知らないと勘違いも!?「Call」の意外な意味
筆者が就職してイギリスに移住して間もないころ、親切な知人にとても失礼なことをしてしまった出来事がありました。それは、「Call」が意味することを「電話する、呼ぶ」としか知らなかったための失敗です。
そこで今回は、かなり重要な場面に使われる「意外なcallの使い方」を紹介します。
【基本】「電話をする、呼ぶ」という意味のCall
まず一般的なcallの使い方は「電話する」もしくは「呼ぶ」です。
例)I’ll call you later.
後で電話するね。
My name is Thomas, please call me Tom.
私の名前はトーマスです。トムと呼んでください。
「ちょっと立ち寄る」という意味のCall
イギリスで特に注意したいのがこの「立ち寄る、顔を出す」という意味での使い方です。
前述のとおり、引っ越したばかりで掃除機がなかった私は、親切な知人から掃除機を借りて新居を片付けていました。掃除機を返す約束をした際、彼女が言ったのはこちら。
例)I’ll call in around 7pm.
7時頃ちょっと立ち寄るね。
ところが、「call=電話する」としか知らなかった私は「7時に電話するね」と誤解してしまい、7時には家におらず掃除機を返すことができず……。親切で貸してもらっていたのに約束の時間に家にもいなかったので、大変な失礼をしたことを今でも覚えています。
イギリスでは「ちょっと立ち寄る、顔を出す、様子を見に行く」というときにcallをかなり頻繁に使います。
例)The shop was closed this morning. I’ll call again in a bit.
今朝はお店が閉まっていました。また後で行ってみます。
「電話する」と「ちょっと立ち寄る」では意味は全然違うのに、どちらで理解しても文章の意味は通ってしまうのが曲者です。
「判断、決断」という意味のCall
「判断、決断」という意味を表すこともよくあります。
例)Shall we get this work done today? Or shall we continue tomorrow?
この仕事、今日終わらせてしまう?それとも明日続ける?
It’s your call.
あなたが決めていいよ。
相手に判断をゆだねて、「あなたが決めていいよ」という意味でIt’s up to you.もよく使われます。どちらもほぼ同じ意味ですが、callを使うほうが、決めている内容がより大切な感じがします。
ほかにもいろいろ!Callを使った決まり文句
Let’s call it a day. 今日のところはここまでにしよう。
仕事終わりやスポーツでのトレーニング、飲み会などの最後に使われる「お開きの合図」のフレーズです。day のかわりにnightを使うと、「今晩はここまで」という意味になります。
Call in sick 病欠と連絡する
「病気で休むと連絡する」という意味の決まり文句に「Call in sick」があります。メールや電話など、どんな連絡手段でも使えます。
例)Where’s Mika? She has called in sick today.
みかはどこ? 今日は病気でお休みだそうです。
Call off 中止する
イベントやスポーツの試合が中止するときには、cancel(キャンセル)だけではなく「call off」もよく使われます。ちなみに延期される場合は「postpone」が使われます。
「電話をする、呼ぶ」以外のcallの使い方について紹介しました。「立ち寄る」や「延期する」などの意味にも用いられる言葉なので、誤解を避けるためにも覚えておきたいですよね。
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