いながきの駄菓子屋探訪75|50歳の同級生4人で始めた高岡市「丸五商店」

Posted by: 駄菓子屋いながき 宮永篤史

掲載日: Jan 8th, 2022

全国約400軒の駄菓子屋を旅した「駄菓子屋いながき」店主・宮永篤史が、「昔ながらの駄菓子屋を未来に残したい」という思いで、これまで息子とともに訪れた駄菓子屋を紹介します。今回は、同級生4人で子どもの居場所づくりと地域再生のため運営しているという、富山県高岡市の「丸五商店」です。

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古い町家の並びにある「土日だけ営業の駄菓子屋」

富山県西部にある高岡市。呉西と呼ばれる地域の中心部ですが、そこに土日だけ営業している駄菓子屋があるという情報を得たので、週末の営業日を狙って訪ねてみました。
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古道のひとつ、旧北陸道が通っていた高岡市福岡町福岡地区。道沿いには古くからある町家が立ち並び、長い歴史を持つことがひと目でわかります。そんな街並の中に、「だがし 丸五商店」という手書きの看板が掲げられているお店がありました。

元豆腐屋の建物に残された店の個性

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店内は土間部分に什器が置かれ、駄菓子がたくさん並んでいます。メッシュパネルが効果的に使われていて、それぞれに大量の駄玩具が吊られ、駄菓子屋らしいゴチャつき。その奥には小上がりがあり、木製のおもちゃで遊べるようになっていました。
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気になったのは、土間の中央にある2つの立水栓。かなり不思議な場所にあるので、「何に使うんだろう?」と思い尋ねると、ここは元々は豆腐屋さんだった建物で、立水栓の周囲が作業場だったそうです。「撤去するのが大変なので、そのままになっているだけです(笑)」とのことでしたが、結果的に昔の面影が残され、お店の個性になっていました。
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50歳の同級生4人が地域再生のために始めたお店

お話を伺ったのは、複数人で運営されているこのお店の代表者のひとり、小坂さん。この丸五商店は、平成27年(2015年)に同級生4人で始めたそうです。店名は、4人が50歳になる年に開店したので、5と0をひっくり返した語呂合わせで付けたとのこと。
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「自分の子どもの運動会の時に、校庭で同級生たちに会って、『そういえば駄菓子屋ってなくなったよな。今の子どもたちってみんな、どこに集まってるんだろうか』という話になったんです。この通り沿いも空き店舗が多くなっていましたし、豆腐屋さんの跡地を借りて自分たちで手直しして、子どもの居場所づくりと地域再生、というイメージで運営し始めました」

日替わりの店番で雰囲気が違うのも魅力

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「創業メンバーや活動に賛同してくれた人たちで、日替わりで店番をしています。それぞれ人柄が違うので、子どもたちはその雰囲気の違いを楽しんでいるようですよ(笑)。みんなほかに仕事を持っているので、今は土、日、祝だけの営業ですが、今後は各々が定年退職していく年齢になっていきますので、そのあたりで活動の幅を広げていく予定です。今も良い雰囲気でやれているので、それを維持できるようにコツコツ続けていきたいです」
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1円玉を使わない値付けや、オリジナルのくじ引き、イベント用の巨大パチンコやルーレットなど、お客のために考えられた工夫が随所にある店内。複数人が関わることでさまざまなアイデアが生まれる、チーム運営の強みを感じました。

ここ数年で、通りに少しずつお店が増え、活動が実を結んできているとのこと。子どもたちのために、地域のためにと作られた丸五商店は、駄菓子屋の枠を超えて、町の未来を創る活動拠点になっていました。
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丸五商店
住所:富山県高岡市福岡町福岡1010
営業時間:土日祝13:00~17:00
定休日:平日

[All photos by Atsushi Miyanaga]

PROFILE

駄菓子屋いながき 宮永篤史

Atsushi Miyanaga

駄菓子屋いながき店主。1979年生まれ。経営していた学童保育を事業譲渡し、その後、息子と二人で日本一周駄菓子屋巡りの旅へ。超高齢化や後継者不足、利益率の低さなど、店主から語られる昔ながらの駄菓子屋の窮状を知り、なんとかこの文化を未来に繋げられないかと埼玉県加須市に駄菓子屋を開業。発達障害のシングルファザーですが、周囲の助けもありなんとか楽しく生活しています。

駄菓子屋いながき店主。1979年生まれ。経営していた学童保育を事業譲渡し、その後、息子と二人で日本一周駄菓子屋巡りの旅へ。超高齢化や後継者不足、利益率の低さなど、店主から語られる昔ながらの駄菓子屋の窮状を知り、なんとかこの文化を未来に繋げられないかと埼玉県加須市に駄菓子屋を開業。発達障害のシングルファザーですが、周囲の助けもありなんとか楽しく生活しています。

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