
中富良野駅前、中学校や小学校の近くの好立地
富良野という名前から連想するのは、まずはラベンダー畑や、テレビドラマ「北の国から」。そしてワインやスキー場、十勝岳に野湯・吹上温泉、キャプテン翼の松山光などなど枚挙にいとまがありません。今回はそんな北海道の観光地、富良野にある昔ながらの駄菓子屋を訪ねました。新千歳空港から北東に約130km、車で2時間半ほどの旅路です。

国道237号線を走っていると、中富良野駅の近くに、茶色の外壁と青い切文字の店名表示が特徴的な「福島商店」がありました。商店が立ち並んでいる地区のど真ん中で、中学校のすぐそば。さらに小学校も近くにあり、子どもたちが集まりやすそうな立地です。

入り口に貼られた無数のペコちゃんが出迎えてくれる店内は、とてもコンパクト。入って正面にタバコや切手、封筒やレジが置かれたカウンター、南側の壁が駄菓子の棚になっていました。どんぐりガムのケースを再利用した統一感のある陳列は、見やすくも取りやすくもあり、買い物する人への気づかいを感じます。「売ってるものは東京のほうと変わらないでしょう?写真撮ったってしょうがないよ(笑)」とツッコまれましたが、いえいえ、陳列方法を観察するのも面白いんです!

大正11年創業、来年で100周年
福島商店は、元々は富山県から移住してきた店主の義理の両親が始めた食料品店・雑貨店で、創業は大正11年(1922年)。なんと来年で100周年だそうです!自宅を建て替えた20年ほど前に現在のレイアウトとなり、ほぼ専業の駄菓子屋になったとのこと。
「学校が近いので、学用品がよく売れた時代がありました。今は駄菓子と、常連さん用にタバコがちょっとあるだけだし、人の数も少ないので、商売としては成立してないですよ(笑)。いつ辞めてもいいって思うんだけど、子どもたちは『ここがなくなったら、行くところがなくなっちゃうから辞めないで』って言うんですよ。かわいいなあと思ってね。だから、できる限り続けたいと思います。ボケ防止のために、なるべく暗算。中学生からは『電卓を使え』とおちょくられてますが、楽しくやってますよ」

お話を聞けば聞くほど、子どもたちへの愛情のみを礎に運営していることが伝わってくる福島商店。周辺には富良野と付く自治体が4つありますが、(上富良野町、中富良野町、富良野市、南富良野町)全部含めても、駄菓子屋はここ1軒だけになってしまったそうです。「『富良野唯一の駄菓子屋』というのもちょっと寂しいけど、『富良野最後の駄菓子屋』にはなりたくないから、新しく始める人が出てきてくれるといいんだけどな~」と、店主は次の世代の登場を待ち望んでいました。

福島商店
住所:北海道空知郡中富良野町南町7-1
営業時間:6:00〜19:00
定休日:不定休
[All photos by Atsushi Miyanaga]

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Atsushi Miyanaga
駄菓子屋いながき店主。1979年生まれ。経営していた学童保育を事業譲渡し、その後、息子と二人で日本一周駄菓子屋巡りの旅へ。超高齢化や後継者不足、利益率の低さなど、店主から語られる昔ながらの駄菓子屋の窮状を知り、なんとかこの文化を未来に繋げられないかと埼玉県加須市に駄菓子屋を開業。発達障害のシングルファザーですが、周囲の助けもありなんとか楽しく生活しています。
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