
お客さんが教えてくれた地元の店
遠方からご家族で駄菓子屋いながきに遊びに来てくれたお客さん(小学4年生)が、「自分がいつも遊びに行っている駄菓子屋に来てほしい」と、地元のお店数軒を詳しく教えてくれました。普段は自分で探して勝手に行っているだけなので、こういったリクエストはとても新鮮!少年の熱い眼差しに応えるべく、早速訪ねてみました。
栃木県下野市は、宇都宮市の南側にある自治体。自分の店がある加須市からは60km以上離れていて結構時間がかかったので、「ずいぶん遠くから来てくれてたんだなぁ」と、場所を教えてれたご家族に感謝の気持ちが湧いてきます。カーナビの案内通りに向かうと、一軒一軒の敷地が広めな、閑静な住宅街に着きました。

パッと見は普通の住宅で、目印はA型看板のみ。「Handmade Sango-Papa 食べられないケーキ屋さん」とあり、駄菓子屋とはどこにも書いていません。雑貨屋さんだったらどうしよう・・・と不安になったものの、入り口のドアを開けると驚きの空間が広がっていました。

「食べられないケーキ」を販売するお店として創業

10畳ほどの空間に駄菓子や飲料、ゲーム機や古書、雑貨類といった物が圧倒的な量でひしめき合う店内。何かを見ていると別のものが視界に入ってくる現象が連鎖するので、目が滑るような感覚になります(笑)。しかし、よく見るとどれも丁寧に陳列されていて、一見ごちゃついているようですが、実は整っている状態。応対してくれた店主の井ノ上さんに尋ねると、几帳面な性格だという旦那さんが担当しているとのことでした。

ショーケースに並んでいるスイーツはすべて井ノ上さんの手芸作品で、Sango-Papa(サンゴパパ)は、フェルトで作ったこれらの「食べられないケーキ」を販売するお店として2008年(平成20年)に創業。娘さんの友達がよく遊びに来ていたので、それなら子どもたちも集まれる店にしようと駄菓子を置き始め、現在のかたちになったそうです。店名は井ノ上さんの父「三吾(さんご)」さんの名前から取ったとのこと。

「好き」で埋め尽くされてるのが楽しい

「私は、好きなものが多いんですよ。駄菓子はもちろん、食品サンプルや昭和レトログッズなどなど・・・自分の好きなものを全部詰め込んだらこんな店になりました(笑)。趣味の延長で始めたことですから、やっぱり『好き』で埋め尽くされてるのが楽しいですよ。くじ引きも好きなので、狭い店ですが、たくさん置いています」

「駄菓子屋って部活が始まる中学生くらいになると卒業していっちゃうものなんですけど、うちは卒業証書まで渡してるのにみんな来続けるんですよ(笑)。なのでその子たちが、その子たちの子ども、二世代目を連れてきてくれるようになる日が楽しみです」

お話を伺っている間も、「やった!今日はやってる!」と言いながら、お客さんがどんどん集まってきます。営業している喜びが口から出てしまう、子どもたちのそんな姿から、お店の愛され方が垣間見えました。思えば昔ながらの駄菓子屋は、住宅街の一角で、看板もなく、自宅の一部を使って営まれているお店が多いもの。Sango-Papaは数十年後、「住宅街にある昔ながらの駄菓子屋」と呼ばれている未来がありそうです。

Sango-Papa(サンゴパパ)
住所:栃木県下野市下古山2-3-10
電話:0285-53-6824
営業時間:平日15:00〜19:00、土日祝11:00〜19:00
定休日:不定休
※不定休ですが、コロナの影響でお休みにする日が以前より多くなっているとのこと。来店の際は事前に電話で確認することをお勧めします。
[All photos by Atsushi Miyanaga]

Atsushi Miyanaga
駄菓子屋いながき店主。1979年生まれ。経営していた学童保育を事業譲渡し、その後、息子と二人で日本一周駄菓子屋巡りの旅へ。超高齢化や後継者不足、利益率の低さなど、店主から語られる昔ながらの駄菓子屋の窮状を知り、なんとかこの文化を未来に繋げられないかと埼玉県加須市に駄菓子屋を開業。発達障害のシングルファザーですが、周囲の助けもありなんとか楽しく生活しています。
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