前代未聞のハプニング!2022年アカデミー賞授賞式
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2022年3月末に行われたアカデミー賞授賞式では、ウィル・スミスが司会者のコメディアン、クリス・ロックをビンタするという前代未聞の事件が起こりました。
英語で「アカデミー賞授賞式」は、正式にはAcademy award ceremonyと言いますが、ニュースや日常会話ではthe Oscar(オスカー)が一般的に使われます。
例)Guess what happened at the Oscar this year?
今年のアカデミー賞で何が起きたと思う?
「ビンタ」「平手打ち」って英語でなんて言う?
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「ビンタ」は外国語由来かと思われがちですが、諸説ではビンは「鬢(びん)」(側頭部の髪の毛)のことで、側頭部の生え際のあたりを打つことをビンタと呼ぶそうです。
「ビンタ」「平手打ち」どちらも拳ではなく手を開いて叩くイメージですが、英語ではSlap(スラップ)もしくはSmack(スマック)を使います。どちらも手のひらを張って「パチン」と音が鳴るように叩くことを表現するときに使い、ほぼ違いはありません。
ちなみにウィル・スミスの一件は、ほとんどのメディアでSlapを使っています。
例)Will Smith slapped Chris Rock on stage.
ウィル・スミスがステージでクリス・ロックをビンタした。
ほかにもある「殴る」「ぶつ」を意味する英語
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SlapやSmackだけでなく、ほかにもよく使う「殴る」「ぶつ」という意味を持つ単語をご紹介します。
Hit(ヒット)
Hit(ヒット)はもっとも一般的に使われる「殴る」「ぶつ」という意味の単語です。平手うち(パーでぶつ)と言うよりはグーで殴るか、腕全体(もしくは肘など)を使っている場合を想起させます。
例)Please don’t hit me.
ぶたないで。
Punch(パンチ)
日本語と同様、拳を握った状態(グー)であることを強調したいときにPunch(パンチ)を使います。
例)Literally, she punched my face.
文字通り彼女が私の顔をパンチした。
Beat(ビート)
Beat (ビート)は、音楽の「ビートを刻む」から連想できるように、「繰り返し」ぶったりするときに使われ「ぼこぼこにする」イメージがあります。
例)Stop it, or I’ll beat you up.
やめろよ! さもなければ、ぼこぼこにするぞ!
Smash(スマッシュ)
Smash(スマッシュ)は人だけでなく物に対してもよく使われ、「打ち砕く、強打する」ととても強い力を伴い、人に対しては「ぶん殴る」に近いニュアンスで使われます。また強く破壊するという意味から交通事故にもよく使われる表現です。
例)The car smashed into the wall.
車が壁に衝突した。
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ハプニングは和製英語
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今回のアカデミー賞授賞式での一件のように、予想外のことが起こることを「ハプニング」と日本語では言いますが、これは英語では通じません。英語ではAccident(アクシデント)、もしくはIncident(インシデント)を使います。ウィル・スイスの一件はどちらを使うのが正解?
Accidentは良いこと、悪いことの両方に使え、「(人為的でなく)偶然起こった出来事」を主に指します。Incidentはあまり良いことには使われず、どちらかというと誰かが(犯人として)とがめられるような出来事に使われます。そのため、今回のケースはIncidentを使うほうがしっくりきます。
例)After the incident at the Oscar, can his career recover in the future?
アカデミー賞授賞式での事件以降、彼の(俳優としての)キャリアは将来復活できるのか?
理由はどうであれビンタという暴力を使ってしまったウィル・スミスへの社会的制裁がとても厳しい欧米ですが、みなさんは今回の一件をどう見ましたか?
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