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いながきの駄菓子屋探訪72 他人の店を引き継いだ旭川市「駄菓子店きしだ」

Posted by: 駄菓子屋いながき 宮永篤史
掲載日: Dec 11th, 2021. 更新日: Dec 14th, 2022

全国約400軒の駄菓子屋を旅した「駄菓子屋いながき」店主・宮永篤史が、「昔ながらの駄菓子屋を未来に残したい」という思いで、これまで息子とともに訪れた駄菓子屋を紹介します。今回は、他人から引き継いだ駄菓子屋とクリーニング店を兼業する北海道旭川市の「駄菓子店きしだ」です。

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クリーニング店と兼業の駄菓子屋

北海道第2の都市、旭川市。旭川駅から南東へ3kmほど行ったところにある住宅街、東光地区で、クリーニング店と兼業の駄菓子屋を見つけることができました。子どもの頃に自分が通っていた駄菓子屋の中で、最も家から近かったのは、この組み合わせ。懐かしさ、うれしさとともに、たくさんの思い出が蘇ってきます。
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北海道の街中の交差点は、進行方向によって名前が違うので旅人は非常に混乱するのですが(笑)、東光4条2丁目と書かれた、信号のある交差点の角にお店があります。間口が広く、入り口がたくさんあるように見えますが、開いているのは左側だけ。お店に入ると左半分が駄菓子売り場で、右側がクリーニングの受付になっていました。

北海道のご当地おやつ、「ビタミンカステーラ」も

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コの字に配置された棚には、ほとんどの駄菓子が元箱のまま陳列されています。きれいに整っていて、品物がたくさんあるのにスッキリとした印象。おもちゃやくじ引き、冷蔵庫には飲料もあり、駄菓子屋らしい構えです。北海道のご当地おやつ、「ビタミンカステーラ」も販売されていて、「牛乳と一緒に食べるのが良いですよ、パサパサなので(笑)」とのアドバイスをいただきました。

店主の名は「きしだ」ではない

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「駄菓子店きしだ」という店名ですが、店主の名字は湯浅さん。不思議に思いましたが、お店の成り立ちを伺うと、とても興味深いエピソードを聞くことができました。駄菓子店きしだは元々、岸田さんというおばあちゃんがこの場所で長らく運営していた、地区に唯一残っていた駄菓子屋。平成19年(2007年)ごろ、岸田さんはお子さんたちと暮らすため、物件を売却して転居することになったそうです。それを購入したのが、湯浅さんのお姉さん夫婦だったとのこと。
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引き渡しの際、「今まで来てくれてた子どもたちのこともあるから、駄菓子屋も引き継いでくれない?」と岸田さんに打診されたお姉さん夫婦。湯浅さんはその話を聞き、駄菓子屋に特に思い入れはなかったものの、「時間に余裕があったので」と、ご自身で引き受けることにしたそうです。

駄菓子屋だからこそ感じられるやりがいがある

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「子どもの頃に駄菓子屋に通ってたとか、そういうのもなかったので、まったく感覚がつかめなくて最初は大変でした。初日は、来た人みんなに『誰なの?』と言われましたよ(笑)。常連の子たちがいろいろ教えてくれたおかげで、なんとかなった感じです。子どもたちの成長を感じたり、頼られたり、感謝されたり……駄菓子屋だからこそ感じられるやりがいがあって、楽しい仕事ですよね、駄菓子屋って」
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駄菓子屋を継いだあと、近所のクリーニング店が閉店することに。その際も「引き継いでもらえないか」と相談され、引き受けて現在の業態になったそうです。物腰が柔らかく、言葉の使い方もとても丁寧で、何でも受け止めてくれそうな湯浅さん。さまざまなお話が舞い込んでくるのも、なんとなくわかる気がします。駄菓子屋は、家族間でも継業することがあまりない業界。駄菓子店きしだはそんな中、まったくの他人が引き継いだという、貴重な経緯を持ったお店でした。
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駄菓子店きしだ

  • 住所:北海道旭川市東光4条2丁目3-12
  • 営業時間:月~土10:00~18:00、日祝13:00~17:00
  • 定休日:不定休

[All photos by Atsushi Miyanaga]

駄菓子屋いながき 宮永篤史

Atsushi Miyanaga
駄菓子屋いながき店主。1979年生まれ。経営していた学童保育を事業譲渡し、その後、息子と二人で日本一周駄菓子屋巡りの旅へ。超高齢化や後継者不足、利益率の低さなど、店主から語られる昔ながらの駄菓子屋の窮状を知り、なんとかこの文化を未来に繋げられないかと埼玉県加須市に駄菓子屋を開業。発達障害のシングルファザーですが、周囲の助けもありなんとか楽しく生活しています。


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