって憧れてたんです。だから家を建てるときにこのスペースを作って、夢を叶えました(笑)。クリーニング屋からまた戻したのも、やっぱり駄菓子屋への思い入れが心のどこかにあるからだし、好きだからですよね。子どもたちが成長していく姿を見られるのがこの商売の素敵なところ。小学校を卒業してしばらく来なかった子が、高校生とか大学生になって『おばちゃん、覚えてる?』って来てくれたりすると、うれしいね」
いながきの駄菓子屋探訪46埼玉県白岡市たばたや8
東側の壁に、小学生が書いた1枚の手紙が貼ってあります。丁寧に書かれた文字と、想いのこもった文章。きれいにラミネートされ、10年以上飾られていることからは、受け取った店主の気持ちが伝わります。ここはどんな人が運営している、どんなお店なのか。それだけですべてがわかるような気がしました。子どもたちとの人間関係づくりのお手本として学びの多いたばたや。定期的に通うお店のひとつになりそうです。
いながきの駄菓子屋探訪46埼玉県白岡市たばたや9

たばたや
住所:埼玉県白岡市高岩2017-6
営業時間:13:00~19:00
定休日:日曜日

[All photos by Atsushi Miyanaga]

PROFILE

駄菓子屋いながき 宮永篤史

Atsushi Miyanaga

駄菓子屋いながき店主。1979年生まれ。経営していた学童保育を事業譲渡し、その後、息子と二人で日本一周駄菓子屋巡りの旅へ。超高齢化や後継者不足、利益率の低さなど、店主から語られる昔ながらの駄菓子屋の窮状を知り、なんとかこの文化を未来に繋げられないかと埼玉県加須市に駄菓子屋を開業。発達障害のシングルファザーですが、周囲の助けもありなんとか楽しく生活しています。

駄菓子屋いながき店主。1979年生まれ。経営していた学童保育を事業譲渡し、その後、息子と二人で日本一周駄菓子屋巡りの旅へ。超高齢化や後継者不足、利益率の低さなど、店主から語られる昔ながらの駄菓子屋の窮状を知り、なんとかこの文化を未来に繋げられないかと埼玉県加須市に駄菓子屋を開業。発達障害のシングルファザーですが、周囲の助けもありなんとか楽しく生活しています。

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