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いながきの駄菓子屋探訪74|2021年12月30日に歴史を閉じる豊橋市「オザワ屋」

Posted by: 駄菓子屋いながき 宮永篤史
掲載日: Dec 25th, 2021.

全国約400軒の駄菓子屋を旅した「駄菓子屋いながき」店主・宮永篤史が、「昔ながらの駄菓子屋を未来に残したい」という思いで、これまで息子とともに訪れた駄菓子屋を紹介します。今回は、50年以上の歴史を持ちながら、2021年12月30日で閉店する愛知県豊橋市の「オザワ屋」です。

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いながきの駄菓子屋探訪74オザワ屋1


 


宝くじ売り場と兼業の駄菓子屋

愛知県豊橋市にある「オザワ屋」は、50年以上も地域の人々に愛され続けてきた駄菓子屋。2021年12月上旬、以前訪ねたことをSNSに載せたところ、地元の方から「店主夫妻が高齢のため、12月30日で閉店する」という情報をいただきました。後継者がいないことの多い業界なので、この流れは仕方のない部分もありますが、せめてその姿を記録に残したいと思い、3年ぶりに訪ねてきました。
いながきの駄菓子屋探訪74オザワ屋2
豊橋市は愛知県東部の自治体。東隣には静岡県湖西市がある、県境の街です。JR豊橋駅から伸びる路面電車、豊鉄市内線の井原停留場から住宅街を朝倉川へ向かって歩いていくと、大きな黄色いテントのオザワ屋が見えてきます。

外観からもわかる通り、こちらは宝くじ売り場と兼業の駄菓子屋。今まで訪ねたお店でこの組み合わせだったのはオザワ屋と、以前紹介した宮崎県都城市の「坂元商店」の2軒だけなので、かなり珍しい兼業スタイルです。

ひと桁から億までの金額が入り乱れる独特の世界

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店内はカウンターの位置と形が特徴的で、広いフロアがクランク状にレイアウトされています。入って右側に、「駄菓子」と「駄菓子専用の会計カウンター」があり、中央は宝くじ売り場。左側は、元々はミニ水族館で、現在はスクラッチ式の宝くじを削ったり、駄菓子のくじをめくったりと、多目的に使えるスペースになっていました。
いながきの駄菓子屋探訪74オザワ屋4
駄菓子売り場には、子どもたちが絶えず来店。宝くじ売り場には大人が次々とやってきます。「これは10億円のね。こっちは5,000万円」「それは30円。消費税も3円かかるからね」経営する小澤さんご夫妻の優しい声色とともに、ひと桁から億までの幅広い単位の金額が聞こえてくる、なかなかに独特な世界。唯一無二の光景です。
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楽しかったので50年があっという間

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オザワ屋は昭和43年(1968年)に駄菓子屋として創業し、昭和49年(1974年)に現在の場所へ移転。当初は光子さんのみで運営し、昭和55年(1980年)ごろに正久さんも店頭に立つようになったそうです。タバコの販売者組合の関連事業で宝くじを取り扱うようになり、日用品の販売や駄菓子屋ゲーセンを兼ねていた時代を経て、現在の姿に。
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「生活していくために必死でがんばってきた、というだけなので、期待に添えず申し訳ないですが、思い返してもいろんなエピソードがポンポン出てくるわけではありませんね(笑)。でも、とにかく、皆さんのおかげで楽しかった。楽しかったので50年があっという間に過ぎてしまいました。80代になってさすがに衰えも感じますが、まだ少し余力のある今がお店としての引き際で、人生最後のスタートラインでもあると思っています。これまで、何世代にも渡って、たくさんの方々に利用していただきました。本当にありがとうございました」
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過去の写真の展示も

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70代になってから小型船舶免許を取得したり、もはや工事と呼べるレベルまで行えるDIYに、写真、釣り、シュノーケリング、音楽、料理などなど……多趣味かつ器用な正久さんと、「主人に付いていくだけで楽しい」とおっしゃっていた光子さん。少し休んで、好きなことをして暮らしていきたいとのことでした。
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閉店を惜しむお客さんの声が聞こえ続けていたオザワ屋。店内には過去の写真の展示や、メッセージを書き込めるノートが設置され、最後のその時まで、多くの人の来店をお2人が待っています。
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オザワ屋
住所:愛知県豊橋市井原町93
電話:0532-61-6551
営業時間:9:00~18:30
定休日:火曜日

[All photos by Atsushi Miyanaga]

駄菓子屋いながき 宮永篤史

Atsushi Miyanaga
駄菓子屋いながき店主。1979年生まれ。経営していた学童保育を事業譲渡し、その後、息子と二人で日本一周駄菓子屋巡りの旅へ。超高齢化や後継者不足、利益率の低さなど、店主から語られる昔ながらの駄菓子屋の窮状を知り、なんとかこの文化を未来に繋げられないかと埼玉県加須市に駄菓子屋を開業。発達障害のシングルファザーですが、周囲の助けもありなんとか楽しく生活しています。


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