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いながきの駄菓子屋探訪70・100均から駄菓子屋になった「あ~るじゃん」

Posted by: 駄菓子屋いながき 宮永篤史
掲載日: Nov 20th, 2021. 更新日: Dec 14th, 2022

全国約400軒の駄菓子屋を旅した「駄菓子屋いながき」店主・宮永篤史が、「昔ながらの駄菓子屋を未来に残したい」という思いで、これまで息子とともに訪れた駄菓子屋を紹介します。今回は北海道江別市の「あ~るじゃん」です。

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札幌郊外の住宅地にある目立つ店

札幌市の東側にあり、北広島市や千歳市などとともに、札幌都市圏を形成する江別市。実際に行ってみると、幹線道路沿いにたくさんの大手チェーン店が立ち並び、石狩川のそばまで住宅街が続く、穏やかな郊外の街でした(石狩川を越えると急に広大な農地)。住宅街には駄菓子屋がつきもの。JR野幌駅の近くに駄菓子屋があるという情報を見つけたので、訪ねてみました。
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国道12号線、野幌町の交差点を野幌駅方面に曲がってすぐのところにある、サーモンピンク色の建物。1階に「だがしや あ~るじゃん」という看板がかかっているお店があり、ひと目でそれとわかりました。「だがしや」と書かれた、日除けになっている大きな暖簾も印象的です。

店主が作った手芸品も販売

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店内は見通しが良く、中央が低め、壁側は高めという棚の配置。レジカウンターから全体を見渡せる、考えられた構成です。陳列もきれいに整っていて、駄菓子屋っぽいごちゃつきがありません。どんぐりガムの空き容器を再利用した棚は、なんと11段積み! これまで見てきたこの陳列方法のお店の中では、ナンバーワンの高さです。
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特徴的なのは、店主が作った帽子や服、手芸品が販売されている点。「ただの趣味です(笑)」とのことでしたが、年代物の足踏みミシンは完璧に手入れされていてピカピカ。よく切れそうなハサミや、使い込まれた小道具からも、趣味にとどまらない、職人の気質を感じました。
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100円ショップとして創業、子どもの声をきっかけに駄菓子屋に

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あ~るじゃんは平成2年(1990年)ごろ、当時はまだ珍しかった100円ショップとして創業。その後クリーニング店兼駄菓子屋に転業し、現在は駄菓子屋兼、店主が趣味に没頭できる作業場になっているそうです。店名は、「ここにお店があるじゃん」という言葉が由来とのこと。
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駄菓子を置き始めたきっかけは、100均時代に来店した近所の男の子。「お菓子も置いてあったらいいのに」という何気ない一言にピンときて、検討し始めたんだそうです。男の子はもう大人になっていますが、人生を変えてくれたお客さんとして、今でも付き合いがあるんだとか。

子どもたちや地域社会への店主の思い

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「長いこと店をやってますけど、30年で子どもたちの様子がずいぶん変わったなと感じます。計算ができないとか、一人で買い物に来られないとか。悪いほうの変化が目立っちゃうね(笑)。でも、そういう細かい部分の積み重ねが、街全体の人の質を作ってると思うんです。だから、江別が良い街であり続けられるように、子どもたちには駄菓子屋を通じて『がんばって!』と言い続けたいです」
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電卓を子どもに向けたまま逆側から打っていき、金額をひとつひとつ伝えながら会計する店主。その姿に、子どもたち、そしてその向こう側にある地域社会への思いが垣間見えました。あ〜るじゃんは、買い物を通じて教養を与えてくれる場所。信頼は厚く、子どもから大人まで、幅広い層が絶えず来店するにぎやかなお店でした。
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あ~るじゃん
住所:北海道江別市野幌町27-1旭通りシャトウヨシダ1階
営業時間:12:00〜18:00
定休日:日・祝

[All photos by Atsushi Miyanaga]

駄菓子屋いながき 宮永篤史

Atsushi Miyanaga
駄菓子屋いながき店主。1979年生まれ。経営していた学童保育を事業譲渡し、その後、息子と二人で日本一周駄菓子屋巡りの旅へ。超高齢化や後継者不足、利益率の低さなど、店主から語られる昔ながらの駄菓子屋の窮状を知り、なんとかこの文化を未来に繋げられないかと埼玉県加須市に駄菓子屋を開業。発達障害のシングルファザーですが、周囲の助けもありなんとか楽しく生活しています。


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