テレビ界を引っ張るお笑いブーム
日本とイギリスでテレビ番組を見比べていて一目瞭然なのは、「日本人はお笑いが大好き」と言うことです。バラエティ番組の占める割合が多いことはもちろん、別の趣旨の番組(ニュース番組、音楽番組、料理番組、スポーツ番組)にもお笑い芸人が必ずのように出演しています。
今回は、日本では当たり前の「お笑い」関連のフレーズを、英語ではどう表現できるのか見ていきます。日本独特のものも多いので、海外の人にはわかりにくかったり、一言では訳せないものがたくさんあることに驚くかもしれません。
「漫才」は日本特有のお笑い文化
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まず、お笑い全般はcomedy(コメディ)と言います。
日本では大人気で古くからある「漫才」ですが、海外ではほぼ見かけません。漫才は2人(もしくは3人)の掛け合いで笑いを引き出しますが、海外ではコメディアンひとりでマイクを持ってネタを披露するのが一般的です。
ピン芸人 Stand-up comedian
マイク1つでお笑いをする人のことを言います。
漫才コンビ Comedy duo
海外では珍しい2人組のお笑いコンビのことは、comedy duo(お笑いをする2人組)ということが多いです。
「ボケとツッコミ」は海外にはない!?
ボケとツッコミに役割分担された2人のテンポ良い掛け合いを醍醐味とする漫才は、海外ではほぼ存在しないので、ボケとツッコミも海外の人にはわかりにくいものといえます。
「ボケ」はclown(ピエロ)もしくはSilly person(とぼけた、ばかな人)を、「ツッコミ」にはStraight man(まっとうな人)を使うことをおすすめします。
ただし、人のことをstraight(ストレート)という場合には「同性愛者ではない、ヘテロセクシャルな」という意味もあるので、通じているか注意する必要があります。
例)Manzai is a Japanese style stand-up comedy. Normally it is played by two men, one acts a clown and another straight man in comedy makes a witty comment.
漫才は、日本特有のお笑いです。たいてい、2人の人がいて、1人はピエロを演じ、もう1人のまっとうなほうが気の利いた返答をします。
お笑い英語豆知識
「コント」はフランス語
漫才とは違い、ときには小道具なども使って演じる設定寸劇のことを「コント」と言いますが、フランス語由来って知っていましたか? コント(conte)はフランス語で「寸劇、短い話」という意味。ちなみに英語では、Sketch comedy(スケッチコメディ)と言います。
「落ち」
お笑いのもっとも重要な「落ち」のことを、英語ではPunchline(パンチライン)と言います。「パンチする」という意味のpunchで「大打撃を与えられる大切なセリフ」という意味です。お笑いだけに限らず「クライマックス」に当たる場面で使えます。
「ウケる」
funnyを使っておもしろいことを表現することももちろんOKですが、おなかを抱えるほど笑ってしまう、ばかうけ状態の場合はhilarious(ヒレーリアス)とイギリス人はよく言います。
「MC」ってなんの略?
司会進行をする人を「MC」と呼んだり、コンサートなどの間のトーク部分を「MC」と言ったりしますが、「MC」とは何でしょうか?
イベントや行事の進行役のことをMaster of ceremonyと呼ぶことがあり、その略のMCが司会者として定着しているようですが、コンサートのトーク部分をMCと言う理由は定かではありません。
ちなみに、このMC、アメリカでは使うこともあるようですが、イギリスでは聞いたことがありません。イギリスでは、番組のMCと言いたいときは、host(ホスト)もしくは presenter(プレゼンター)と言います。
日本では大人気のお笑いですが、ボケとツッコミなど、海外ではなかなか通じない日本ならではの文化が多いことも事実です。お笑いが日本で人気の理由やおもしろいツボなどを海外の人と共有できたら楽しいかもしれませんね!
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