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この時代だからこそ、心の不調、病気について語る
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物質的には豊かに、便利な時代になった現代だからこそ、体だけでなく心の健康が大切という認識が広く浸透してきた21世紀。その一方で、勢いを増すネット社会、度重なる地震などの天災、そして2020年からのコロナ禍と、さまざまな原因で心の不調を感じている人も多いことでしょう。
皇后雅子さまは、長く適応障害と向き合って公務をこなしていらっしゃることも報道されています。つい最近では、女優の深田恭子さんも適応障害で休養を発表、またテニス選手の大坂なおみさんも、うつ病の経験と全仏オープンの辞退を発表したばかりです。
今回は、適応障害、うつなどの精神疾患に関するワードや、会話の中で気をつけたい言い回しなどをご紹介します。
鬱(うつ)
英語で鬱という病名はDepressionと言います。
例)I am suffering from depression.
私はうつ病を患っています。
I am depressed.
私はうつです。
日本語での会話でも同様ですが、実際に診断された疾患としての「うつ」と、気分が落ち込んでいる際の「うつ」の区別が難しいことがあります。「うつ病」ではなく「気分が落ち込んでいる」の場合はFeelを使うとわかりやすくなります。
例)Are you feeling depressed?
落ち込んでいるの?
また、depressed(落ち込んでいる)のかわりにBlueやDownを使うこともできます。
ニュースでよく聞く精神疾患を表す英単語
ニュースなどでよく聞く精神疾患で「○○障害」という場合は、ほぼ必ず○○ Disorderと表現されます。
心的外傷後ストレス障害(PTSD) Post Traumatic Stress Disorder
摂食障害 Eating disorder
また映画や歌の歌詞などで聞いたことがある人も多い不眠症は、Insomnia (インソムニア)といいます。
「精神疾患がある」ってどう表現する?
職場やお友達と「○○さんて、精神疾患(精神病)があるんだって。」というようなことが話題になることも増えてきているかもしれません。そんなとき、失礼でない、配慮のある表現方法とは?
精神の「病気」ということでMental diseaseを使いたくなるかと思いますが、精神疾患、精神病はMental illness と言います。
ただし、友達や家族、同僚など自分以外の人の精神疾患の話をする場合はillness(病気)という言い方は避け、Mental issue(s) (精神の問題)もしくはMental conditions(精神的な条件)と表現することが多くあります。これは、詳細を知らない自分がMental illness(精神疾患)と決めつけて、当事者を傷つけることがないようにという配慮からです。
例)Mr. Smith had a long-term mental issue when he was young. But he is better now.
スミスさんは若いころは、長く精神疾患があったんだけど、今はもう大丈夫みたい。
精神疾患ではない「病んでいる」は?
精神疾患という医学的な意味ではなく「○○さんは病んでいる」と言いたい場合はなんて言う?
例)My sister is not mentally well.
私の妹は精神的に病んでいる。
Mentally(精神的に)は精神状態を伝えるときにはとても便利でMentally strong(精神的に強い), Mentally mature(精神的に大人だ)などと応用が利きます。
また、ほかにも実際にどう病んでいるのかを具体的に表現することもできます。
Moody 不機嫌な(機嫌にむらがあるという意味ですが、不機嫌な場合によく使われます)
Insecure 精神的に不安定な、もろい
Obsessed 固執する
有名人に限らず、自分の周りにもメンタルの不調を抱えているという人が思いがけずたくさんいることを忘れずに、メンタルヘルスに関する話題は、思いやりを持って進めていきましょう。
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