「さわやか」は秋の季語
「あの人、さわやかだよね!」「香りがさわやか」など、とにかく誉め言葉としてよく使われる「さわやか」という言葉。「さわやかな風」「さわやかな朝の空気」というとつい、春を想像しませんか? 実は「さわやか」は俳句では秋の季語なんです。
暑い夏の後、乾いた風が気持ちよく吹き込む様子を「さわやか」と表現したのが始まりといわれています。ちなみに、春は「さわやか」を使わずに「すがすがしい」と言い直すがよいとされているそうです。
抽象的な「さわやか」をすっきり英語で言い換えてみましょう!
さわやかな香り
レモンやライムなど柑橘系のさっぱりした香りを表現するときに使われる「さわやか」はRefreshingが一番、ぴったりした表現です。
例)I’ve changed my perfume. What do you think?
香水を変えたの。どう思う?
Let me try. It’s really refreshing!
どれどれ(においをかがせて)。すごいさわやか!
さわやかな食べ物、飲み物
さわやかな香りがするオレンジやレモンといった柑橘系の食べ物や飲み物は、やはりRefreshingを使うことが一般的です。また「さっぱりする」食べ物として酸味のあるポン酢、揚げ物もさっぱり食べられる大根おろしや薬味などもRefreshingが使えます。
例)Do you know what ‘grated radish’ is?
「大根おろし」って知ってる?
It is a MUST when you eat Tempura. It’s very refreshing.
てんぷらを食べるときには絶対マスト! さっぱりするよ。
余談ですが、日本人には暑い夏につるつる食べられる冷やし中華やそうめんもさわやか、さっぱりした食べ物と感じる人が多いかと思いますが、イギリスでは麺類は冷たくても暖かくても「さわやか」な食材としては一切認識されていません。むしろおなかにたまる穀類として「冬の食べ物」と考える人が多いのがおもしろいですよね。
朝、風などの雰囲気、空間を表す「さわやか」
さわやかな風や朝の空気のようにすがすがしい、気持ちがよい雰囲気を表す場合は、その場の温度で言い方が変わります。
高原の朝の冷たいキリっとした空気感を表現したいような場合にはCrisp(きりっとした)もしくはRefreshing(すっきりした)という言葉がつかえます。
例)I love early morning. The air is so crisp and refreshing.
早朝が大好き。空気がきりっとして爽快だから。
逆に、晴れて暖かな日差しの中で「今日はさわやかですね」というときにCrispを使うとかなり違和感があるため、冷たさはないけれど気持ちよい、すがすがしいという意味では、Beautiful (美しい、すばらしい)やLovely (感じがよい)を使うことをおすすめします。
実は一番、難しい!?人を誉めるときの「さわやか」
「さわやか青年」のように人を誉めるときによく使われる「さわやか」という表現ですが英語では「どのようにさわやかなのか」を掘り下げて伝える必要があります。
Neat and tidy 身だしなみがきちんとしている
Cheerful 陽気でにこにこしている
Pleasant 感じのよい
例)The staff on the reception was very pleasant and helpful.
受付にいたスタッフは、とても感じがよくて親切だった。
かなり抽象的な誉め言葉として使われる「さわやか」ですが、「さわやかな笑顔」「さわやかな声」「さわやかなお兄さん」など、突き詰めてどうさわやかなのか? と考えてみるのもなかなか興味深いものです。「さわやかな笑顔」のように主観的に人によって変わる場合は、ざっくりとNice smileのように表現することもできます。
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